四国のみちを初心者が日帰りで歩くなら5kmコースから

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四国のみちは、徳島県・香川県・愛媛県・高知県の4県にまたがる総延長1545.6kmの長距離自然歩道です。四国自然歩道とも呼ばれ、県ごとに区切られた多数のコースへ分かれているため、初心者でも日帰りで気軽に歩けるウォーキングコースとして選べます。起点は徳島県鳴門市、終点も同じく徳島県板野郡板野町で、海岸線から山地、田園、遍路道までさまざまな地形を縫うように整備されています。

目次

四国のみちは国土交通省ルートと環境省ルートが組み合わさってできている

四国のみちには、四国全域を歴史・文化の視点で結んだ国土交通省系ルート(約1300km)と、自然志向で整備された環境省の長距離自然歩道構想に基づく「四国自然歩道」ルート(約1637km)という2つの系譜があります。この2本が組み合わさり、現在の四国のみちのネットワークが形づくられました。全区間をつなげば四国を一周できますが、実際に多くの人が歩いているのは、区間ごとに区切られた1コース単位での日帰りウォーキングです。

県別に見ると、コース数と総延長はそれぞれ異なります。

コース数総延長特徴
徳島県24コース約320km渦潮を望む鳴門発着コースが起点
香川県28コース約270km(265.7kmとする資料もあります)ため池めぐりとへんろ道
愛媛県33コース362.8km地芳峠を越える県境コース
高知県コースごとに案内コースごとに案内仁淀川流域の景観と土佐の史跡

愛媛県が4県の中でもっともコース数が多く、総延長も長くなっています。高知県は仁淀川流域を中心とした自然の豊かさが際立つエリアで、佐川町の史跡を巡るコースなど、県ごとに異なる持ち味を楽しめます。

初心者は5km前後の平坦なコースから始めると無理がありません

四国のみちの各コースは、公式ポータルサイト「四国のみち【公式】ポータルサイト」(shikoku-nature-trail.com)で、距離・所要時間・難易度から検索できます。初心者がコースを選ぶときは、いくつかの基準で絞り込むとよいでしょう。

距離で選ぶ場合、初回は5km前後の短いコースから始めるのが無難です。歩行時間の目安は平地1kmあたり約15分、山地1kmあたり約20分から30分とされています。たとえば10kmの平地コースなら、休憩を含めずに歩くだけでもおよそ2時間半が目安になりますし、山道が含まれればさらに時間がかかります。余裕を持った計画を立てておきたいところです。

難易度で選ぶなら、舗装路中心の平坦なコースか、山道や階段を含むコースかで負荷は大きく変わります。初心者はまず海沿いや田園地帯の平坦なコースから歩き始め、慣れてきたら山地を含むコースへ挑戦するステップアップ方式が向いています。

アクセスで選ぶ際は、出発地点と到着地点の最寄り駅やバス停、駐車場の有無を事前に確認しておくことが欠かせません。車を使わない場合、地方部ではバスの本数が少ないエリアもあるため、時刻表を事前にチェックし、帰りの時間に余裕を持たせておく必要があります。体力や技術に自信がなければ、コース全体を歩き切らず一部区間だけを選んで歩くという楽しみ方もできます。

見どころで選ぶ人には、渦潮や瀬戸内海の眺望、四国霊場の札所、ため池群、渓谷など、興味に合ったテーマのコースを選ぶ方法がおすすめです。

徳島県は渦潮を望む鳴門公園発着のコースが四国のみちの起点になっている

徳島県では、四国のみちの起点にあたる鳴門公園周辺から歩き始める「渦潮の見えるみち」が象徴的なコースとして紹介されています。鳴門公園から大鳴門橋、渦潮、淡路島までを一望できる眺望が魅力で、潮の香りを感じながら歩けるロケーションは、四国のみちの中でも屈指の絶景区間といえるでしょう。

このコースの道のりをたどると、四国のみちの起点を示す石碑が立つ鳴門公園から歩き始め、石碑越しに淡路島が見え、全長1.6kmの大鳴門橋が海の向こうまで続く光景が広がります。相ヶ浜では白波が水しぶきを上げ、岩礁が波に洗われる様子を間近で眺められ、そこから快適な遊歩道がしばらく続いたあと、里山を越えて鳴門スカイラインへ抜けていきます。さらに歩みを進めると民家の間を通り抜け、小さな漁村にたどり着き、海が近い暮らしの風景を味わいながら海沿いを歩き、再び里山を登って島田島の里山を抜けると小鳴門海峡に到着します。途中にある「渦の道」に立ち寄れば、海面45mの真上から迫力のある渦潮を眺められ、初心者でも徒歩でアクセスできる人気の観光スポットとして楽しめます。

徳島県内の四国のみちは、鳴門市から海陽町までの全24コース、総延長約320kmで構成されています。雄大な渦潮が望める鳴門市の孫崎から、四国八十八ヶ所の1番札所である霊山寺、遍路道の難所として知られる焼山寺への道、そして県南では青く輝く太平洋沿いの海岸線まで、変化に富んだ区間が連なっています。公式サイト「四国のみち 徳島県 Shikoku Nature Trail in Tokushima」では、コースごとの解説、コースマップ、沿線の写真、見どころ紹介、アクセス情報がまとまっており、初めて歩く人でも下調べがしやすくなっています。観光情報サイト「阿波ナビ」の「はじめての徳島まんきつコース」のように、四国のみちのウォーキングと徳島観光を組み合わせたプランを立てることもできます。

香川県はため池めぐりとへんろ道が組み合わさった里山コースが中心

香川県のコースは、府中湖をはじめとする大小のため池を巡りながら歩く里山タイプと、四国八十八ヶ所霊場のうち3つの札所を結ぶへんろ道タイプが代表的です。香川県は全国的にもため池が多いことで知られる県で、ため池と山並みが織りなす穏やかな景観の中を歩くコースは、初心者にも歩きやすい平坦な区間が多くなっています。

香川県公式サイトでは、コロナ禍をきっかけに始まった「まちを歩いてみませんか」という特集で、身近な自然や町並みを歩いて楽しむ企画も紹介されました。県内は28コース、総延長約270kmとされ、距離・所要時間・難易度で検索して自分に合ったコースを選べる仕組みが整っています。讃岐富士の愛称で親しまれる飯野山のように、美しい山容で登山道が整備された山も香川県内にあり、四国のみちと合わせて立ち寄るのもよいでしょう。

愛媛県は33コースと4県で最多、地芳峠を越える県境コースもある

愛媛県は四国のみちの中でもっともコース数が多く、33コース、総延長362.8kmという規模を誇ります。変化に富んだ地形を歩けるのが特徴で、標高1,085mの地芳峠は愛媛県と高知県の県境にあたり、県境をまたいで歩けるコースも用意されています。

愛媛県の四国のみちは公式ホームページでコース紹介がまとめられており、瀬戸内海沿岸の眺望を楽しめる区間から、四国山地の懐に入っていく山岳系のコースまで幅が広くなっています。初心者はまず沿岸部や平地中心の短いコースから歩き始め、体力に自信がついてきたら地芳峠周辺のような標高差のあるコースへ挑戦するとよいでしょう。

高知県は仁淀ブルーの仁淀川沿いと佐川町の史跡を巡るコースが魅力

高知県のコースは、仁淀川流域を中心とした自然豊かなエリアが持ち味です。仁淀川は石鎚山系を水源とし、愛媛県から高知県中央部を流れる全長124kmの川で、仁淀ブルーと称される高い透明度の水色で知られています。水質日本一に選ばれたこともあるこの川沿いを歩くコースは、四国のみちの中でも特に景観の美しさで人気を集めています。

高知市内から日帰りで訪れる場合、高知駅が路面電車や市内バスの起点になっているため、車を使わない旅行との相性がよいといえます。市内観光と組み合わせて、四国のみちの一部区間を歩くプランも立てやすくなっています。高知県観光情報サイト「こうち旅ネット」では、季節や体力に応じたモデルコースが紹介されており、コース選びの参考になります。

高知県内には、佐川町の田園風景を歩きながら、幕末に勤王の志士たちが脱藩する際に集合したとされる歴史ある地を巡るコースもあります。自然だけでなく土佐の歴史にも触れられるのが、高知県のコースの魅力です。佐川町ではJR四国の西佐川駅の駅舎内に観光案内所が設けられており、コース情報やパンフレットを入手できます。また、月の名所として知られ、よさこい節にも唄われた景勝地である桂浜も、高知県を代表するスポットの一つです。遊歩道や公園設備が整備されており、桂浜観光案内所ではガイドマップやパンフレットが配布されているほか、ガイドボランティアによる案内も受けられます。四国のみちのコースとこうした観光名所を組み合わせた日帰りプランを組むのもおすすめです。

山地区間を含むコースは日帰り登山とセットで楽しめる

四国のみちの一部区間は山地を通るコースも多く、日帰り登山とセットで楽しむこともできます。四国には初心者でも安心して楽しめる日帰り登山の名山がいくつかあり、標高1756m級の山でも往復3時間から4時間程度のコースタイムで登れる、初心者にも挑戦しやすい山が紹介されています。四国のみちのウォーキングに慣れてきたら、こうした日帰り登山コースへステップアップしていくのも一つの楽しみ方でしょう。

遍路道と重なる区間では札所や道標に出会える

四国のみちの魅力の一つは、コースの一部が四国八十八ヶ所霊場の遍路道と重なっていることです。四国八十八ヶ所遍路道は、四国内に点在する弘法大師ゆかりの88の寺院を巡る全行程約1400kmの巡礼路で、歩き遍路であれば40日から50日を要するとされます。徳島県の霊山寺を1番札所、香川県の大窪寺を88番札所として、一般的には時計回りに四国を一周する形で結ばれています。

四国のみちを歩いていると、こうした札所や、遍路をしている人とすれ違う場面に出会うこともあります。徳島県内では、1番札所の霊山寺から遍路道の難所として知られる焼山寺へ向かう道が四国のみちのコースと重なる区間として紹介されており、香川県内でも四国八十八ヶ所の3つの札所を結ぶへんろ道をたどるコースが用意されています。四国のみちを日帰りで歩くだけでも、こうした信仰の道の雰囲気や、道中の石仏、道標といった遍路文化の一端に触れられるのは、他の一般的なウォーキングコースにはない魅力です。

服装は吸汗速乾素材の重ね着、シューズは試し歩きで確認する

四国のみちを日帰りで歩く際は、季節や区間の特性に応じた準備が欠かせません。

服装は、気温に合わせてレイヤリング(重ね着)で調整するのが基本です。綿などの天然素材は、汗をかいたときや雨に濡れたときに乾きにくく、体温が奪われる原因になるため避け、吸汗速乾性のある合成繊維の高機能ウエアを選ぶとよいとされています。特に冬場は、歩き始めは寒くても歩いているうちに体が温まってくるため、着込みすぎには注意が必要です。体が温まったらすぐに脱げ、冷えてきたらすぐに羽織れる、着脱しやすい服装を意識し、こまめに衣服内の温度を調節することが快適に歩くコツになります。

シューズは、自分の足に合ったウォーキングシューズやトレッキングシューズを選ぶことが重要です。本格的に長距離を歩く前には試し歩きをして、つま先が靴の先端に当たらないか、靴擦れをしないか、足のむくみでキツくならないか、足裏の疲れ具合はどうかを事前に確認しておくと安心できます。

持ち物用途
飲料水・行動食水分補給とエネルギー補給
雨具天候急変への備え
地図・スマートフォンコースマップの確認
タオル・日焼け止め・帽子日差しと汗への対策
常備薬体調不良時の備え
熊よけの鈴・虫よけスプレー山地を含むコースでの安心材料

天候の急変と交通アクセスの確認が注意点になる

四国のみちは基本的に一般道や遊歩道を歩くコースが多いものの、区間によっては山道や未舗装路、急な坂道を含む場所もあります。歩き始める前に、該当コースの公式マップや案内で道の状態、難易度、所要時間を確認しておくことが大切です。

天候の急変にも注意が必要です。四国は瀬戸内海側と太平洋側、山間部で気候が大きく異なるため、同じ四国のみちでもコースによって天候リスクは変わります。出発前に天気予報を確認し、雨具を必ず携行しておきたいところです。

公共交通機関を利用する場合、地方部ではバスの本数が限られていることが多いため、事前に時刻表を確認し、帰りの便を逃さないよう余裕を持った計画を立てる必要があります。車で訪れる場合も、コースの出発地点と到着地点が異なるケースがあるため、周回コースを選ぶか、公共交通機関を組み合わせて出発地点に戻る手段を考えておかなければなりません。

歩行中は水分補給と休憩をこまめに取ることを心がけましょう。初心者のうちは想定より疲労がたまりやすいため、無理をせず、途中で引き返す判断も大切です。

完歩認定は各県ごとの申請で受けられる

四国のみちには、各県ごとに用意された完歩認定の仕組みがあります。県内すべてのコースを歩き終えると、都道府県から認定証が発行される制度で、ハイカーは各コースに設定された指定の撮影ポイントで自分自身が写り込む写真を撮影し、簡単な感想とともに住所、氏名、年齢、各コースを歩いた日付を添えて、各県の担当部署に提出することで申請できます。4県すべてのコースを完歩した場合は、4県分の認定証をいずれかの県に提出することで、四国のみち全コース完歩の認定を受けられる仕組みも用意されています。

こうした認定制度は、1回で長距離を踏破するのではなく、月に1回、週末に1回といったペースで少しずつ日帰りウォーキングを積み重ねていく後押しになります。四国のみちを制覇するという長期的な目標を持つことで、日帰りウォーキングが趣味として続けやすくなるでしょう。

このほか、四国内には四国道の駅スタンプラリーのような、四国のみちとは別に道の駅を巡る企画もあり、ウォーキングの合間に道の駅へ立ち寄って四国の特産品やご当地グルメを楽しむこともできます。四国八十八ヶ所のへんろ道を歩く100kmスタンプラリーのように、四国のみちと重なる区間を歩きながら遍路文化に触れられる企画も存在します。

初心者のモデルプランは5km、平坦、2時間以内のコースから

四国のみちを初心者が日帰りで楽しむ際は、いくつかのステップでプランを立てるとよいでしょう。

まず、四国のみち公式ポータルサイトで、自宅からアクセスしやすい県やエリアのコースを検索します。距離、所要時間、難易度の条件で絞り込み、5km前後、平坦、所要時間2時間以内程度のコースを最初の1本に選ぶと無理がありません。

次に、出発地点までのアクセス方法(電車、バス、車)と、到着地点からの帰りの交通手段を確認します。往復にかかる時間も含めて、無理のない1日のスケジュールを組んでおきましょう。

当日は天気予報を確認したうえで、動きやすい服装とウォーキングシューズを準備し、飲料水、行動食、雨具、地図やスマートフォンを携行して出発します。歩行中は無理をせず、こまめに休憩を取りながら、周囲の景色や史跡、寺院を楽しみながら歩くのがよいでしょう。

コースを歩き終えたら、感想や写真を記録しておくと、次のコース選びの参考になるだけでなく、将来的に完歩認定を目指す際の記録としても役立ちます。慣れてきたら、少しずつ距離の長いコースや山地を含む難易度の高いコースに挑戦し、体力や経験に応じてステップアップしていくとよいでしょう。徳島の渦潮を望むコース、香川のため池めぐり、愛媛の県境越え、高知の仁淀ブルーなど、県ごとに異なる魅力を持つコースを巡ることで、四国全体の自然と歴史を少しずつ体感できます。

四国のみちは区間を選べば初心者でも日帰りで安心して歩ける

四国のみちは、四国4県にまたがる全長1500km超の長距離自然歩道でありながら、コースごとに細かく区切られているため、初心者でも日帰りで気軽に楽しめるウォーキングコースとして活用できます。徳島の渦潮、香川のため池とへんろ道、愛媛の県境越えの山道、高知の仁淀ブルーなど、県ごとに異なる自然、歴史、文化の魅力があり、体力やスケジュールに合わせてコースを選べる自由度の高さが最大の特長です。

初めて挑戦する場合は、公式ポータルサイトで距離、難易度、所要時間から自分に合ったコースを検索し、平坦で短いコースから始めることをおすすめします。適切な服装と持ち物を準備し、天候や交通アクセスを事前に確認したうえで無理のないペースで歩けば、四国のみちは初心者にとっても安全で魅力的な日帰りウォーキングの選択肢になるはずです。少しずつコースを歩き進め、いずれは完歩認定を目指すという長期的な楽しみ方もできる、奥行きのあるウォーキングコースといえるでしょう。

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