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高知市で平らな道を選んで歩くなら、市の中心部を流れる鏡川の、下流域に広がる河川敷が候補になります。川沿いに大きな上り下りがなく、市街地からすぐ行けるので、毎日のウォーキングに組み込みやすい場所です。鏡川みどりの広場や鏡川緑地、鏡川橋のまわりなど、人が集まる水辺も下流域にまとまっています。
鏡川は、高知市民が散策や水遊びに使っている身近な川です。源流から河口までがすべて高知市の中に収まる川で、全国を見てもこうした例は多くありません。市内の土佐山地域から流れ出し、市街地を抜けて浦戸湾に注ぎます。
川沿いの道は、地域の人の手で掃除されています。若者の団体が毎月ごみを拾い、大学生や中学生も清掃に加わってきました。

鏡川の河川敷を歩くなら市街地寄りの下流域を選ぶ
河川敷を歩く場所としては、下流域が向いています。散策や水遊びに広く使われている区間で、ふだんの散歩や運動に取り入れやすい場所です。
上流域も市街地からそれほど遠くはありません。ただ、こちらは雄大な景色や季節ごとの風景を楽しむ場所として知られています。
散策の目印になる鏡川みどりの広場
下流域を歩くときの目印として覚えておきたいのが、鏡川みどりの広場です。唐人町と鷹匠町にまたがって鏡川に面しており、都市公園法にもとづく都市緑地として開設されました。
広場の前の川沿いには駐車場もあります。高知県の中心商店街向けにつくられたトイレマップでも、この広場は山内神社やはりまや橋と並んで名前が挙がっています。街なかを歩き回るときに、位置を確かめる手がかりとして使える場所です。
桜の季節は上町二丁目付近の川沿いを歩く
春に歩くなら、高知市上町二丁目付近の鏡川沿いが向いています。桜の時期になると、川沿いに並木が続きます。
この並木は、高知市環境政策課が国土交通省の「いい川」の募集に応募した際にも取り上げられました。市はこの一帯を、花見と歴史散策のどちらにも向いた場所として紹介しています。
紅葉橋を出発点にした「鏡川ウォーク」
川沿いを歩くこと自体を、学びや交流の場にしている人たちもいます。高知大学の学生が取り組む「鏡川ウォーク」です。
出発点は紅葉橋で、高知市もこの取り組みを紹介しています。
河川敷がきれいなのは毎月の清掃活動が続いているから
鏡川沿いの散策路がきれいな状態にあるのは、高知清掃隊の毎月の清掃に加え、学生や中学生もごみ拾いに参加してきたからです。
高知市内の若者でつくる高知清掃隊は、鏡川沿いを中心に、月に1度の定期清掃を続けてきました。2024年6月の回は鏡川みどりの広場を拠点にして、計22名が柳原橋から天神大橋までの区間を歩いてごみを集めました。
グリーンバード高知チームも、鏡川に関わっている団体です。運営しているのは高知大学の学生です。この団体は市街地を歩きながらごみを拾い、最後に鏡川みどりの広場へ向かいます。川を眺めながら広場の清掃をするのが、いつもの流れです。
中学生も加わっています。2022年には国際中学校の生徒が鏡川橋の近くで清掃を行い、一般の市民にも参加を呼びかけました。呼びかけに使ったのは、地域通貨「ぼっちり」の体験チケットです。
夏の高知市納涼花火大会のあとにも、朝のリバー清掃があります。掃除の場所は鏡川橋や鏡川緑地のあたりです。
清掃の呼びかけに使われる地域通貨「ぼっちり」
「ぼっちり」は地域通貨で、「まちのコイン」というスマートフォン向けアプリを高知市で使うときの呼び名です。まちのコインは面白法人カヤックが開発したアプリで、地域の人同士をつなぐためのコミュニティ通貨という位置づけです。コインを現金に換えることはできません。
仕組みはシンプルです。アプリに登録すると、最初にコインがもらえます。店や団体は「スポット」としてアプリ上に体験を用意し、利用者はコインを払ってその体験に参加します。反対に、スポット側が作業の手伝いなどを募集し、参加した人にコインを渡す使い方もあります。
2026年の高知市納涼花火大会は鏡川みどりの広場で約4000発
鏡川みどりの広場の付近を会場にした夏の行事が、高知市納涼花火大会です。
2026年の大会は第76回で、2026年8月9日(日)の19時45分から21時まで、鏡川河畔のみどりの広場で行われました。荒天の場合は2026年8月13日に日を移す予定になっていました。
花火を打ち上げたのは、高知市のシンボルの筆山と河川敷を含む計4か所です。約75分のあいだに、約4000発が夜空に上がりました。観覧席はすべて有料で、花火大会の会場に駐車場はありませんでした。会場にいちばん近い交通機関は、路面電車の県庁前電停です。前年の大会の人出は約8000人でした。
2007年の清流保全計画は新月橋を水浴できる場所と記載
新鏡川清流保全基本計画は2007年にできた計画で、その概要版は、鏡川の水が近年澄んできたことを挙げ、新月橋を水浴ができる場所としています。この計画が掲げたキャッチフレーズは「アユの群れなす鏡川」です。
それより前の1991年にも、高知市は鏡川清流保全基本計画を策定しました。市はこの計画で、施策の柱の一つに親水性のある水辺を置いています。人が川に近づきやすい水辺をつくることは、早い時期から市の方針でした。
高知市は現在、「鏡川流域パートナーシップ」という取り組みを進めていて、流域の自然と、そこに関わる人同士の輪を広げようとしています。
支流の吉原川は濁度0.3から0.5度の澄んだ流れ
吉原川は、本川より濁りが少ない鏡川の支流です。水は清く澄んでいて、水の中の見通しも良好です。
濁度とは、水がどれだけ濁っているかを表す水質の指標で、おもに土砂などの水に浮いている物質の量を示します。単位は「度」で、数字が小さいほど水が澄んでいることになります。水道法では、水道水の基準を2度以下と定めています。
吉原川を調べた結果、濁度は0.3から0.5度で、本川より低い値でした。別に2023年に支川を調べたときは、0.2から0.3度という値が出ています。水道水の基準と比べても、かなり澄んだ水だといえます。
水温は、同じ支川の的淵川のほうが吉原川より約1度高めです。吉原川は支川の中では涼しい部類に入ります。川ではたくさんの生き物が見られ、川遊びや、吉原ふれあいの里の催しにも使われています。
アユの産卵場を守る取り組みと陸封アユ
鏡川では、アユの産卵場を維持し、さらに広げる取り組みが進んでいます。あわせて、陸封アユがどれくらい暮らしているかを調べる作業も行われています。
陸封アユとは、海へ下らずに、湖や川の中だけで一生を終えるアユのことです。琵琶湖のアユは、もとは海と川を行き来する両側回遊型のアユが湖に閉じ込められたもので、両側回遊型から分化したのは約10万年前と推定されています。
ダムでできた人工の湖でも、放流したアユがそのまま残り、陸封化した例があります。こうしたアユも、もとをたどると両側回遊型です。高知県内では中筋川ダムが完成したあとに陸封化が起き、2016年には陸封アユの産卵と稚魚の成長が確認されました。
鏡川は高知県が管理する二級河川
鏡川は二級河川で、管理しているのは高知県です。二級河川とは、都道府県が河川法のもとで管理を受け持つ区分の川を指し、管理者は都道府県知事になります。
川の区分はほかにもあります。一級河川は国土交通大臣が指定し、準用河川は市町村長が指定して河川法を当てはめる川です。二級河川を全国で足し合わせると長さは約35,900キロメートルになり、全国の河川の延長全体の約25パーセントにあたります。
高知県は2017年4月に鏡川水系河川整備基本方針を策定しました。この基本方針に記された主な数字は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 流域面積 | 170.0平方キロメートル |
| 指定延長 | 31.1キロメートル |
| 規模の区分 | 二級の中小河川 |
続いて県は、2017年9月に鏡川水系河川整備計画を明らかにしました。この計画は、治水と河川の利用、河川環境の三つについて目標を立て、河川工事や維持の実施事項を盛り込んだ計画です。
河川整備基本方針と河川整備計画の役割の違い
二つの計画は、長い目で見た方針と、実際の工事の中身という形で役割を分けています。
根拠になる条文は、河川整備基本方針が河川法第16条です。治水、利水、環境のそれぞれについて、長期的な視点から川の整備の土台を決めます。河川整備計画の根拠は河川法第16条の2で、基本方針の考え方に従いながら、今後20年から30年ほどの間に行う工事や維持管理を具体的に定めます。指定区間の整備計画を定めるのは都道府県知事です。
方針と計画の二段階に分かれたのは、1997年に河川法が改正されてからです。それまでは工事実施基本計画という一つの計画にまとめていました。改正のあと、整備計画をつくるときには地域住民や学識経験者の意見を聞く手続きが加わっています。
鏡川の水は生き物の多い浦戸湾へ流れ込む
鏡川が最後にたどり着く浦戸湾は、市街地のすぐそばにある汽水域です。海と川が出会う場所を汽水域と呼び、塩分は海水より薄く、その濃さが大きく変わります。
川のいちばん下流にあたるため、浦戸湾には流域から栄養分が運ばれてきます。その栄養で植物プランクトンが育ち、それを動物プランクトンが食べ、さらに貝類や魚類へとつながる豊かな食物連鎖ができます。淡水の池や川、海と比べても、養える生き物の数は多くなります。一生を汽水域で過ごす生き物に加え、一時期だけ入ってくる海の魚や川の魚もいるため、生き物の種類がとても多い場所です。
浦戸湾では200種近い魚が確認されています。鏡川をはじめ、多くの川が運ぶ栄養分がこの豊かさの背景にあります。環境省は、浦戸湾と桂浜の周辺を、生物多様性の面で重要度の高い海域に選びました。
高知市の周辺で大きな川といえば、鏡川と国分川です。国分川の流域面積は160平方キロメートルほどです。高知市そのものは四国の南部のほぼ真ん中にあり、市域の面積は309.22平方キロメートルです。
中流部の鏡ダムは高知市の水道水源も担う
河川敷から上流へさかのぼると、中流部に鏡ダムがあります。鏡川総合開発事業の一つとしてつくられた多目的ダムで、洪水を防ぐ治水、工業用水と水道用水の確保、発電の役割を持っています。
| 項目 | 時期 |
|---|---|
| 着工 | 昭和38年4月 |
| 試験湛水 | 昭和41年10月 |
| 竣工 | 昭和42年11月 |
今は高知県がダムを管理しています。高知市の上水道の水源にもなっていて、鏡川第1取水所が鏡ダムにあたります。
2014年8月の台風12号のときには、ダムに流れ込む水の量が最大で毎秒1,422.45立方メートルに達しました。このときダムは洪水調節を行っています。
まとめ
鏡川で平らな道を歩くなら、市街地に近い下流域の河川敷を選んでください。目印には、前に駐車場がある鏡川みどりの広場が使えます。春は上町二丁目付近の桜並木、夏は納涼花火大会があり、2026年の大会では約4000発が上がりました。
散策路は、高知清掃隊や学生、中学生の清掃で保たれています。








