新潟県長岡市にある国営越後丘陵公園では、里山の自然探勝路を活かしたノルディックウォーキングコースが整備されています。コースは初級4.1キロメートルから上級11.5キロメートルまで3段階に分かれており、ポールを無料でレンタルできるため道具がなくても気軽に挑戦できます。本州の日本海側で初めての国営公園として約400ヘクタールの敷地を持ち、健康ゾーンと里山フィールドミュージアムの二つのエリアで構成されている点も特徴です。この記事では、コースの距離や利用期間、歩き方の基本、期待できる健康効果、季節ごとの見どころまで、新潟でノルディックウォーキングを楽しみたい人に向けて詳しく紹介します。

国営越後丘陵公園は本州日本海側で初めての国営公園
新潟県長岡市宮本東方町字三ツ又1950番1に広がる国営越後丘陵公園は、標高およそ80メートルから260メートルの丘陵地帯にまたがる、本州の日本海側では初めての国営公園です。敷地面積は約400ヘクタールにおよび、公園全体のテーマには「天に学び、地に遊び、人と集う、越の里」という言葉が掲げられています。園内は大きく分けて二つのエリアで構成されており、花や遊具を中心とした健康ゾーンと、昔ながらの里山の暮らしを体感できる里山フィールドミュージアムがそれぞれ異なる楽しみ方を提供しています。
健康ゾーンには、園内で人気No.1という山型の大型トランポリン「ふわふわドーム」があり、子ども向けの遊具エリアや水遊びができる水の遊び場、車の形をしたユニークな変形自転車なども揃っているため、家族連れが一日中飽きずに過ごせます。公園を象徴する花のスポットとして「香りのばら園」もあり、香りにこだわって選ばれた約700品種2400株のバラが植栽され、開花期には甘い香りが園内を包みます。雪割草やチューリップ、あじさい、コスモスといった季節の花も次々と主役を交代し、一年を通じて来園者を迎えています。
里山フィールドミュージアムは2007年開設で移築古民家を歩いて巡れる
里山フィールドミュージアムは2007年に開設されたエリアで、越後の伝統的な農村文化や自然をそのまま体感できる施設が集まっています。交流拠点の「里山交流館えちごにあん」や古民家を移築した「越の里山館」、山菜や野草の見分け方と調理法を学べる「里山体験工房かたくり」などが点在し、囲炉裏端での昔語りや干し柿づくりといった昔ながらの暮らし体験も行われています。無農薬・無化学肥料で育てる田んぼや畑では、田植えや稲刈りといった年間を通じた農作業体験のイベントも開催されており、都市部で暮らす家族連れが本物の里山の暮らしに触れられる場になっています。ノルディックウォーキングコースはこの里山フィールドミュージアムの自然探勝路を活用しているため、歩きながら移築古民家や田園風景といった懐かしい越後の農村風景を眺められる点も見逃せません。
アクセスは長岡インターチェンジから車で10分、入園料は大人450円
車で訪れる場合、関越自動車道または北陸自動車道の長岡インターチェンジから約10分というアクセスの良さが魅力です。公共交通機関を使う場合は、JR長岡駅大手口の6番線バス乗り場から路線バスに乗り、「越後丘陵公園」バス停まで約40分ほどかかります。県外から訪れる場合も新幹線で長岡駅まで来れば、そこからバス一本で公園に到着できるため、旅行の行程にも組み込みやすい立地です。
開園時間は季節によって変わり、4月・9月・10月は9時30分から17時まで、5月から8月にかけては9時30分から18時まで、11月から3月は9時30分から16時30分までとなっています。休園日は4月から12月が不定休のためカレンダーでの確認が必要で、12月26日から1月1日の年末年始と、1月から3月の月曜日(祝日の場合は翌平日)も休園にあたります。
入園料金は大人450円、65歳以上のシニアは210円、中学生以下は無料です。12月から3月の冬季は入園料そのものが無料になる点も見逃せません。駐車場は約2000台を収容できる広さがあり、4月から11月は普通車320円、大型車1050円、二輪車100円の駐車料金がかかりますが、障がい者手帳を提示すれば無料になります。冬季は駐車料金も無料です。
ノルディックウォーキングの起源は1930年代のフィンランドにある
ノルディックウォーキングのルーツは1930年代初頭のフィンランドにさかのぼります。クロスカントリースキーの選手たちが、雪のない夏場のオフシーズンにポールを手に持ってハイキングやランニングをこなし、体力とバランス感覚を維持するトレーニングとして取り入れたことが始まりとされています。1990年代に入ると、ポールを使って歩くことの身体的な効果についてフィンランド国内で本格的な研究や実証実験が進みました。1996年には、フィンランドスポーツ研究所とスポーツ用品メーカーのエクセル社、野外レクリエーションスポーツ協会「スオメンラトゥ」の三者による共同事業として、ノルディックウォーキングは一般の人々にも広く紹介される運動として世界へ発信されました。
日本では2003年のNPO法人設立から普及が本格化した
日本国内での普及は2000年代に入ってから本格化しました。2003年7月には「NPO法人日本ノルディックウォーキング協会」が、ノルディックウォーキングの普及と振興を目的として設立されています。2004年ごろからは各地の愛好家団体を中心に情報交換が活発になり、北欧発の健康法として、介護予防や生活習慣病予防のためのエクササイズという見方が広がりました。2007年には「日本ノルディックフィットネス協会」も設立され、指導者の育成や公式コースの認定といった活動を通じて、全国各地の公園や自然公園にノルディックウォーキングコースが広がっていく土台が作られました。国営越後丘陵公園のコースも、こうした全国的な普及の流れの中で整備された、里山の自然を生かした本格的なコースのひとつにあたります。
コースは初級4.1キロから上級11.5キロまでの3段階
国営越後丘陵公園最大の特徴のひとつが、里山の自然探勝路を活用して整備されたノルディックウォーキングコースです。ノルディックウォーキングとは、2本のポールを地面に突きながら歩くウォーキングスタイルで、年齢を問わず気軽に取り組める全身運動として、日本国内でも健康づくりや介護予防の現場で取り入れられています。公園内のコースは利用者の体力やレベルに合わせて選べるよう、次の3段階に分かれています。
| コース | 距離 |
|---|---|
| 初級コース | 4.1キロメートル |
| 中級コース | 7.0キロメートル |
| 上級コース | 11.5キロメートル |
いずれのコースも里山に自生する山野草の花々を間近に眺めながら歩くことができ、天候に恵まれた日には越後駒ヶ岳、中ノ岳、八海山という越後三山の雄大な山並みを遠くに望むこともできます。春の芽吹きや夏の深緑、秋の紅葉など、季節ごとに移ろう里山の風景を全身で感じながら歩けることが、このコースならではの醍醐味です。
コースの利用期間は4月から11月までで、積雪のある12月から3月は一部コースが閉鎖されます。ただし豪雪地帯という立地を逆手に取り、冬季は同じ自然探勝路がスノーシューのトレッキングコースとして提供される予定になっており、雪に閉ざされた里山を歩くというこの地域ならではの体験もできます。夏場のノルディックウォーキングと冬場のスノーシュートレッキングを両方楽しめば、一年を通じて里山フィールドミュージアムの表情の変化を味わえます。
国営越後丘陵公園のノルディックウォーキングコースは、日本ノルディック協会公認のコースとして整備されている点も大きな特徴です。公認コースであることは距離が設定されているだけでなく、コース設計や安全管理の面でも一定の基準を満たしている証といえ、初心者から本格的に取り組みたい人まで安心して利用できる環境が整っていることを示しています。年齢や身体能力にかかわらず誰でも始められ、生涯を通じて楽しめるフレイル予防スポーツとしてノルディックウォーキングが紹介されている点も、この公認コースが持つ大きな意義のひとつです。
ポール無料レンタルとシャワー室で初心者でも気軽に挑戦できる
初めてノルディックウォーキングに挑戦する人でも安心して利用できるのが、この公園のありがたいところです。ノルディックウォーキング用のポールは、園内の「花と緑の館」インフォメーションで無料レンタルされており、利用料金もかかりません。手ぶらで訪れても、その場でポールを借りてすぐにコースへ出発できる手軽さが、多くの来園者に支持されている理由のひとつです。汗をかいた後にはシャワー室も利用できるため、遠方から訪れた人や帰りの予定がある人でも気持ちよくリフレッシュしてから帰路につけます。
公園ではコースの提供だけでなく、「ノルディックウォーキングで健康寿命延命・多世代健康づくり」といったテーマのイベントや、「ノルディックウォーキングでフレイルに負けない身体づくり」と題した講座も開催されており、インストラクターから正しい歩き方を学べる機会が用意されています。初めての人や自己流に不安がある人は、こうした体験会や講習会に参加してから本格的にコースを歩き始めるとよいでしょう。
基本フォームはポールを後方に突く「後方スタイル」
ノルディックウォーキングの基本フォームは、ポールを体の後方に突きながら歩く「後方スタイル」と呼ばれる歩き方です。ポールを後ろに突いて地面を押し出すことで、腕だけでなく肩や背中の筋肉もしっかりと使うことになり、普段のウォーキングでは鍛えにくい上半身の筋肉まで刺激できます。二の腕の引き締めにもつながるため、女性からの人気も高い運動です。
いきなり歩き始めるのではなく、股関節や膝を痛めないよう、体が温まるまで軽くストレッチをしてから歩き始めることが勧められています。フォームに不安がある場合は、公園が開催する体験会やインストラクターによる講習会を活用すると、正しい姿勢や力の入れ方を学べるため、より安全かつ効果的に運動できます。
服装はトレッキングシューズと重ね着が基本
里山の自然探勝路を歩くノルディックウォーキングコースでは、山道や起伏のある道を歩くことも想定されるため、服装選びにも気を配りたいところです。トップスは吸湿性・速乾性に優れた素材のインナーに、気温や天候に応じて長袖を重ねるスタイルが基本です。新潟県は天候が変わりやすい地域でもあるため、寒さや急な雨に備えてレインウェアや薄手の羽織りものを一枚持っておくと安心できます。
足元については、舗装路とは異なる里山の道を長時間歩くことになるため、トレッキングシューズやトレイルランニングシューズなど、山歩き向けのグリップ力のある靴を選ぶことが勧められます。特に上級コースの11.5キロメートルを歩く場合は足への負担も大きくなるため、履き慣れた靴を選ぶことが重要です。このほか、水分補給用の飲み物やタオル、帽子、日焼け対策なども、季節や体調に応じて準備しておくとよいでしょう。
エネルギー消費量は通常のウォーキングより約20パーセント増える
ノルディックウォーキングが注目される大きな理由は、通常のウォーキングと比べて高い運動効果が見込める点にあります。ポールを使って地面を押し出しながら歩くことで上半身の筋肉も積極的に使うことになり、通常のウォーキングよりもエネルギー消費量が約20パーセント増加するといわれています。体力づくりやスタミナアップ、減量といった目的にも取り組みやすい運動です。
ポールを使うことで肩や首まわりの張りをやわらげる一助になるといわれ、肩甲骨まわりの可動域を広げるきっかけにもなるとされ、デスクワークなどでこりに悩む人にも向いている運動です。ポールが体を支える補助になるため膝や腰への負担が軽減されることから、関節に不安のある人のリハビリテーション運動としても活用されています。
近年重視されているのが、加齢に伴う心身の虚弱状態を指す「フレイル」や、運動器の障害によって移動機能が低下する「ロコモティブシンドローム」の予防効果です。ノルディックウォーキングは日常的に無理なく続けやすい有酸素運動でありながら全身運動としての負荷もしっかり得られるため、足腰の筋力低下を防ぎ、健康寿命を延ばす運動になります。医療や介護予防の現場でも、フレイルや低活動状態にある人への適応運動のひとつとしてノルディックウォーキングを取り入れるケースが増えており、国営越後丘陵公園が「健康寿命延命・多世代健康づくり」をテーマにイベントを開いているのも、こうした社会的な背景を踏まえたものといえるでしょう。シニア世代にとって取り組みやすい運動である一方、正しいフォームで続ければ若い世代にとっても十分にトレーニング効果の高い運動になるため、多世代で楽しめる健康づくりの手段として公園のコンセプトとも重なっています。
春のチューリップから冬のスノーシューまで季節ごとの見どころ
国営越後丘陵公園は、ノルディックウォーキングコースを歩きながら四季折々の花を楽しめることも魅力です。春には雪割草が可憐な花を咲かせたあと、130品種16万本ものチューリップが咲き誇る「チューリップまつり」が例年4月中旬から5月上旬にかけて開かれます。色とりどりのチューリップが丘陵地帯を彩る様子は見応えがあり、多くの観光客や写真愛好家が訪れる時期です。
5月下旬からは「香りのばらまつり」が始まり、約700品種2400株のバラが甘い香りを漂わせながら咲き誇ります。ノルディックウォーキングコース周辺でもバラの香りを感じながら歩ける区間があり、視覚だけでなく嗅覚でも季節を楽しめます。6月中旬、梅雨入りの時期に合わせるようにあじさいが咲き始め、「あじさいまつり」では18品種、約1万8000株ものアジサイが色とりどりに園内を彩ります。雨の多い季節でも楽しめる花として人気があり、しっとりとした里山の雰囲気とあじさいの組み合わせにも風情があります。
夏には7月下旬ごろからピンクと白のクレオメが見頃を迎え、涼しげな花姿で来園者を迎えます。秋には約30万本ものコスモスが「花の丘」と呼ばれるエリアを一面に染め上げ、里山の紅葉とともに秋らしい風景を作り出します。こうした季節の花を眺めながら歩けることは、運動としてだけでなく観光や癒やしの目的でもこのコースが選ばれる理由になっています。
冬になると公園は雪に包まれ、北陸地方最大級とされる150メートルのソリゲレンデを備えた「えちごスノーワールド」がオープンします。冬の自然を探索できるスノーシュー体験も用意されており、雪深い新潟ならではのウィンターアクティビティとして人気です。ノルディックウォーキングコースとして使われる自然探勝路も、冬季はスノーシュートレッキングのフィールドとして活用される予定になっているため、雪に覆われた里山の静けさを味わいながら歩くという、他の季節とはまったく違う体験ができます。園内にはカフェやレストランもあり、体を動かした後に温かい食事で一息つくこともできます。BBQ広場も用意されているため、天候の良い季節にはアウトドアでの食事を楽しみながら一日を過ごすことも可能です。
摂田屋の酒蔵めぐりと組み合わせて長岡観光を楽しめる
国営越後丘陵公園でノルディックウォーキングを満喫したあとは、長岡市内の周辺観光スポットと組み合わせて一日を過ごすのもおすすめです。公園から車で移動できる範囲には、長岡の歴史ある醸造の町として知られる「摂田屋」地区があります。摂田屋には、長岡を代表する老舗酒蔵「吉乃川」の敷地内にある酒ミュージアム「醸蔵(じょうぐら)」をはじめ、味噌や醤油の蔵元が軒を連ねる趣のある町並みが残っており、ノルディックウォーキングで体を動かした後に地元の発酵文化に触れながら散策するのにぴったりのエリアです。
国営越後丘陵公園自体の来園者からの評価も高く、口コミサイトでは5点満点中4.8点という評価を得ています。冬季に訪れた利用者からは、雪遊びを楽しめるほか大型遊具や絵本を備えたキッズルームもあり、天候を問わず一日中楽しめる施設だという声も寄せられています。ノルディックウォーキングを楽しむ大人と、キッズルームや雪原で遊ぶ子どもたちとで、家族それぞれのペースで公園を満喫できる懐の深さも、この公園が長く親しまれている理由のひとつでしょう。
運動不足やフレイル予防を考える人に向いているコース
国営越後丘陵公園のノルディックウォーキングコースは、運動不足を感じているもののいきなり本格的なランニングやハードなトレーニングを始めるのは不安だという人に向いています。ポールを使うことで膝や腰への負担を抑えながら全身運動ができるうえ、ポールのレンタルが無料で提供されている分、道具を揃える必要もなく、思い立ったその日に気軽に始められます。
シニア世代で健康寿命を延ばしたい、フレイルやロコモティブシンドロームを予防したいと考えている人にとっても、公園が開く多世代向けの健康づくりイベントや講習会は心強いサポートになるでしょう。家族連れであれば、ノルディックウォーキングを楽しむ大人を横目に、子どもは遊具エリアの「ふわふわドーム」や水の遊び場で遊ぶといった、世代を超えて一日中楽しめる過ごし方もできます。写真撮影や自然観察が趣味の人にとっても、里山に自生する山野草や越後三山の眺望、季節の花々など被写体には事欠きません。
新潟県長岡市の国営越後丘陵公園は、約400ヘクタールという広大な敷地に、花と緑の美しい健康ゾーンと昔ながらの里山の暮らしを体感できる里山フィールドミュージアムを併せ持つ、本州日本海側で初めての国営公園です。里山の自然探勝路を生かしたノルディックウォーキングコースは初級4.1キロメートル、中級7.0キロメートル、上級11.5キロメートルの3段階から選べ、山野草や越後三山の眺望を楽しみながら無理なく全身運動に取り組める点が魅力です。ポールの無料レンタルやシャワー室の完備で初めての人でも始めやすいだけでなく、公園主催の健康づくりイベントや講習会を通じてフレイル予防や健康寿命の延伸にも役立てられる点は、他の観光型ウォーキングコースにはない特徴といえます。
アクセスも長岡インターチェンジから車で約10分と良好で、公共交通機関でも長岡駅からバスで約40分と県外からのアクセスもしやすい立地にあります。入園料も大人450円、シニアは210円、冬季は無料と手頃な価格設定になっているため、日帰りで気軽に立ち寄れる点も嬉しいポイントです。新潟旅行や長岡観光の一環として、あるいは日常の健康づくりの一環として、国営越後丘陵公園のノルディックウォーキングコースを歩いてみてください。









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