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霞城公園のお堀は、山形城の二ノ丸を囲んでいた堀です。山形城は山や丘を使わずに平らな土地へ築かれた平城で、公園はその城跡にあたります。場所は山形市の中心市街地で、JR山形駅の西口から歩いて10分ほど、入園料もかかりません。
公園の広さはおよそ35.9ヘクタールあります。駅からすぐの街なかに、これだけの敷地がまとまって残っている点が、霞城公園の大きな特徴です。もとは山形城の跡で、それを都市公園として整えた場所です。

霞城公園は平坦な土地に築かれた平城、山形城の跡
**平城(ひらじろ)**とは、山や丘ではなく平らな土地に建てた城を指す呼び方で、立地による分類です。山形城はこの平城にあたります。
山形城の縄張り、つまり城の基本的な配置は**輪郭式(りんかくしき)**と呼ばれる型でした。真ん中に本丸を置き、その外側を二ノ丸がぐるりと囲み、さらにその外を三ノ丸が囲む形です。どの方角から攻められても守りの厚さが変わらない一方で、外へ外へと区画を重ねるので、城の規模は大きくなりやすい型です。平城でよく使われた縄張りだといいます。
本丸や二ノ丸といった名前は、曲輪(くるわ)、または郭と呼ばれる城の区画につけられたものです。曲輪は堀や土地の高低差で仕切られ、中心の本丸には城主の住まいが置かれることが多く、その周りにも堀が掘られました。二ノ丸と三ノ丸は、本丸を補う区画です。
山形城では、それぞれの曲輪が堀と土塁で囲まれ、堀は三重になっていました。高台に頼れない平城では、城の周りを巡るこの堀が守りの中心だったのです。
ただ、本丸と三ノ丸を囲んでいた堀などは、江戸時代より後に土で埋められています。いまの公園で目にできる遺構の中心は、二ノ丸を囲む堀と土塁、そして石垣です。霞城公園のお堀を一周するというのは、山形城の二ノ丸の外周をそのまま歩くことになります。
霞城公園は5時(11月から3月は5時30分)から22時まで出入りできる
霞城公園は、朝早くから夜遅くまで門が開いています。4月から10月は5時から、11月から3月は30分遅い5時30分から入れて、閉まるのはどちらの期間も22時です。朝の散歩にも、仕事帰りに歩く時間にも使えます。
公園の周りはお堀が取り巻いていて、園内へ入る入口は4カ所あります。園内の施設のなかには、別に料金がかかるものもあります。開園時間や料金の最新の情報は、山形市公園緑地課に問い合わせると確かめられます。
霞城公園へはJR山形駅の西口から南門まで歩いて約10分
電車で行く場合は、山形駅のどちら側に出るかで近い門が変わります。西口からは南門が、東口からは二ノ丸東大手門が目安です。バスなら「霞城公園前」で降ります。
| 出発する場所 | 目指す門 | 歩いてかかる時間の目安 |
|---|---|---|
| 山形駅西口 | 南門 | 約10分 |
| 山形駅東口 | 二ノ丸東大手門 | 約15分 |
| バス停「霞城公園前」 | 二ノ丸東大手門 | 約5分 |
無料駐車場は3カ所で、収容できるのは合わせて約230台です。3カ所のなかでは北側の駐車場が使いやすいといいます。園内まで車で入れる門は、北門だけです。
お堀沿いのウォーキングでは土塁と石垣、復元された門を間近に見られる
お堀を歩く楽しみは、山形城の遺構と、あとから復元された建物を、すぐそばで眺められることです。
戦後、二ノ丸の内側が霞城公園として整えられ、霞城公園整備計画にもとづいて城の門や石垣などが元の姿に戻されました。復元されたのは、大手橋、本丸一文字石垣、高麗門、二ノ丸東大手門の櫓などです。本丸一文字門も復元されていて、石垣と門をすぐ近くから見上げながら歩けます。山形城跡では発掘調査と復元が続けられてきており、本丸御殿跡では現在も復元事業が進んでいます。
二ノ丸跡には、11代城主の最上義光の騎馬像があります。
二ノ丸東大手門は1991年に復元された山形城二ノ丸の正門
二ノ丸東大手門は、山形城の二ノ丸の正門にあたる門で、1991年(平成3年)に復元されました。毎年4月から11月までは、門の上の櫓の中に入って見学できます。
**櫓(やぐら)**は、近世の城で隅などに建てられた防御用の建物です。石落としのような仕掛けを備えたものもあります。本丸の櫓のうち、いちばん格が上のものが天守です。二ノ丸東大手門の櫓は、門に付く櫓のひとつです。
土塁は堀を掘った土を積んで築いた守りの土手
**土塁(どるい)**とは、城や曲輪の縁に築いた防御用の土手のことです。堀を掘って出た土を堀の脇に盛り、斜面に整えて土の壁に仕上げる造り方があります。
土塁は、攻めてくる敵の行く手をふさぎ、城の中へ向けた射撃を遮りました。守る側が高い位置を取れるという利点もあります。上に塀を建てて兵が集まる場所にしたり、てっぺんの平らな部分を城壁沿いの通路にしたりもしました。堀や切岸と並んで、城の守りを支える基本の設備です。霞城公園では堀のすぐ横に土塁が続いているので、その土手の形を歩きながら自分の目で確かめられます。
石垣は石の加工の度合いで3種類に分かれる
城の石垣は、石にどこまで手を加えたかによって大きく3つに分類されます。
| 積み方 | 読み | 石の扱い方と特徴 |
|---|---|---|
| 野面積 | のづらづみ | 手を加えない石をほとんどそのまま積みます。見た目は荒いものの頑丈で、水はけもよい積み方です |
| 打込接 | うちこみはぎ | 石の表面を平らにして打ち欠いてから積み、すき間には小石を詰めます |
| 切込接 | きりこみはぎ | 石をていねいに加工し、すき間ができにくいように積みます。城の大手門のように、人の出入りが多い場所で用いられました |
石の並べ方でも分け方があり、大きさのばらばらな石を不規則に積むものを乱積(らんづみ)、横方向に目地がそろうように積むものを布積(ぬのづみ)といいます。
お堀沿いの景色は春の桜から冬の雪まで季節ごとに変わる
お堀の水面や石垣の背景に、春は桜、夏は蓮、秋は紅葉、冬は雪が映ります。
霞城公園の桜は約1500本、例年の見頃は4月上旬から中旬
園内には約1500本の桜が植えられていて、例年4月上旬から中旬ごろに見頃を迎えます。多いのはソメイヨシノで、ほかにエドヒガンやシダレザクラ、ギョイコウもあります。
開花の時期には「霞城観桜会」が催され、その催しの中で大茶会なども行われます。お堀沿いの桜は春の名所として知られています。
夜桜のライトアップはお堀沿いが18時から22時まで
桜の時期には夜間のライトアップもあります。お堀沿いは18時から22時まで、公園の中は18時から21時30分までです。
歩いたあとは霞城公園内の山形県立博物館や山形市郷土館に立ち寄れる
ウォーキングを終えたあとに寄れる文化施設が、園内と周辺にまとまっています。山形市郷土館(旧済生館本館)、最上義光歴史館、山形県立博物館、山形美術館の4つです。
山形市郷土館は1878年に県立病院として建てられた擬洋風建築
山形市郷土館は、旧済生館本館の建物を使った施設です。ドーム形の大きな屋根をのせた三層の建物と、14角形の廻廊が目に留まる擬洋風建築で、1878年(明治11年)に県立病院として建てられました。
建物は1966年(昭和41年)に国の重要文化財に指定され、1969年(昭和44年)に、もとの場所だった旧三ノ丸大手口から約700メートル離れた霞城公園の中へ移されました。
山形県立博物館では国宝の土偶「縄文の女神」を常設展示
山形県立博物館は霞城公園の中にあり、所在地は山形市霞城町1-8です。ここの第2展示室に、国宝の土偶「縄文の女神」が常に展示されています。
この土偶は、山形県最上郡舟形町にある縄文時代中期の集落跡、西ノ前遺跡から、1992年8月の発掘調査で出土しました。
縄文の女神は高さ約45センチで、日本で出土した土偶では最も大きいとされています。国宝になっているのは完全な形で残った土偶1点で、ほかに欠けた土偶47点が国宝の附(つけたり)として指定されています。
山形美術館は大手町でフランス印象派の絵画などを展示
山形美術館は大手町にある美術館で、フランス印象派の絵画などを展示しています。
山形城は1356年ごろに斯波兼頼が築き、最上義光が三ノ丸を加えて広げた
山形城が最初に築かれたのは南北朝期のことです。山形には羽州探題として斯波兼頼(しばかねより)が入り、この兼頼が1356年から1357年ごろに城を築いたと伝わっています。
**羽州探題(うしゅうたんだい)**は、室町幕府に置かれた役職です。出羽国、いまでいう秋田県と山形県の地方の政治をまとめる立場で、斯波兼頼がその初代とされています。兼頼の子孫は最上氏を名乗りました。
その後、一族どうしの争いなどで探題としての力は弱まっていました。流れを変えたのが最上義光(もがみよしあき)で、16世紀末に一族を抑えて勢力を広げ、いまの山形県の大部分を治める大大名になりました。山形城に三ノ丸を築いて近世の城へと大きくしたのも義光で、現在の城跡の原型はこのときにできあがっています。
山形城跡は1986年に国指定史跡、2006年に日本100名城に選ばれた
霞城公園として整えられた山形城跡は、1986年(昭和61年)に国指定史跡となりました。**国指定史跡(くにしていしせき)**とは、文化財保護法にもとづいて文部科学大臣が指定する史跡です。貝塚や古墳、都城跡、城跡などのうち、歴史や学問のうえで価値が高い遺跡が選ばれます。指定を受けると先々まで保存していくことが求められ、形を変えたり保存に影響する行為をしたりするには、原則として文化庁長官の許可を得なければなりません。
日本100名城は、公益財団法人日本城郭協会が全国から100の城を選び出したものです。山形城跡は、2006年(平成18年)2月13日の選定でそのひとつに入りました。
桜の時期とさんま祭りの日は霞城公園の駐車場が満車になりやすい
車で出かけるときに気をつけたいのは、混み合う日の駐車場です。桜の季節や「さんま祭り」などのイベントがある日は、公園の無料駐車場がいっぱいになることがあります。
満車だったときは、歩いて2分ほどの場所にある山形県営駐車場や、タイムズ山形六日町などに停められます。
駅の西口から10分、平城の跡に残る二ノ丸の堀を一周できる
霞城公園のお堀を一周すると、平らな土地に築かれた山形城の二ノ丸の跡をたどれます。道すがら、二ノ丸東大手門をはじめとする復元された門や石垣、堀の脇に続く土塁を間近に見られます。季節ごとに春の桜と夜のライトアップ、夏の蓮、秋の紅葉、冬の雪があり、歩き終えたら園内の山形県立博物館で国宝の縄文の女神を見たり、山形市郷土館の擬洋風建築を眺めたりして過ごせます。








