長瀞の岩畳は駅から徒歩約5分!荒川の渓谷を歩くウォーキングコース

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埼玉県長瀞町の岩畳は、秩父鉄道の長瀞駅から歩いて約5分のところにある、荒川沿いの岩場です。見学は無料で、決まった休みもなく、いつでも自由に歩けます。長瀞駅から岩畳を通って、上長瀞駅まで自然歩道が続きます。

長瀞は、秩父郡長瀞町を中心に広がる、荒川の上流の渓谷です。長さは約6kmあります。流れがゆるやかで深い淵が長く続く場所を「瀞」と呼び、この呼び名が長瀞という地名のもとになったとされています。

岩のあいだを静かな水が流れていく景色が、この土地を代表する眺めです。その中心にあるのが岩畳です。宝登山神社へは長瀞駅から、月の石もみじ公園へは上長瀞駅から歩いて行けます。

目次

長瀞の岩畳は駅から徒歩約5分、荒川に沿って約500m続く

岩畳は、荒川に沿って約500mにわたって続く岩場で、長瀞を代表する観光スポットです。

長瀞駅から上長瀞駅まで、地質を見ながら歩ける自然歩道

長瀞駅を出て岩畳を通り、上長瀞駅まで歩ける自然歩道があります。足元の岩の模様や、ポットホールと呼ばれる丸い穴を眺めながら進む散策が人気です。

岩畳から荒川の上流へ向かう遊歩道に入ると、途中に、長瀞の歴史と地質を学べる埼玉県立自然の博物館が建っています。この遊歩道は、岩畳のまわりを気軽に歩いてみたい人に合うコースです。

車は花園ICから約30分、観光協会は長瀞駅のとなり

車で向かうなら、関越自動車道の花園ICを出て約30分です。駐車場は岩畳のすぐそばにはありません。長瀞駅の周辺に有料駐車場がたくさんあるので、そこに停めて歩きます。

長瀞町観光協会の事務局は長瀞駅のとなりにあり、自転車の貸し出しもしています。問い合わせに対応している時間は9時から17時です。

岩畳は地下20〜30kmで生まれた結晶片岩が地表に出た場所

岩畳の岩は結晶片岩で、埼玉県立自然の博物館は、地下20kmから30kmの深さでできた岩石だと説明しています。地下の深いところで性質が変わった岩が、荒川に削られて表に現れ、川の水で磨かれてきました。その姿を間近で観察できることから、長瀞には「地球の窓」という呼び名があります。

明治時代から研究者や学生が大勢訪れてきた長瀞は、「日本地質学発祥の地」とも呼ばれます。小藤文次郎は東京帝国大学に所属した地質学者で、明治時代にこの土地の結晶片岩を調べ、日本の地質学の礎を築いた人物として紹介されています。

結晶片岩は薄くはがれる層をもつ変成岩

結晶片岩とは、薄くはがれやすい片状の組織をもつ、結晶質の変成岩をまとめた呼び名です。単に片岩と呼ぶこともあります。この薄い層の重なりを片理といい、雲母類や緑泥石のような板状の鉱物、角閃石や緑れん石のような柱状の鉱物が、同じ面にそろって並ぶことで生まれます。

岩の名前は、特徴となる変成鉱物の名を「片岩」の前に付けて呼ぶのが一般的です。緑色片岩のほか、藍閃石片岩(青色片岩)や紅簾石片岩があります。緑色片岩は塩基性火成岩がもとになった岩で、温度の低い条件でできます。中身は緑泥石、緑れん石、アクチノ閃石などです。

片状の組織がどれだけはっきりしているかでも、呼び方が変わります。粒が小さく片状組織が弱いものは千枚岩、それよりさらに弱いものは粘板岩です。変成の度合いが高く、縞模様の構造をもつ岩は片麻岩と呼ばれます。

結晶片岩は広域変成作用によってできる岩で、変成帯という広い帯状の地域に分布しています。日本でその代表にあたるのが三波川変成帯です。

三波川変成帯は関東山地から大分県の佐賀関半島まで続く

地質学の区分でいえば、長瀞は三波川変成帯が地表に出た場所です。この変成帯は中央構造線の南側、外帯に沿って延びる低温高圧型の変成岩帯で、広域変成帯としては日本で最大級の規模をもちます。名前の由来は群馬県藤岡市の三波川です。この地域で採れる結晶片岩を「三波川結晶片岩」と呼んだのが始まりでした。

帯は関東山地から始まり、フォッサマグナでいったん途切れます。その先の長野県上伊那地域でふたたび姿を見せ、紀伊半島と四国を通り、最後は大分県東部、九州の佐賀関半島に達します。中央構造線の北側、内帯にあたるのは領家変成帯です。岩の種類では、緑色片岩と黒色片岩がよく見られます。

約1億年前から6600万年前の白亜紀後期に、この帯の岩は変成作用を受けたとされます。三波川変成帯全体では、深さ15kmから100kmほどの地下で変成した岩石が分布しています。四国で測定された年代は、白雲母と黒雲母を使ったK-Ar放射年代で82から102Ma、Rb-Sr放射年代で85から94Maでした。

三波川変成帯を途中で分断しているフォッサマグナは、ナウマンが名付けた地域で、本州中央部の東側に広がっています。

岩畳の甌穴(ポットホール)は渦に回された石が削った穴

岩畳を歩くと、岩の表面に開いた丸い穴が目に入ります。これが甌穴で、ポットホールやかめ穴とも呼ばれます。川底や川岸が硬い岩盤でできている場所に生まれる、円形のくぼみです。

でき方は次のとおりです。岩盤の表面のでこぼこにできたくぼみへ小石が落ち込み、渦を巻く流れによってその小石が回り続けます。回る石が岩盤を少しずつ削り、筒のような形の穴を掘っていきます。鍋のような形の穴の底に、丸くなった小石が残っていることもあります。

甌穴は、下刻作用が激しい場所にできやすいとされます。直径は小さいもので数センチメートル、大きいものでは十数メートルになり、数メートルの深さをもつ穴もあります。波の力でできたものは海食甌穴、氷河の流水でできたものは氷河臼と呼び分けます。代表的な場所として、木曽川の寝覚の床とともに、荒川の長瀞付近が知られています。

長瀞は1924年に名勝と天然記念物の両方に指定された

長瀞は、1924年(大正13年)12月9日に、「長瀞」の名で国の名勝と天然記念物に同時に指定されました。指定の範囲は旧親鼻橋から旧高砂橋までの荒川の両岸で、長瀞町だけでなく、上流側にある皆野町の川岸も含まれます。

名勝と天然記念物は、文化財保護法のうえではどちらも「記念物」に入ります。記念物の中から重要なものを選び、史跡、名勝、天然記念物に指定するのは文部科学大臣です。なかでも特に価値が高いものは、特別史跡、特別名勝、特別天然記念物になります。

名勝の対象は、芸術や観賞の面で価値の高い景勝地です。日本庭園のように人が手を加えた景観も、自然の働きから生まれ、歴史や文化に支えられてきた風致景観も、どちらも含まれます。天然記念物のほうは、国土の成り立ちや動植物といった自然が対象です。2つの制度の始まりは、1919年制定の旧「史蹟名勝天然紀念物保存法」です。1950年にできた文化財保護法が、それを受け継ぎました。

長瀞を流れる荒川は甲武信ヶ岳から延長173km

長瀞を流れる荒川の水源は、埼玉県の秩父山地にそびえる標高2,475mの甲武信ヶ岳です。流域面積が2,940平方キロメートル、幹川流路延長が173kmの川です。

源流を出た水は秩父盆地を北へ流れ、長瀞の渓谷を抜けたあと、埼玉県大里郡寄居町で南東へ向きを変えて関東平野に入り、最後は東京湾に注ぎます。

埼玉県立自然の博物館は大人200円、休館日は月曜日

埼玉県立自然の博物館の入館料は大人200円で、休館日は月曜日です。ただし月曜日でも、埼玉県民の日、ゴールデンウィーク、祝日、振替休日にあたれば開館し、7月と8月は月曜日も開いています。年末年始は休館です。

区分内容
開館時間(通常)9時〜16時30分、最終入館16時
開館時間(7月と8月)9時〜17時、最終入館16時30分
入館料(高校生と大学生)100円
入館料(中学生以下)無料
入館料(障害のある方と介助者1名)無料

館の見どころの一つに、パレオパラドキシアの骨格標本があります。

宝登山神社は長瀞駅から岩畳と反対の西へ徒歩10〜15分

長瀞駅を挟んで岩畳と反対の西側にあるのが宝登山神社で、駅から参道が延びています。駅から歩くと約10分から15分です。

2世紀初めの創建と伝わる神社と、権現造の本殿

神社の言い伝えでは、第12代景行天皇の時代、2世紀初めに創建されました。東征の途中で宝登山に立ち寄った日本武尊が山火事に巻き込まれ、2頭の大きな犬に助けられたという伝説が残っています。この出来事にちなんで山は「火止山」と呼ばれるようになり、ふもとに社殿が建てられたと伝わります。山頂の奥宮については、日本武尊が神域を祀った場所という言い伝えがあります。

いまの本殿は、1874年に権現造で再建されたものです。権現造とは、本殿と拝殿を、あいだの「石の間」でつないだ複合社殿の形式を指します。本殿、相の間、拝殿の3つの屋根をつなげると、エの字の形になります。相の間には幣殿などの別名があり、その床を本殿や拝殿より一段低い石敷きにしたものを石の間といいます。

名前は東照権現、つまり徳川家康に由来するとされ、京都の北野天満宮や日光東照宮がこの形式の例です。権現造は、本殿を豪華に造り、拝殿も千鳥破風などで飾ることが多い形式です。

宝登山へのロープウェイは全長832mを約5分で結ぶ

宝登山にはロープウェイで登れます。山麓駅から山頂駅までの全長は832mで、約5分で着きます。山頂からは市街地と荒川を一望できます。山頂の蝋梅園では、例年1月上旬に花が咲き始め、2月中旬ごろまで楽しめます。

参道の阿左美冷蔵の宝登山道店は天然氷のかき氷で知られる

参道には、天然氷のかき氷で知られる阿左美冷蔵の宝登山道店があります。阿左美冷蔵は明治23年に創業した天然氷の蔵元です。宝登山から湧き出る水を貯水池にため、自然に凍らせた氷を、夏まで氷室で保存しています。

宝登山道店で出している「蔵元秘伝みつ」は、和三盆と天然氷でつくった蜜です。杏仁霜でつくったシロップをかけたかき氷は、支店でしか食べられません。店は10時から16時30分まで営業し、定休日は火曜日で、12月から3月は休業します。夏の繁忙期は行列になり、本店では店に入るまで2時間から3時間かかる日もあります。

蜜に使う和三盆は伝統的な高級砂糖で、主な産地は徳島県と香川県を中心とした四国東部です。

月の石もみじ公園は2026年11月6日(金)から紅葉を照らす

上長瀞駅から歩いて約5分の月の石もみじ公園では、2026年11月6日(金)から11月29日(日)までの16時から21時に、ライトアップが行われます。紅葉の色づき具合によって、日程が前後する場合があります。

公園は一年中開いていて、入園は自由です。紅葉の見頃は、例年11月中旬から下旬が目安になります。2026年は長瀞の紅葉まつりも11月1日から11月30日まで、16時から21時に開かれます。ライトアップ期間中の入園に使えるパスポートとして、長瀞パスポート2026(500円)があります。

長瀞ラインくだりは2026年12月4日(金)まで運航、大人2,000円から

長瀞ラインくだりは舟で荒川の渓谷を下る川下りで、岩畳と並ぶ長瀞の名物です。長瀞の川下りは3社が運営していて、料金や運航のしかたは事業者ごとに異なります。

長瀞ラインくだりの2026年の運航は、3月10日(火)に始まり、12月4日(金)まで続きます。予約はいらず、通常期の料金は税込で大人2,000円、子ども1,000円です。コースは3種類あり、AコースとBコースは、どちらも乗っている時間が約20分です。

コース区間距離
Aコース親鼻橋から岩畳まで約3km
Bコース岩畳から高砂橋まで約3km
全コース親鼻橋から高砂橋まで約6km

舟は9時から16時ごろまで、10分から40分の間隔で出ています。繁忙期は大人が2,200円、子どもが1,100円に上がります。中学生以上が大人、3歳以上が子どもの料金です。冬の1月1日から2月28日は「ぽかぽかこたつ舟」が出て、運航時間は10時から14時です。

天候が荒れたときや、荒川が増水または渇水したときは、運休になる場合があります。

まとめ:岩畳は無料、長瀞駅から歩いて約5分

長瀞の岩畳は、長瀞駅から徒歩約5分で着く無料の岩場で、上長瀞駅まで続く自然歩道を歩きながら地質を観察できます。岩畳の岩は地下20kmから30kmでできた結晶片岩で、長瀞は1924年に国の名勝と天然記念物に指定されました。2026年の秋は11月6日(金)から月の石もみじ公園のライトアップが始まり、長瀞ラインくだりは12月4日(金)まで運航しています。

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