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秋田市の千秋公園は、JR秋田駅のすぐ西側に広がる久保田城の跡地で、紅葉の見頃は例年10月中旬から11月上旬です。駅から歩いて約15分で着き、園内の散策にかかる時間は1時間から2時間が目安になります。城下町まで足を延ばしたい人には、公園を起点に秋田市役所まで進む約3.5kmのまち歩きコースが用意されています。
入園にお金はかからず、園内は一日中開いています。江戸時代に秋田藩主の佐竹氏が暮らした城の跡地を、公園として整えた場所です。紅葉の鑑賞には、久保田城表門と御隅櫓の周辺がおすすめです。
秋に歩くなら、クマによる立ち入り規制にも注意が要ります。

千秋公園の紅葉の見頃は例年10月中旬から11月上旬
園内の木々は例年10月上旬ごろから色を変え始め、10月中旬から11月上旬ごろに見頃を迎えます。ウェザーニュースの紅葉情報が例年の見頃に挙げているのは10月下旬です。いずれも例年の話で、その年の気象条件によって前後します。
おすすめは表門と御隅櫓のまわりで、赤や黄色の葉の向こうに城の建物が重なって見えます。
千秋公園の紅葉を彩る木はオオモミジ、イタヤカエデ、イロハモミジ
主役はこの3種類です。黄色に染まるのはイタヤカエデで、北海道から九州まで見られる背の高い落葉樹です。学名はAcer monoといいます。手のひらのような形の葉が5つから7つに浅く分かれます。名前の板屋は、茂った葉が板屋根のように雨をさえぎる様子に由来するそうです。同じイタヤカエデでも赤くなるものがあり、こちらはベニイタヤという変種です。
オオモミジとイロハモミジはどちらも手のひら形の葉をつけるカエデの仲間で、並べると次の3点で見分けられます。
| 見分ける部分 | オオモミジ | イロハモミジ |
|---|---|---|
| 葉の大きさ | 大きい | 一回り小さい |
| 葉の切れ込み | 普通は7つ | 5つから7つ(枝元や若木は5つが中心) |
| 縁のぎざぎざ(鋸歯) | 細かく揃う | 粗く不揃い |
切れ込みの数もぎざぎざの様子も、同じ種類の中で木ごとにばらつきがあります。
オオモミジは色が鮮やかで、一気に染まることが多いとされます。
色づきの目安は最低気温8度以下、5度以下で一気に進む
気象の専門家が示す目安では、落葉樹はその日の最低気温が8度以下になると色づき始め、5度以下で一気に色を深めます。この数字は主にイロハモミジを対象にしたものです。
美しい紅葉の条件は、十分な日差しと水分、昼と夜の大きな気温差です。逆に、曇りや雨の日が続いたり、秋なのに夜が暖かかったりすると、色の出が鈍ります。
赤と黄色では、葉の中で起きていることが異なります。赤の正体はアントシアニンという色素で、春と夏の葉にはありません。秋に葉と枝の境目へ離層ができると、ブドウ糖や蔗糖が葉の中に閉じ込められ、そこへ紫外線が作用して赤い色素が生まれます。黄色い葉のほうは、カロテノイドという黄色の色素を最初から持っています。緑色のもとであるクロロフィルが分解されたとき、その黄色が表に出てきます。
千秋公園のウォーキングは園内だけなら1時間から2時間
園内の散策だけなら、見ておく時間は1時間から2時間です。旅行ガイドが回り方ごとに示す目安は次のとおりです。
| 回り方 | 時間の目安 |
|---|---|
| さっと見て回る | 40分から1時間 |
| 標準的な観光 | 1時間半から2時間 |
| 周辺まで含めて回る | 3時間から4時間 |
| 御隅櫓の見学 | 20分から30分 |
| 佐竹史料館の見学 | 30分から40分 |
秋田駅からの徒歩の所要時間とバスの使い方
JR秋田駅から公園までは、おおむね徒歩15分の道のりです。園内のポケットパークまで約5分、二の丸跡まで約15分と案内する例もあります。歩く距離を減らしたい日は、中心市街地循環バス「ぐるる」が便利です。運賃は1回100円で、「ミルハス前」で降りると、二の丸跡までは歩いて約5分です。
秋田県立美術館も、あわせて回りやすい立ち寄り先です。秋田駅西口から美術館までは徒歩約10分で、あいだにエリアなかいちで昼食や休憩を挟む回り方もあります。
城下町まで歩く約3.5kmのまち歩きコース
秋田市が紹介しているまち歩きコースは、千秋公園を出発し、鷹の松、ねぶり流し館、赤れんが郷土館、那波伊四郎商店倉庫前、旭北寺町、アキタパークホテルを通って、秋田市役所まで進みます。全長は約3.5kmです。公園の散策のあとに、城下町の面影を探して歩きたい人向けのコースといえます。
園内の見どころは久保田城表門から始まる
久保田城表門は本丸の正門だった二階建ての櫓門
秋田駅側から入った人が最初に目にする建物のひとつが、この表門です。園内の遺構の中で代表格とされ、本丸の正門にあたり、平成11年(1999年)に始まる2か年の計画で建て直されました。
形式は櫓門といいます。城門の上に櫓を載せた二階建ての門で、渡櫓門や渡櫓という別名もあります。一階は石垣に左右を挟まれた通路で、二階は入口の両脇の櫓台をつなぐ渡り廊下のような空間でした。城を守る兵はこの二階を使い、窓や狭間から外の様子を見張ったり、攻撃を加えたりできました。格式の高い門のため、大手門や本丸の正門といった大事な場所に使われた形式です。
八幡秋田神社は表門を抜けてすぐの本丸跡に建つ
表門をくぐるとすぐ、本丸の跡に八幡秋田神社が見えてきます。平成17年1月に社殿を火災で失い、平成20年12月に建て直されました。
御隅櫓は観覧料150円で、展望室から秋田市街を見渡せる
本丸に復元された御隅櫓は、園内の北東の高台に立っています。かつて物見と武器庫を兼ねていた櫓を、秋田市制100周年事業の一環として平成元年(1989年)に建てたものです。もとは2層でしたが、いまは4層にかさ上げされ、「復元隅櫓」の名で紹介されています。
中に入ると、佐竹氏の歩みをパネルで学べます。展望室からは、秋田市の街並みを一望できます。
観覧料は150円で、高校生以下は無料です。開いている時間は9時から16時30分までで、12月1日から3月末までは休館します。料金と休館期間は変わる場合があります。
佐竹史料館と二の丸跡、そのほかの施設
佐竹史料館は、秋田藩と佐竹氏の資料を手がかりに城下町の歴史をたどれる施設です。開館の状況は変わることがあるので、訪れる前に最新の情報を確かめておくと安心です。
二の丸の跡は、桜の名所として知られています。ほかに園内には、秋田市立中央図書館と秋田犬ふれあい処もあります。
久保田城は天守を持たず、堀と土塁で守った平山城
久保田城は、天守を造らず、石垣もほとんどない平山城でした。かわりに城を囲んでいたのが堀と土塁です。佐竹氏の城としての歴史は12代267年に及び、明治2年(1869年)に終わりました。
佐竹義宣が湊城を離れて神明山に新しい城を築いた
久保田城を築くきっかけは関ヶ原の戦いです。戦いの後に佐竹氏が受けた命令は移封で、領地は常陸の54万石余から、出羽国の秋田20万石あまりへ移りました。移封は国替えとも呼ばれ、大名の領地を別の土地へ移すことです。
秋田に入った佐竹義宣は、現在の千秋公園にあたる神明山に城を築き、城下町も整えました。城を築いた時期は慶長7年(1602年)ごろから慶長8年(1603年)ごろです。
新しい城を選んだ理由としては、それまでの拠点の湊城が平城で、守りに不安があったという説明があります。
天守を造らなかった理由は、関ヶ原のあとに佐竹氏が置かれた立場への配慮や、国替えで生じた財政負担だと推測されています。
平山城は山城と平城の中間にあたる城
平山城とは、平地のそばの低い山や丘に築いた城のことです。山頂に防御の施設を置き、山裾に住まいの区画を設けることで、山城と平城の両方の利点を取り入れています。分類には周囲との高低差の大小を使う説明があり、高さの明確な基準はないと解説する辞典もあります。これに対して平城は、周辺との標高差がほとんどない城を指し、名古屋城がその例です。
土塁は盛土で築いた堤防状の防壁
土塁は、敵の侵入を防ぐために土を盛って造った堤防のような壁です。江戸時代以前の呼び名には、土居と土手もありました。材料には堀の掘削で出た土を使うことが多く、この造り方を掻揚土塁といいます。城では堀と組み合わせるのが一般的でした。斜面の傾きは約45度のものが多かったとされます。
千秋公園の名付け親は狩野良知、設計は長岡安平
城が公園に変わったのは明治29年(1896年)です。この整備の際に、千秋公園という名前が付けられました。
名付けたのは、秋田市出身の漢学者、狩野良知(1829年から1906年)です。秋田の「秋」に、長久を意味する「千」を合わせた名前です。公園の前身の名は「千秋園」でした。
園の設計は、造園家の長岡安平が担当しました。千秋公園の依頼を受けたのは東京府の土木職員だった1896年のことです。東京以外で長岡が手がけた最初の公園として紹介されています。長岡には、近代公園の先駆者、近代造園の祖という評価があります。
千秋公園の駐車場は14台、桜まつりと冬は使えない
車なら、秋田自動車道の秋田中央ICから約15分で着きます。園内の駐車場は台数が少なく、使えない時期もあります。
| 駐車場 | 台数 | 料金 | 利用の条件 |
|---|---|---|---|
| 園内の駐車場 | 14台 | 30分100円 | 12月1日から3月31日までと千秋公園桜まつりの期間中は駐車不可 |
| 大手門通り有料駐車場 | 31台 | 30分100円 | 通年24時間、普通車と軽自動車専用 |
桜の季節は午前中に満車となる日が多く、公共交通機関で来るのが確実です。
春は約650本から700本の桜、5月中旬からはツツジ
この公園は紅葉のほかに、春の桜でも人気があります。4月中旬から下旬にかけて千秋公園桜まつりが開かれます。時期は例年の目安で、開花の状況によって前後します。
本数は約650本から700本で、樹齢120年のソメイヨシノも含まれます。花が集まるのは二の丸と本丸の周辺です。まつりの期間中は、18時から22時まで夜間のライトアップがあります。5月中旬からはツツジも見頃に入り、新緑の季節も人気です。
紅葉の時期に歩くならクマの情報を出発前に確認する
千秋公園の秋の散策では、歩き出す前に、秋田市や地元紙の最新の発表で立ち入り規制の有無を調べてください。
2025年10月には園と周辺でクマの目撃が相次ぎ、10月26日に立ち入りの規制が始まり、箱わなも増やされました。捕獲できたのは1頭目が11月2日、2頭目が3日で、規制は4日に解除されました。ところがその日の午後に園内でまたクマが目撃され、公園はふたたび閉じられました。周辺の施設も、自動ドアを手動に変えるなどして備えました。








