栗林公園の紅葉は11月下旬から見頃、庭園散策は南庭で約60分

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香川県高松市にある栗林公園の紅葉は、例年11月下旬から12月上旬に見頃を迎えます。園内を歩いて回る時間は、南庭に絞れば約60分、北庭まで足をのばすと約90分から120分が目安です。2026年は11月20日から11月29日まで夜のライトアップも予定されています。

栗林公園は、国の特別名勝に指定された回遊式の大名庭園です。池を囲む園路を歩くにつれて、目に入る景色が移り変わっていきます。フランスの旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』では最高評価の三つ星に選ばれ、兼六園、後楽園、偕楽園の日本三名園と並んで名前が挙がることもあります。

目次

栗林公園の紅葉は11月下旬から12月上旬が見頃

紅葉を目当てに出かけるなら、11月下旬から12月上旬を選ぶのがいちばん確実です。ただし色づきの進み方は年ごとに前後し、11月上旬に色づき始め、11月中旬から見頃に入るという予測もあります。出かける直前に色の進み具合を確かめておくと安心です。

園内で色を変える木は、おもにタカオカエデ、ハゼノキ、イチョウです。なかでもカエデとイチョウが紅葉の主役です。

高松の栗林公園は紫雲山を借景にした池泉回遊式の庭

栗林公園の庭は、池のまわりを歩きながら眺めを楽しむ池泉回遊式です。池を中心に据える池泉庭園には、舟遊式、浄土式、回遊式、鑑賞式といった型があります。眺め方で分けると、庭の中を歩いて回る回遊式と、座敷に座って眺める鑑賞式の二つになります。

回遊式の庭では、池のほかに築山や刈込、芝生、東屋、借景を組み合わせ、立つ場所が変わるごとに別の景色が現れるよう計算して作られています。回遊式は、池に舟を浮かべて楽しむ舟遊式とは、歩いて巡る点で区別されます。栗林公園は歩いて巡る庭でありながら、南湖では和船に乗って水の上から眺めることもできます。

借景(しゃっけい)とは、庭の外にある山や木々、遠くの景色を庭の眺めに取り込む造園の手法を指します。外から借りた景色を庭の主役に据え、庭と周りの自然がひと続きに見えるように仕立てます。京都の天龍寺庭園は、亀山や嵐山のふもとを取り込んだ例として知られています。栗林公園でその役を担うのが、園の背後にそびえる紫雲山です。

園の位置は、高松市街に接する紫雲山の東のふもとです。園の標高は7.5メートルと記されています。

敷地は全体で約75ヘクタール、そのうち庭園部が約16ヘクタールあります。紫雲山を背にした広い土地に、六つの池と十三の築山が配されています。園は中央付近を境に南庭と北庭に分かれていて、江戸時代の大名庭園の姿を残す南庭と、近代に整えられた北庭とでは、歩いたときの空気がかなり違います。南庭には南湖と北湖という大きな池が二つあります。

庭園散策にかかる時間は南庭で約60分、全体で90分から120分

園内の散策には、南庭を中心に回るなら約60分、南庭と北庭をどちらも歩くなら約90分から120分を見込んでおけば足ります。寄り道をする場合は、掬月亭で抹茶を飲みながら休む約30分や、南湖の和船に乗る時間を足してください。

南庭のウォーキングコースは偃月橋から飛来峰、掬月亭へと続く

南庭で押さえたい見どころは、偃月橋、吹上、飛来峰、掬月亭、根上り五葉松、涵翠池、芙蓉峰の7か所です。このほか、園の南西には小普陀もあります。

偃月橋は南湖にかかる園内最大の橋

偃月橋は園内でいちばん大きな橋で、南湖に架かっています。紫雲山を背にしたこの橋の眺めは、栗林公園を代表する景観です。

吹上は南湖へ注ぐ流れの起点

吹上は、南湖に流れ込む川が始まる場所です。ここに立つと、紫雲山を背景に偃月橋を見渡せます。

飛来峰は富士山に見立てた園内最高峰の築山

園内でいちばんの景勝地とされるのが飛来峰です。南湖の東にあり、園内の山のなかで最も高く、富士山に見立てて築かれました。

築山(つきやま)は、山に見立てて石や土砂を盛り上げた庭の山のことで、庭園そのものを指す言葉として使われる場合もあります。鎌倉時代まではこの呼び名が使われておらず、室町時代の『作庭記』に見える「山をつく」の書き方がもとになって、今の「山を築く」という呼び方ができたようです。地面に起伏をつけて庭に奥行きを出し、高い場所からの眺めをつくるのがおもな役目で、池泉庭園では池や流れの水と組み合わせる重要な要素になります。園内の飛来峰と芙蓉峰は、どちらも築山です。

飛来峰の山頂近くには、珪化木(植物の化石)を使った石組みがあります。この石組みは、山が崩れるのを防ぎ、あわせて富士山の雪を表したものではないかと伝わっています。珪化木は、木の細胞の中がケイ酸で満たされて化石になったもので、もとの木の組織がそのまま残ります。

掬月亭は藩主が茶会を開いた数寄屋風書院造りの建物

掬月亭は、江戸時代初期の17世紀に建てられた数寄屋風書院造りの建物です。大茶屋という別名を持ち、歴代の藩主がここで茶会や舞を楽しみました。

数寄屋造りは、安土桃山時代、千利休が茶の湯を確立した時期に起こりを持つとされます。茶道の考え方を映した、飾り気は少ないのに洗練された意匠が持ち味です。柱どうしをつなぐ補強の横木である長押(なげし)を使わないなど、むだな飾りを省いた素朴なつくりが目につきます。一方の書院造りは、書斎や棚を備えた建て方で、安土桃山時代のころまで広く用いられた一般的な様式でした。格式や装飾性を大事にする書院造りと、簡素な数寄屋造りの両方の要素を持つのが掬月亭です。

紅葉を眺めながらひと休みするなら、掬月亭に上がるのが定番になっています。営業は9時から16時30分までで、受付は16時に締め切られます。休みは12月30日と31日の2日間で、公園そのものは年中無休です。

根上り五葉松は将軍から贈られた盆栽が育った巨木

南湖のほとりに立つ根上り五葉松は、高松藩の9代藩主が参勤交代で江戸へ出向いた際、11代将軍の徳川家斉から授かった盆栽が大きく育ったものだと伝えられています。参勤交代とは、決まった期間、大名を江戸で勤めさせた江戸幕府の制度で、大名が将軍に従う姿勢を示す仕組みでした。

涵翠池は紫雲山の緑を眺める場所

涵翠池は、南庭でいちばん大きな池である南湖の西にあります。池の向こうに緑の映える紫雲山を眺められる、園内のビュースポットの一つです。

芙蓉峰は北湖を見下ろす飛来峰に次ぐ築山

北湖の東にそびえる芙蓉峰は、飛来峰に次ぐ高さの築山です。北湖を見下ろす位置にあり、借景の紫雲山と合わさって大きな景色が広がります。頂から西を向くと、赤く塗られた梅林橋が景色の中でひときわ目を引きます。

小普陀は園内で最も古い部分の一つ

小普陀は、園内で最も古い部分の一つとされます。中国の観音霊場として知られる普陀山をまねて築いた山で、16世紀後半の元亀・天正のころに地元の豪族だった佐藤氏が、小普陀のあたりに庭を造ったのが栗林公園の始まりだという説もあります。

紅葉の名所は南庭の南側にある楓岸と吹上の一帯

紅葉の名所として知られるのは、南庭の南寄りにある楓岸(ふうがん)と吹上のあたりです。園のパンフレットに載っている紅葉の写真も、多くはこの一帯で撮られています。

南湖の南岸では、何本ものカエデの枝が重なり合ってトンネルのようになり、赤く染まった葉が湖面に映り込みます。

ほかに写真の撮りどころとして挙がるのは、潺湲池(せんかんち)と西湖のまわり、楓嶼(ふうしょ)、それに鴨場の西側にそびえる大イチョウです。

北庭は鴨場の跡が見どころ

北庭は、明治末に整えられて大正2年に開かれた区域です。

江戸時代、北庭の一帯は群鴨池を中心とした藩主の鴨猟の場でした。平成4年には、当時の鴨引堀や小土手、小覗・大覗と呼ばれる覗き小屋が復元され、鴨場の姿を今も見られます。

北庭の老松群は、朝日の逆光で葉先が輝くと紹介されています。

栗林公園は100年以上をかけて延享2年(1745年)に完成した

栗林公園の原型ができたのは、寛永年間(1630年代)とされています。当時の讃岐国の領主だった生駒高俊が南湖一帯を造園し、これが現在の公園の土台になりました。南湖のあたりは最初に作られた高松藩主の大名庭園で、池泉の広さは今では3.5ヘクタールあります。

寛永19年(1642年)、生駒氏が国替えとなり、代わって初代高松藩主として入った松平頼重が庭を受け継ぎました。頼重は水戸光圀の兄にあたります。

それから100年以上が過ぎた延享2年(1745年)、5代藩主の頼恭の時代に、園内の六十景が名付けられたことで庭は完成を迎えました。園内六十景とは、同じ年の文書『栗林荘記』に記された60か所の名所のことで、儒学者の中村文輔がまとめたものと紹介されています。そのうち今も残るのは南庭の46景と北庭の4景で、合わせて50景です。

明治維新によって松平家が領主でなくなったあと、1875年(明治8年)からは誰でも庭に入れるようになりました。

文化財に指定された庭園で栗林公園は日本一の広さ

特別名勝とは、名勝のなかでも特に価値が高いと認められたものを指します。文化財保護法の決まりでは、記念物の中で重要なものは史跡、名勝、天然記念物として指定でき、さらに価値の際立つものは特別史跡、特別名勝、特別天然記念物として指定できます。名勝の指定基準では、公園と庭園が分類の最初に置かれています。

文化庁がまとめた数字では、令和8年3月31日の時点で名勝は433件あり、そのうち特別名勝は36件です。庭園に絞ると名勝は237件で、うち特別名勝は24件です。栗林公園は、文化財に指定された庭園のなかで日本一の大きさを誇るとされています。

2026年の紅葉ライトアップは11月20日から29日に開催予定

2026年の紅葉ライトアップは、11月20日に始まり、11月29日まで続く予定です。夜の入園は20時30分で締め切られます。光が当たるコースには、掬月亭や楓岸、飛来峰が含まれています。

前年の2025年は11月21日から30日の10日間に行われ、点灯は17時から21時、入園の締め切りは20時30分でした。南湖や潺湲池の水面に映る紅葉が見どころになりました。

南湖周遊和船は前月1日から予約でき、ライトアップ中は夜も運航

南湖を和船で一周するコースは、乗り降りを含めて約30分で、定員は6名です。

予約は電話かホームページで受け付けていて、乗りたい日が属する月の前月1日から、乗る日の前日までが申し込み期間になります。当日の予約はできません。当日分の乗船券は、8時30分から乗船券売場で売り出されます。

紅葉ライトアップの期間には夜の便も出ます。2025年は11月1日の13時に予約の受け付けが始まり、ライトアップ期間の毎晩、17時30分の1便目から15分おきに計11便が出て、最終便は20時の出発でした。

入園料は一般500円で、掬月亭と和船は別料金

入園料は2025年6月1日に改定され、一般個人は500円になりました。掬月亭の入亭料と和船の乗船料は入園料に含まれず、それぞれ別に支払います。どちらも入園料と同じ2025年6月1日に改定され、改定後の料金は次のとおりです。

項目大人子ども
掬月亭(抹茶付き)800円500円(小人)
掬月亭(煎茶付き)600円400円(小人)
南湖周遊和船850円420円(小中学生)

11月の入園は6時30分から17時、JR栗林公園北口駅から徒歩約3分

11月の通常の入園時間は、6時30分から17時までです。電車で行く場合は、JR栗林公園北口駅から北門まで徒歩約3分、ことでん栗林公園駅からは徒歩約10分で着きます。

車で行く場合、東門駐車場と北門駐車場(どちらも県営)は、夕方の16時30分ごろには満車になることが多いようです。紅葉の季節は、北門に近いJR栗林公園北口駅を使う電車での来園が現実的です。

紅葉シーズンの混雑は南庭の飛来峰や楓岸、潺湲池の周辺に集中する

紅葉の季節に混み合う場所は、南庭、とくに飛来峰や楓岸、潺湲池の周辺です。混雑を避けたいなら、開園してすぐに入り、南庭から先に歩いてください。飛来峰は、ライトアップの点灯直後か閉園前の時間帯に回すのが混雑を避けるコツです。

ライトアップの期間中は、駐車場も含めて園全体がかなり混み合います。2025年は、高松市花ノ宮町のハローワーク高松が臨時の無料駐車場として案内されました。園内の混み具合によっては入園が制限されることもあります。

11月の栗林公園は朝の南庭から歩くと紅葉をゆっくり見られる

紅葉の名所である楓岸と吹上は、南庭の南側にあります。開園直後に入って南庭から歩き始めれば、人の少ないうちに紅葉を見て回れます。

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