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岩国市の錦帯橋と吉香公園は、錦川をはさんで向かい合う、岩国を代表する散策エリアです。歩くときは、錦川の川辺と、錦帯橋を渡った先の吉香公園を組み合わせ、余裕があれば山側の岩国城へ足を延ばすのが基本です。吉香公園だけなら20分から30分ほど、岩国城まで含めるなら標準で約2時間30分が目安です。
道はほぼ平らで、上り坂が続くのは岩国城へ向かう区間です。錦帯橋は石積みの橋脚に木のアーチが5つ連なる橋で、吉香公園は旧岩国藩主の吉川家が暮らした居館の跡にあります。川の景色と藩政時代の建物に、季節の花や紅葉まで加わります。
出発前に知っておきたいのは、2026年9月1日に入橋料が変わり、大人は往復500円になったことです。吉香公園のそばの紅葉谷公園は、11月中旬から下旬に紅葉の見頃を迎えます。

錦帯橋周辺の歩き方は川辺、橋と公園、岩国城の組み合わせが基本
散策を組み立てる要素は、錦川の河川敷と、錦帯橋で対岸へ渡って見てまわる吉香公園や周りの歴史的な建物です。岩国城のある山側へは、時間と体力に余裕があれば足を延ばしてください。
錦川沿いには河川敷の広場と公園が整備されている
錦川の下流域は、開けた川の眺めが続きます。川の左岸には、岩国市錦見の錦見河川敷運動広場と岩国市山手町の今津河川敷運動公園があります。右岸にあるのは、岩国市横山の錦川河川公園です。
錦帯橋より上流の右岸には「うかい広場」が整備され、夏はここから鵜飼の屋形船が出ています。
岩国城を含めた所要時間の目安は約1時間30分から約2時間30分
岩国城まで含めて短く回る「サクッと観光コース」は、合計で約1時間30分から2時間です。歴史と自然と文化を偏りなく楽しむ標準的なコースになると、約2時間30分かかります。
吉香公園の中を歩くだけなら、20分から30分ほどで回れます。文化施設に入館したり途中で休んだりするなら、この時間に余裕を足して計画してください。錦帯橋の周辺は、一日かけてのんびり歩いて楽しめる場所ともされています。
錦帯橋を渡るには往復券が必要で、大人は500円
入橋料は2026年9月1日に改定され、大人(中学生以上)が500円、小学生が250円になりました。未就学児は無料です。片道だけの設定はなく、券は往復のみの販売です。
橋そのものは24時間渡れるとされています。ただし料金所の窓口が開くのは朝8時からで、閉まるのは通常なら夕方5時、観光シーズンは午後6時、夏期は午後7時とされています。窓口が閉まったあとは、夜間料金箱に料金を入れて渡ります。夜22時以降は消灯されるそうです。
入橋料と料金所についての問い合わせ先は岩国市錦帯橋課です。
5連の木造アーチは川の流れに合わせた形
錦帯橋は、1673年に岩国藩主の吉川広嘉が架けたとされています。できた翌年に洪水で流されたものの、再び架け直されました。
独特の曲線には理由があります。錦川は中央部の流れがいちばん強いので、橋台を左右に振り分けました。一方、流れの緩やかな岸寄りは桁構造です。場所によって構造を変えたことで、あの曲線ができています。
約340年で40回あまり架け替えて創建時の姿を保ってきた
木の橋は、腐れば架け替えるしかありません。約340年で架け替えは40回あまりにのぼり、それでもほぼ創建時の姿を保っているそうです。
大規模なものでは、2001年から2004年の平成の架け替えが知られています。工事には幅広い年代の大工が起用され、将来に備えて技術の継承が図られました。
吉香公園は入園無料で、吉川家の居館跡に文化財が点在する
吉香公園は、旧岩国藩主である吉川家の居館を整えた歴史公園で、一般に開放されたのは明治期です。入園料はかからず、気軽に散策できます。園内の各所に藩政時代の文化財があります。中央の大噴水や季節の花壇もあり、暖かい時期は子どもたちが水遊びに夢中です。
吉香神社の本殿と拝殿は国の重要文化財
吉香神社は吉川家の歴代の神霊を祀る神社で、岩国藩主吉川家の氏神社だった3社をひとつにまとめています。社殿が造営されたのは享保13年(1728年)で、場所は横山の白山神社の境内でした。のちに旧城跡である今の場所へ移されています。国の重要文化財になっているのは、本殿と拝殿、神門などです。御朱印は吉香神社では受けられず、白山比咩神社で受けるとされています。
さかのぼると、社殿の由来には治功大明神(治功社)も関わっています。元亀4年(1573年)に、吉川元春と元長の父子が安芸国に建てたとされる社です。
神社の絵馬堂が錦雲閣です。明治18年(1885年)に、旧藩時代の矢倉をまねて建てられた登録有形文化財で、吉香公園が造られた年の建築とされています。
旧目加田家住宅は一部2階建ての珍しい武家屋敷
旧目加田家住宅と次に紹介する香川家長屋門は、どちらも藩政時代の姿をとどめる建物です。このうち旧目加田家住宅は、170石取りの藩士が暮らした屋敷とされています。建てられたのは18世紀中ごろで、国の重要文化財です。入母屋造で、一部が2階建てになっており、屋根の瓦は岩国独特の両袖瓦です。玄関は式台付きで、中間部屋も備えています。
武家屋敷に2階があること自体が珍しいのですが、表通りの側には窓がありません。上級の武士が通りを見下ろさないようにという配慮だったとされています。
見学は無料で、時間は9時30分から16時30分までです。月曜が休みで、祝日と重なれば翌日に休みます。告知のうえで休館する日もあります。問い合わせ先は岩国市文化財課です。
香川家長屋門は道路から外観を見学する
香川家長屋門は、岩国藩の家老だった香川家の邸宅の表門です。元禄年間(17世紀後半)の建築と伝わり、山口県は1966年(昭和41年)にこの門を有形文化財に指定しました。
造りは入母屋造の本瓦葺き、大きさは桁行約23.29m、梁間約4.85mです。ほかに通用門と平時門も構えていて、身分と用事に応じて使い分けていたそうです。
今も個人の住宅なので、庭などの内部には入れません。道路からの見学であれば、時間を気にせずいつでもできます。
岩国徴古館と吉川史料館と柏原美術館の展示
岩国徴古館は園内の歴史的建造物のひとつでもあり、史料館として見学できます。園内の3館の展示内容と公開の情報は次のとおりです。
| 施設 | 主な展示 | 公開と休館 |
|---|---|---|
| 岩国徴古館 | 錦帯橋の資料、藩札、地図と図面、古記録と文献、典籍、絵画と書、工芸、考古資料と民俗資料、吉川家から寄贈された資料や美術品 | 入館無料。月曜日(祝日の場合は次の平日)、12月29日から1月3日、年6回の展示替え期間は休館 |
| 吉川史料館 | 約840年の歴史をもつ吉川家に伝わる武具、甲冑、刀剣、美術品 | 年3回の展示替えで順次公開 |
| 柏原美術館 | 鎌倉時代から江戸時代の古武具と美術品、織田家伝来の甲冑、刀剣、古文書、書画、古鏡 | 火曜日が休館 |
吉川史料館は、2025年度以降の記念特別展で国宝「狐ヶ崎の太刀(銘為次)」を期間中に特別公開しました。柏原美術館は、毎年秋に国宝の刀「稲葉江」を期間を限って公開することで知られます。
岩国シロヘビの館は吉香公園の敷地内にある
岩国のシロヘビは、山口県岩国市周辺でしか見られない白いヘビで、国の天然記念物になったのは1972年です。もとはアオダイショウの突然変異で、いわゆるアルビノとされています。
全身が白くて目は赤く見え、体長は約1.8mあるそうです。おとなしい性質で、古くから弁天様の使いとして大切にされ、商売繁盛や開運の守り神と信じられてきました。
数は大正時代に約1000頭いたとされますが、戦後は駆除と環境の悪化で減りました。今は岩国白蛇保存会が繁殖や保護増殖を続けています。
シロヘビを観覧できる施設には、岩國白蛇神社や岩国シロヘビの館があります。公園の散策中に見るなら、敷地内(岩国市横山2丁目)の岩国シロヘビの館です。開いているのは9時から17時までです。
岩國白蛇神社のほうは吉香公園の中になく、白蛇がすむ岩国市今津町にあって、敷地は白蛇今津観覧所と共通です。祀っているのは、シロヘビの化身といわれる弁財天です。今津観覧所の開館時間も9時から17時までです。
吉香公園の名のもとは毛利元就の次男を祖とする吉川家
吉川家の祖は毛利元就の次男、吉川元春です。この家が明治維新まで岩国藩の藩主を務めました。
岩国藩の初代藩主である吉川広家は元春の三男にあたります。関ヶ原の戦いのあと、広家は宗家である毛利氏の領国を守ることに尽力したとされています。毛利家の領地は大きく削られ、広家自身も出雲から岩国へ移りました。錦帯橋を架けた吉川広嘉は、この岩国藩の3代藩主です。
岩国城へは吉香公園の脇の道から歩いて約1.6km
吉香公園の脇の道をたどれば、約1.6kmで岩国城に着きます。上りがずっと続く道ですが、地元の人にはウォーキングやジョギングのコースとして人気です。ふだんはロープウェーで上がる人が多いものの、歩いて登る道もあるので散策の幅が広がります。
ロープウェーの所要時間は片道約3分、運行の間隔は15分から20分とされています。山頂駅を降りても天守まで300mほどの緩やかな登りがあり、徒歩で5分ほどかかります。
岩国城は完成7年後に廃城、天守は1962年の再建
岩国城は、吉川広家が1608年(慶長13年)に築いた山城です。江戸幕府の一国一城令によって完成の7年後には壊され、廃城となりました。
今ある天守の再建は1962年(昭和37年)で、南蛮桃山造りの天守を復元したと説明されています。4階の展望台からは錦帯橋と城下町を見渡せます。築城当時の石垣や空堀も残っていて、こちらも見どころです。錦帯橋が生まれるきっかけになった城として紹介されることもあります。
紅葉谷公園は吉香公園から徒歩3分、見頃は11月中旬から下旬
紅葉の名所として知られる紅葉谷公園は、吉香公園の南西にあり、歩いて3分ほどです。入園は無料で、モミジは吉香公園と合わせて約1000本あります。主な樹種はイロハモミジで、イチョウも混じります。
例年は11月上旬に色づき始め、中旬から下旬に見頃を迎えます。時期は年によって前後します。問い合わせ先は岩国市観光振興課です。紅葉の時期は紅葉谷公園の駐車場が閉まることもあります。
紅葉谷公園はかつて寺谷と呼ばれた寺院の跡
この公園は、江戸時代からあった寺院の跡です。一帯は「寺谷」と呼ばれて多くの寺院が集まっていて、今も永興寺と洞泉寺の2寺が残っています。
永興寺の庭園を岩国市が名勝に指定したのは1999年(平成11年)です。洞泉寺の枝垂れ梅「臥龍の梅」は、樹齢300年以上といわれます。吉川家墓所も園内にあり、宇野千代が書いた小説『おはん』の文学碑も立っています。
広島県の宮島にも同じ名前の公園がありますが、このコースで立ち寄るのは岩国市横山のほうです。
錦帯橋の春は約1500本の桜、夏は鵜飼と花火
桜の見頃は例年3月下旬から4月上旬
錦帯橋の周辺に植えられた桜は約1500本とされ、吉香公園も桜の名所です。例年の見頃は3月下旬から4月上旬で、人気を集めるのは錦川沿いの桜に錦帯橋が重なる眺めです。
2026年のライトアップは開花宣言の日に始まり、4月19日まで続きました。点灯していたのは日没から21時までです。日程は年により異なります。問い合わせ先は岩国市観光振興課です。
錦帯橋まつりは毎年4月29日に開かれる
毎年4月29日の錦帯橋まつりは時代祭りで、再現するのは江戸時代の参勤交代です。2026年4月29日(水・祝)の第48回でも、奴道中や大名行列が橋を渡りました。
当日は吉香神社の旧藩主感謝祭から始まり、午後になると岩国小学校から吉香公園にかけて行列が進みます。岩国太鼓の演奏や岩国藩鉄砲隊の演武、錦帯橋の渡しの再現もあります。
この祭りは、8月の錦川水の祭典、10月第3土曜と日曜の岩国祭とともに「岩国三大祭」のひとつです。問い合わせ先は、岩国市観光協会内の錦帯橋まつり実行委員会事務局です。
錦川水の祭典は8月の鵜飼に合わせて開かれる
錦川水の祭典は錦帯橋の周辺が会場で、鵜飼と連動して8月全体が「錦川水の祭典月間」になります。2026年は8月1、2、4、8、9、11日と、20日から23日、29、30日の計12日間が予定され、20時5分ごろから約2分間、75発のミニ花火を打ち上げる計画でした。開催日には交通規制が行われます。
2025年は錦川水神社の水恩感謝祭で幕を開け、岩国太鼓や鉄砲隊の演武が続き、花火は錦帯橋の下河原から上がりました。錦川水の祭典の問い合わせ先は、岩国市観光協会内の実行委員会事務局です。
錦川の鵜飼は屋形船から見学する
錦川の鵜飼は、遊覧船(屋形船)に乗って見る形です。2026年の予定は6月1日から9月10日までで、夜の19時から21時ごろの開催でした。船の上では前半に食事をとり、後半に鵜飼を見ます。
| 区分 | 乗船料 |
|---|---|
| 大人(中学生以上) | 3,500円 |
| 小人(3歳から小学生) | 2,000円 |
| 乳児 | 無料 |
原則として予約が必要で、荒天や増水の日は中止です。
始まりは寛永年間、江戸時代初期のおよそ400年前とされ、錦川にもともとあった漁法ともいわれます。戦後にいったん途絶えましたが、復興したのは1952年(昭和27年)です。
舞台は錦帯橋より上流の錦川で、夏の鮎漁が解禁される時期に行います。見どころは、烏帽子に腰みのという伝統の衣装をまとった鵜匠が、鵜と一心同体で魚を捕らえる技です。
錦川清流線は全長32.7kmで岩国駅へ直通する
もっと遠くへ足を延ばすなら、鉄道という手があります。錦川清流線は、第三セクター「錦川鉄道」が岩国市内で運行する路線で、川西駅と錦町駅を結ぶ全長32.7kmの鉄道です。列車はすべてJR岩国駅まで乗り入れています。
錦帯橋へはJR岩国駅からバスで約15分、主な駐車場は4か所
公共交通機関で向かう場合に使うのは、いわくにバスの錦帯橋行きです。JR岩国駅から約15分乗り、バス停「錦帯橋」で降りて10分ほど歩きます。最終バスは日が暮れて間もない時間に設定されていることが多いです。
車で向かう場合は、周辺に複数の駐車場があります。主なものは次のとおりです。
| 駐車場 | 台数 | 料金など |
|---|---|---|
| 下河原(横山河川敷)駐車場 | 約300台 | 平日は無料。有料になるのは観桜期とゴールデンウィーク、3月から5月と9月から11月の土日祝で、1日あたり自家用車300円、大型バス1,000円 |
| 上河原(横山河川敷)駐車場 | 約130台 | 下河原と同じ料金の扱い。錦帯橋までは徒歩5分ほどで、下河原より少し遠い |
| ロープウェー前駐車場 | 約58台 | 無料 |
| 横山河川敷グラウンド横の駐車場 | 約30台 | 無料とされている |
繁忙期は満車になりやすいので、着くのは早朝がおすすめです。岩国駅周辺のコインパーキングに停め、そこからバスに乗り換える方法もあります。
歩く前の注意点は靴選びと天候、料金の確認
足元は石畳や河川敷、公園の園路が中心で、岩国城方面には坂道もあります。歩きやすい靴で出かけてください。
錦川は増水することがあるので、天気も見ておきましょう。入橋料やロープウェーの料金と運行時間は改定されることがあります。料金や営業時間は事前に確認してください。
錦帯橋と吉香公園の散策は川辺と公園を組み合わせ、入橋料は大人500円
歩き方は、錦川の川辺と、錦帯橋を渡った先の吉香公園を組み合わせるのが基本です。入橋料は大人往復500円で、片道の券はありません。








