上山市のクアオルト完全ガイド|ミュンヘン大学認定ウォーキングと温泉滞在

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山形県上山市は、日本におけるクアオルト(健康保養地)の先進地として全国的に注目を集めている地域です。上山市のクアオルトでは、ミュンヘン大学認定の8つのウォーキングコースを専門ガイドの案内で年間360日歩くことができ、560年以上の歴史を持つかみのやま温泉での滞在型健康プログラムを体験できます。「心と体がうるおうまち」をコンセプトに、温泉、自然環境、食といった地域資源を最大限に活用した健康づくりの取り組みが平成20年度から官民一体となって推進されてきました。

上山市のクアオルト事業は、ヘルスツーリズム大賞2011や健康寿命をのばそう!アワード優良賞2014を受賞するなど、公的機関からも高い評価を受けています。本記事では、上山市のクアオルト健康ウォーキングコースの特徴、かみのやま温泉の魅力、そして滞在型プログラムの詳細について、訪問を検討している方に向けて詳しく解説します。

目次

クアオルトとは何か ドイツ発祥の健康保養地の概念

クアオルトとは、ドイツ語で「療養地」「健康保養地」を意味する言葉です。クア(Kur)は「治療・療養、保養のための滞在」を、オルト(Ort)は「場所・地域」を表し、この二つが組み合わさって生まれた概念となっています。ドイツでは温泉や海、泥、気候などを利用して疾病を治療・緩和・予防する自然療法が長い歴史の中で発展してきました。

ドイツ国内には350か所を超えるクアオルトが存在しており、医師の処方により公的医療保険が適用される形で、国民の健康維持・回復に大きな役割を果たしています。日本においてクアオルトの取り組みを先駆的に始めたのが上山市であり、友好都市であるドイツ・ドナウエッシンゲン市との国際交流や、同じくクアオルトを目指していた大分県由布院温泉との交流がきっかけとなりました。

気候性地形療法の仕組みと健康効果

気候性地形療法は、1990年代からドイツで医療保険が適用されるようになった比較的新しい療法です。1990年代後半、ミュンヘン大学のアンゲラ・シュー教授が「冷気と風」を上手に活用すると運動効果が増すことを発見したことが、この療法の確立につながりました。

この療法では、太陽光線、可視光線、清浄な空気、冷気と風という気候の4つの要素を活用します。太陽光によるビタミンD3の合成は骨の強化や免疫力の活性化につながります。可視光線は体内の24時間リズムを調整して深い睡眠をもたらします。清浄な空気は呼吸器系の改善やアレルギーの緩和に寄与します。冷気と風は持久力の強化、免疫システムの改善、血液循環機能の向上、体温調節機能の改善に役立ちます。

ドイツでは主に心臓循環器系のリハビリテーションにおいて保険が適用され、3週間の治療プログラムとして実施されています。心筋梗塞や狭心症のリハビリテーション、高血圧、骨粗しょう症等の治療に利用される自然療法として確立されています。

上山市がクアオルトに取り組んだ背景と経緯

上山市がクアオルトに着目した背景には、市民の健康課題がありました。平成19年度当時、上山市の市民一人あたり年間医療費が県内13市中ワースト1位となる312,335円であったことが、健康保養地づくりに取り組む大きな動機となりました。この課題を解決するため、ドイツで確立されていたクアオルトの仕組みを日本に導入することを決断しました。

上山市は友好都市であるドイツ・ドナウエッシンゲン市との国際交流を通じてクアオルトの知見を深め、また大分県由布院温泉との交流からも多くを学びました。こうした取り組みの結果、上山市は日本におけるクアオルトの先駆者として、全国に先駆けた健康保養地づくりを実現することになりました。

上山市のクアオルト健康ウォーキングコース ミュンヘン大学認定の8コース

上山市には、ミュンヘン大学アンゲラ・シュー教授の鑑定を受けた5か所8コースのクアオルト認定コースがあります。2008年に西山・葉山・蔵王高原坊平の3コースが認定され、2009年に虚空蔵山、三吉山、蔵王高原坊平の追加5コースが認定されました。これは日本初にして唯一の認定であり、国際的な基準に基づいた本格的なクアオルトコースとして認められています。

これらのコースは、高度差、累積高度差、傾斜度、日射などの熱条件等について、歩行速度ごとの運動負荷が科学的に鑑定されています。かみのやま温泉周辺の標高180メートルの里山から、蔵王連峰の魅力を体感できる標高1450メートルの樹氷原まで、多彩で魅力あるコースが整備されています。

葉山コースの特徴と見どころ

葉山コースは、温泉街から最も近く、気軽に歩くことができる人気のコースです。蔵王連峰や市街地が一望に見渡せる眺望ポイントが多く、市民の日常的な歩行コースとしても親しまれています。コースの所々には、上山出身の歌人・斎藤茂吉をはじめ、俳人・詩人の歌碑や句碑が建てられており、文学散歩としても楽しめます。花咲山展望台は「恋人の聖地」に選定されており、ロマンチックな雰囲気も味わうことができます。

西山コースの特徴と見どころ

西山コースには山頂コースと北堰コースの2種類があります。山頂コースは高低差170メートルで、沢庵堰や高楯城跡など多くの史跡が残っており、歴史を楽しみながら歩けるコースとなっています。八合目では、山形県指定の天然記念物であり、世界で唯一の珍木「デワノハゴロモナナカマド」が出迎えてくれます。

北堰コースは高低差86メートルの初心者向きコースです。バイカツツジ、ヒメシャガ、カタクリなど季節の花々が彩りを添えてくれます。全長は約3.1キロメートルで、蔵王連峰や上山市街が一望できる眺望スポットも多くあります。

蔵王高原坊平コースの特徴と見どころ

蔵王高原坊平コースは、標高約1000メートルの準高地に位置するコースです。ナラやカエデなどが茂る森を歩けば、鳥の鳴き声や風の音が聞こえ、木漏れ日が心地よく五感を刺激します。コース最上部の「お清水の森」には伏流水が流れ、神聖な雰囲気の中で清冽な水が疲れを癒してくれます。

このコースは、平成20年度に文部科学省からナショナルトレーニングセンター高地トレーニング強化拠点施設に指定された蔵王坊平アスリートヴィレッジ内のクロスカントリーコースの一部を利用しています。

お清水・樹氷原コースの特徴と見どころ

お清水・樹氷原コースは、高低差310メートルという、認定コースの中で最も高低差のあるコースです。かつて「お清水」は蔵王山信仰の出発地点であり、お清水の森には「峠の詩碑」、西国三十三観音などの石仏群や蔵王権現があり、蔵王修験の名残を味わうことができます。

コース最高地点の周辺にはアオモリトドマツの林があり、フィトンチッドを浴びながら歩ける爽快感あふれるコースです。冬季には樹氷トレッキングコースとして活用され、世界的にも珍しい蔵王の樹氷「スノーモンスター」を間近で観察できます。

クアオルト健康ウォーキングの実践方法と参加案内

クアオルト健康ウォーキングの基本コンセプトは「頑張らない、無理しない。でも、心身に良い効果!」です。気候性地形療法を基本とし、日本の風土や気候に適合させた健康づくりの手法として確立されています。心拍や血圧を測定しながら自然の中をゆったり歩くことで、安全で効果的な運動を行うことができます。

目標となる心拍数は「160マイナス年齢」で設定され、運動負荷としては55~60%程度となります。これは全力の半分を少し超えた程度の強さであり、苦しさが少なく継続しやすい運動強度です。太陽光線などの気候要素を活用し、体表面を冷たく保ちながら歩くことで運動効果を高めます。体力に合ったスピードで歩くため、運動が苦手な人でも頑張らずに運動効果を得ることができます。

専門ガイドによるウォーキング案内

上山市では、専門の研修を受けたガイドが案内役となり、年間360日にわたってクアオルト健康ウォーキングを開催しています。ガイドは健康管理の知識を持ち、参加者一人ひとりの体調や体力に合わせた歩き方をレクチャーします。

毎日午前中に開催される「毎日ウォーキング」は予約なしで参加可能です。コースは日替わりで設定されており、コースによって集合時間が変わります。講習を受けた専門ガイドによる歩き方レクチャーがあるため、初心者や小学生のお子様でも安心して参加できます。

参加方法と料金について

クアオルトウォーキングへの申し込みは、かみのやま温泉観光案内所への来店、上山市観光物産協会への連絡、またはインターネット(VISIT MY 山形等)で可能です。ウォーキング参加費はおひとりさま3,300円となっています。問い合わせ先は、上山市市政戦略課クアオルト推進室または一般社団法人上山市観光物産協会となっています。

かみのやま温泉の歴史と特徴 560年以上続く名湯

かみのやま温泉は、1458年(長禄2年)に開湯したおよそ560年余りの歴史を持つ名湯です。肥前の僧・月秀上人が上山を訪れた際、一羽の鶴が沼地に湧く湯に傷を負った脛を浸し、その後元気に飛び去る姿を見かけたのが始まりと伝えられています。月秀上人が名付けた「鶴脛の湯」という別称は、長い間かみのやま温泉の愛称として親しまれてきました。

江戸時代には温泉が藩の管理となり、温泉町として大きく発展しました。参勤交代の宿場町としても栄え、会津の東山温泉、庄内の湯野浜温泉とともに「奥羽三楽郷」に数えられる歴史ある湯の里です。

かみのやま温泉の泉質と特徴

かみのやま温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)です。pH7.8の弱アルカリ性で、無色透明、無臭でわずかに塩味を有しています。泉温は63~69℃と高温で、湯色は無色透明、微かな鉱物臭と塩味があり、さらりとした湯ざわりが特徴です。

現在使用されている源泉は、上山地区1号源泉、2号源泉、3号源泉、および葉山地区1号源泉、2号源泉の計5本です。1978年(昭和53年)から源泉の集中管理が行われており、安定した温泉供給が実現しています。山形県発行の統計情報「やまがたの温泉2024」によると、湧出量は毎分2,537リットルで蔵王温泉に次ぐ県内2位、年度延宿泊利用人数は232,236人で県内2位となっています。

保温・保湿効果が高く、メタケイ酸を多く含有していることから、肌に弾力や潤いを与える温泉としても知られています。弱アルカリ性のため、赤ちゃんでも安心して入ることができる優しいお湯です。

温泉街の構成と共同浴場

かみのやま温泉は、歴史的に複数の地区で形成されてきたため、各地区をそれぞれ個々の温泉とみなして「上山温泉郷」とも表現されます。現在は湯町、十日町、新湯、高松、葉山、河崎の6地区で構成されています。

それぞれの地区に特色があり、湯町は最も古い温泉街の雰囲気を残し、新湯は近代的な旅館が立ち並びます。共同浴場も各地区に点在しており、昔ながらの入浴文化を今に伝えています。共同浴場は大人150円という手頃な料金で利用でき、おおむね朝6時から営業しています。

滞在型健康プログラム スマート・ライフ・ステイの詳細

スマート・ライフ・ステイとは、生活習慣病を効果的に予防することを目的に、糖尿病が疑われる者等を対象として、ホテルや旅館等の宿泊施設や地元観光資源等を活用して、保健師、管理栄養士、健康運動指導士等が多職種で連携して提供する新たな保健指導プログラムです。

2015年(平成27年)、厚生労働省の宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・ステイ)の補助事業として全国7自治体が採択され、東北で唯一選ばれたのが上山市の取り組みでした。この取り組みが高く評価され、2016年(平成28年)からは本格実施が始まり、全国の企業や団体の宿泊型新保健指導が実施されています。

プログラムの対象は、特定保健指導対象者および生活習慣の改善が必要な人です。地域資源(宿泊施設や地元の食事、アクティビティなど)と、保健師・管理栄養士・健康運動指導士など専門職による保健指導を組み合わせた「体験型」の保健指導プログラムとなっています。厚生労働省が定める特定保健指導内容をクリアし、非日常空間とグループダイナミクスによる効果的な保健指導で継続支援脱落者ゼロを実現しています。

企業の健康経営支援プログラム

上山市は企業の健康経営支援に力を入れています。特定保健指導対象者や糖尿病予備群を対象にした宿泊型新保健指導ツアーや福利厚生ツアーなど、県内外企業・事業所の健康経営を地域を挙げて支援しています。

太陽生命保険株式会社(平成28年10月)、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社(平成29年6月)、東京海上日動火災保険株式会社(平成30年2月)と「上山型温泉クアオルト(健康保養地)活用包括的連携に関する協定書」を締結しました。全国に先駆けた温泉地を活用した企業における新たな健康づくりのスタイルとして注目を集めています。

上山市は「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」を取得しており、自治体としては東北唯一です。また、林野庁「森林サービス産業」において、健康経営分野のモデル地域(全国7地域)に東北で唯一採択されています。

クアオルト膳 地元食材を活かした健康食

滞在型プログラムの一環として、地元食材を活かした「クアオルト膳」が提供されています。四季折々の地元食材を活用した栄養バランスに富んだ食事で、全体で590キロカロリー程度に抑えられ、減塩にも配慮されています。

上山市は山形県有数の果物産地でもあります。特にさくらんぼとラ・フランスの生産が盛んで、上山産のラ・フランスは「平棚仕立栽培」という方法で栽培され、高品質な果実として知られています。かみのやまラ・フランスカヌレ、かみのやまラ・フランスタルト、かみのやまラ・フランスパフェなど、地元産のラ・フランスを使用した様々なスイーツも楽しめます。

健康づくりに大切な三大要素「運動・栄養・休養」がバランスよく組み込まれており、予防から治療まで、地域資源を活かした楽しみながら実践できる総合的な健康づくりプログラムとなっています。

上山市の観光スポット 温泉と合わせて楽しむ見どころ

上山市にはクアオルトや温泉以外にも、歴史や文化を感じられる観光スポットが多数あります。ウォーキングや温泉と組み合わせて訪れることで、より充実した滞在を楽しむことができます。

上山城(月岡城)の歴史

上山城(別名:月岡城)は、1535年(天文4年)に武衛義忠が月岡・天神森に築いたと伝えられています。最上氏の最南端の城塞として、米沢の伊達氏や上杉氏との攻防の舞台となった歴史を持ちます。1692年(元禄5年)、土岐氏の転封と共に幕府により取り壊されましたが、1982年(昭和57年)に二の丸跡に3層の模擬天守が建立され、290年ぶりに郷土資料館として蘇りました。

入館料は大人600円、高校生・大学生500円、小・中学生200円です(2025年5月より改定済み)。JRかみのやま温泉駅より徒歩約12分でアクセスできます。

武家屋敷の佇まい

上山藩の武家屋敷には、森本家、三輪家、山田家、旧曽我部家の4軒が軒を連ねています。上山城が1535年に築かれると、その西・北部一帯は武家屋敷となり、藩の要職にあった家臣が居住していました。

現存している家屋は、茅葺屋根、鉤型の曲屋で、玄関と通用口とを別にする武家中門造りの建築様式です。4軒とも約200年前の建造と推定されています。三輪家と旧曽我部家は一般公開されており、内部も見学可能です。三輪家では専門のガイドが館内を案内してくれます。森本家と山田家は子孫が居住する私邸のため、外観と庭のみの見学となります。三輪家の見学料金は大人220円、高大生160円、小中生50円です。

斎藤茂吉記念館

斎藤茂吉記念館は、蔵王連峰や最上川などふるさと山形の風景を多く詠んだ茂吉の自筆の短歌作品をはじめ、原稿・書簡、幼少期から好んで描いた絵画、生活を知る遺品、晩年の居室などを収蔵・展示しています。映像により茂吉の生涯をその時代とともに紹介しています。

開館時間は9:00~17:00(入館受付は16:45まで)です。入館料は一般大人600円、高校生300円、小・中学生100円です。JRかみのやま温泉駅より車で約10分、JR茂吉記念館前駅より徒歩約3分でアクセスできます。定休日は水曜日(祝日・休日の場合は翌日)と年末年始です。

共同浴場と足湯 気軽に温泉を楽しむ

かみのやま温泉には、昔ながらの共同浴場や無料で利用できる足湯が整備されており、気軽に温泉を楽しむことができます。ウォーキングで疲れた体を癒すのに最適です。

下大湯共同浴場

下大湯共同浴場は、沢庵禅師も入浴したといわれる、かみのやま温泉の外湯の中で最も歴史の古い共同浴場です。寛永元年(1624年)に上山藩主・松平氏が開放した町方では初の共同浴場であり、2024年に開湯400年を迎えた歴史ある施設です。

所在地は上山市十日町9-30で、営業時間は6:00~22:00(12月~2月は6:30~)、年中無休です。入湯料は大人(中学生以上)150円、小学生100円、未就学児無料です。洗髪料は別途100円が必要となります。上山城や月岡公園などの主要観光地から最も近い共同浴場で、市内で唯一「あつゆ」と「ぬるゆ」の2種類の浴槽があります。駐車場は「上山十日町振興共同組合駐車場」が無料で利用可能です。

新湯共同浴場(澤の湯)

新湯共同浴場(通称:澤の湯)は、かつて地元の温泉共同組合によって運営されていましたが、2020年3月31日に閉鎖(休業)となりました。その後、NPO法人(かみのやまランドバンク)が施設の運営を引き継ぎ、建物を改修して2022年5月29日に営業を再開しました。

所在地は上山市新湯5-13で、営業時間は15:00~21:00(月・水・金・土曜日)、10:00~21:00(日曜日・祝日)です。定休日は火・木曜日(祝日の場合は翌日)です。入湯料は高校生以上500円、中学生まで350円、小学生未満200円となっています(2025年4月1日より改定)。シャンプー・石鹸・ドライヤーが備え付けられています。加水なしで温度は40℃前後と、市内で最もぬるめの若者向け共同浴場です。

無料で楽しめる足湯スポット

かみのやま温泉には無料で利用できる足湯が5か所に整備されています。上山城、眉川橋、新湯、湯町、葉山の各地区に設置されており、「足湯巡り」という楽しみ方もできます。工事などで断湯の場合を除き、基本的に休業日はありません。また、みゆき会病院の駐車場には私設の足湯が一般に開放されています。

かみのやま温泉は保湿成分であるメタケイ酸が多く含まれる弱アルカリ性温泉で、足湯でも肌への効果が期待できます。源泉は計5か所あり、深い所で400メートル、平均66.4℃の温泉が1分間に400リットル汲み上げられています。ウォーキングで疲れた足を足湯で癒すのは、クアオルト滞在の楽しみ方の一つです。

四季ごとのクアオルトウォーキングの楽しみ方

上山市のクアオルトウォーキングは、四季それぞれに異なる魅力があります。季節に応じたコース選びや装備を知っておくことで、より充実した体験ができます。

春のウォーキング 新緑と山野草

春は新緑が美しい季節です。虚空蔵山コースでは、イタヤカエデ、コミネカエデ、カラコギカエデなどのカエデ類が芽吹き、爽やかな新緑の中を歩くことができます。北堰コースではカタクリの花が咲き誇り、可憐な紫色の花が足元を彩ります。蔵王高原坊平コースでは5月中旬にサクラ類が見頃を迎え、遅い春の訪れを楽しむことができます。

夏のウォーキング 高原の涼しさとホタル

夏は高原の涼しさと豊かな自然が魅力です。西山コースでは7月に地区をあげて「西山ホタルまつり」が開催され、夏の夜にホタルの淡い光で幻想的な世界が広がります。蔵王高原坊平コースでは6月中旬にレンゲツツジが見頃を迎え、緑の中に映えるオレンジ色が圧巻です。また、夏には日本列島を縦断するチョウ「アサギマダラ」に出会えます。西山コースではヒメサユリやニッコウキスゲなどの高山植物が自生しており、貴重な植物観察も楽しめます。

秋のウォーキング 紅葉と文学碑

秋は紅葉が美しい季節です。虚空蔵山コースでは様々なカエデ類が色づき、燃えるような紅葉を楽しめます。八合目では山形県指定の天然記念物であり、世界で唯一の珍木「デワノハゴロモナナカマド」の紅葉が見事です。葉山コースでも四季折々の花々や紅葉が楽しめ、文学碑を巡りながらの紅葉狩りは格別です。

冬のウォーキング 雪景色と樹氷

冬は雪景色の中でのウォーキングが体験できます。葉山コースは除雪はされていないものの、毎日早朝から歩いているグループがいるため、踏み固められた小道があり、雪上の足跡を追って歩くのも楽しい体験です。滑りにくい靴での参加が必要です。お清水・樹氷原コースは冬季に樹氷トレッキングコースとなり、世界的にも珍しい蔵王の樹氷「スノーモンスター」を間近で観察できます。蔵王高原坊平コースではスキーや樹氷トレッキングでも賑わいます。

服装と装備のアドバイス

クアオルト健康ウォーキングに参加する際は、動きやすく薄手のものを重ね着することが推奨されます。気候性地形療法では体表面を冷たく保ちながら歩くことが重要であるため、汗をかいたら上着を脱ぎ、寒くなったら着るという調整がしやすい服装が望ましいです。靴は草・土や小石の上を歩くため、トレッキングシューズやウォーキングシューズがおすすめです。クアオルト健康ウォーキングの後に温泉入浴を組み合わせることで、さらに健康効果がアップします。

上山市へのアクセス方法

上山市へは、東京から山形新幹線で約2時間30分~2時間40分と、比較的アクセスしやすい立地にあります。交通手段と所要時間を把握しておくことで、スムーズな旅行計画が立てられます。

新幹線でのアクセス

東京駅から山形新幹線「つばさ」で約2時間30分~2時間40分で、最寄駅のかみのやま温泉駅に到着します。かみのやま温泉駅はJR山形新幹線およびJR奥羽本線が通っています。かみのやま温泉駅から山形駅までは山形新幹線で約10分です。

主な時刻の例として、東京駅06:12発でかみのやま温泉駅08:49着(157分)、東京駅08:56発で11:28着(152分)、東京駅10:00発で12:33着(153分)などがあります。

駅から温泉街・観光スポットへ

かみのやま温泉駅から温泉街や各観光スポットへは、タクシーが利用できます。一部の旅館へはJR山形新幹線かみのやま温泉駅から徒歩約10分またはタクシー約3分でアクセス可能です。多くの宿泊施設では、かみのやま温泉駅まで無料送迎を行っており、前日までに予約が必要です。

主な宿泊施設とクアオルト体験プラン

上山市には、クアオルト健康ウォーキングと組み合わせた滞在プランを提供する宿泊施設が複数あります。それぞれの施設の特徴を知っておくことで、目的に合った宿選びができます。

日本の宿 古窯(こよう)

蔵王連峰が一望できる緑豊かな高台に佇む老舗旅館です。「プロが選ぶ日本のホテル旅館100選」において40年以上連続でトップ10を受賞している名門宿で、クアオルト健康ウォーキングと組み合わせた滞在プランも用意されています。

彩花亭 時代屋

クアオルトウォーキングのガイド付きメニューを積極的に提供している温泉宿です。全体で590キロカロリー、減塩にも配慮したクアオルト膳を提供しており、健康志向の滞在が楽しめます。

果実の山 あづま屋

最上階7階にあるお風呂からは蔵王山麓を望み、上山市内の街並みを一望できる畳敷きの展望大浴場が特徴です。天然美肌の湯として知られる温泉を楽しむことができます。

名月荘

クアオルトウォーキング体験プランを提供している高級旅館です。専門ガイドの案内によるウォーキングと、質の高い温泉・料理を組み合わせた滞在が可能です。

クアオルトの全国展開と上山市の役割

上山市を中心に、クアオルト健康ウォーキングは全国18か所以上に広がっています。上山市は日本型クアオルトの発展をリードする存在として、その知見を全国に発信しています。

主な実施地域として、東北地方では青森市浅虫温泉、秋田県三種町、山形県天童市、山形県西川町があります。関東地方では埼玉県所沢市、埼玉県横瀬町で実施されています。中部地方では石川県珠洲市、岐阜県白川村、岐阜県飛騨市、岐阜市、静岡県小山町、愛知県名古屋市で展開されています。近畿地方では兵庫県多可町、三重県志摩市、中国地方では岡山県新見市、九州地方では大分県由布市、宮崎県延岡市でクアオルト健康ウォーキングが実施されています。

クアオルト健康ウォーキングの普及と発展を目的として、太陽生命保険株式会社が「太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード」を主催しています。優れた取り組みを行う自治体や団体を表彰し、クアオルトの認知度向上と全国展開を支援しています。

厚生労働省が定める「標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】」において、山形県上山市での実施プログラムが宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・ステイ)のモデルプランとして紹介されています。

上山型温泉クアオルトビジョンと今後の展望

上山市では「第2期上山型温泉クアオルトビジョン」を策定し、令和6年度から令和13年度までの8年間の計画として推進しています。市全域が「健康保養地」という考えの下、滞在するだけでも心も体も元気になれるまちを目指しています。

上山型温泉クアオルト事業は、健康・環境・観光の三つの柱を軸に展開されています。健康面では、市民の健康増進はもちろん、全国から訪れる人々の健康づくりを支援しています。気候性地形療法を基本としたクアオルト健康ウォーキング、温泉を活用した保養、地元食材による健康的な食事の提供など、総合的な健康プログラムを展開しています。

環境面では、豊かな自然環境の保全と活用を両立させています。蔵王連峰の自然、里山の景観、温泉資源など、地域の環境資源を持続可能な形で活用することを目指しています。

観光面では、交流人口の拡大による地域活性化を図っています。ヘルスツーリズムを楽しむ来訪者の誘致、企業の福利厚生ツアーの受け入れ、インバウンド観光への対応など、多角的な観光振興策を展開しています。

「心と体がうるおうまち」というコンセプトのもと、上山市は日本型クアオルトの発展をリードし続けています。健康寿命の延伸や生活習慣病の予防が社会的課題となる中、上山市のクアオルト事業が果たす役割はますます重要になっています。

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