神奈川県横須賀市の京急馬堀海岸駅を起点に、走水地区を抜けて観音崎公園まで続く海沿いの遊歩道は、東京湾を間近に望みながら歩ける定番のウォーキングコースです。片道は数キロメートルあり、じっくり見どころを巡ると1時間半から2時間ほどかかりますが、道の大半が平坦なため初心者やファミリー層でも無理なく歩き通せます。ルート上には走水神社や明治期の砲台跡といった歴史遺構が点在し、終着点の観音埼灯台は1869年に点灯した日本最初の洋式灯台です。観音崎公園内には横須賀美術館や自然博物館、花の広場も広がっており、単なる散歩道というよりも、東京湾を望む歴史散策路と呼んだほうがしっくりきます。

うみかぜの路10キロのうち「海を楽しむ路」区間が今回のハイライト
馬堀海岸から観音崎に続く海沿いの遊歩道は、横須賀市が整備した「10,000メートルプロムナード」の一部にあたります。JR横須賀駅を起点に平成町、馬堀海岸を経て観音崎へと至る約10キロメートルの散策路で、1984年に策定された基本計画をもとに整備が進められてきました。2001年には市民公募によって「うみかぜの路」という愛称が付けられ、以降この名前で親しまれています。
うみかぜの路は3つの区間に分けられます。うみかぜ公園や海上釣り公園を含む「緑とスポーツの路」、海上釣り公園から大津港を経て馬堀海岸に至る「海辺のさんぽ路」、そして走水から観音崎公園へ向かう「海を楽しむ路」です。今回たどるのは、この「海辺のさんぽ路」の終盤から「海を楽しむ路」にかけての区間で、海の眺望と歴史的な見どころが集まった一帯にあたります。
馬堀海岸の海岸線は約1600メートルがほぼ直線
馬堀海岸の海岸線そのものは、約1,600メートルにわたってほぼ一直線に続いています。視界を遮るものが少なく、東京湾の広がりを存分に感じられる開放的な道です。道は基本的に平坦で舗装されているため、ベビーカーや車椅子でも通行しやすく、初心者や年配の方でも歩きやすいコースになっています。
起点は京急馬堀海岸駅、観音崎までのバスは約15分
このウォーキングコースの起点として使われるのは、京浜急行本線の馬堀海岸駅です。駅を出てすぐに海岸沿いの遊歩道へ入れる立地で、品川方面や横浜方面からもアクセスしやすく、電車での移動が非常にスムーズです。
ゴール地点の観音崎までは、バスも利用できます。馬堀海岸から観音崎までは約15分、横須賀駅から向かう場合はおよそ40分、浦賀駅からはおよそ15分が目安です。行きは徒歩でじっくり景色を楽しみ、帰りは疲れ具合に応じてバスに乗るという組み合わせもできるので、体力や時間に合わせて柔軟にプランを組めます。
| 出発地 | 交通手段 | 観音崎までの所要時間 |
|---|---|---|
| 馬堀海岸駅 | バス | 約15分 |
| 横須賀駅 | バス | 約40分 |
| 浦賀駅 | バス | 約15分 |
車なら観音崎公園周辺4カ所に279台収容
車で訪れる場合は、観音崎公園周辺に県営の駐車場が4カ所整備されており、合計279台を収容できます。駐車場が複数箇所に分かれているため、目的の施設に近い場所を選んで利用できるのも便利な点です。第2駐車場のトイレ脇には駐輪場もあり、自転車での来訪にも対応しています。
なお、馬堀海岸から観音崎までを歩く場合、片道の道のりは数キロメートルにおよぶため、往復すると相応の距離になります。時間や体力に余裕がない場合は、片道を徒歩、帰りをバスにするなど、無理のない計画を立てることをおすすめします。
馬堀海岸区間は「ランニングの聖地」、飲食店も充実
馬堀海岸駅を出てすぐに広がるのが、海と空が大きく開けた遊歩道です。国道16号と並行するかたちで海側に整備されており、車の往来を気にせず潮風を浴びながら歩けます。この区間は「ランニングの聖地」とも呼ばれるほど、日々多くのランナーやウォーカーが行き交っています。早朝や夕方には、富士山や房総半島のシルエットが夕日に染まる光景を目にすることもあり、写真好きにとっても魅力的な場所です。ベンチも点在しているため、途中で休憩を挟みながら海を眺めることもできます。
馬堀海岸周辺には飲食店やコンビニエンスストアも点在しており、ウォーキング前後に軽食や飲み物を調達しやすい環境が整っています。初めて訪れる人にとっては、この点だけでも安心材料になるでしょう。
大津港周辺は釣りスポットとしても人気
馬堀海岸は横須賀市大津地区の埋め立て地に位置しており、東京湾に面したこの一帯は釣りスポットとしても知られています。少し北側のうみかぜ公園や、大津港の新堤防(大津地区1号護岸遊歩道)周辺では、カサゴやタイ、アジ、キスなどが釣れることで知られ、休日には多くの釣り人が訪れます。ウォーキングコースの一部が釣りスポットと重なっているため、散歩をしながら釣り人たちの様子を眺めるのも、この海沿いエリアならではの楽しみ方です。
走水地区に残る走水低砲台跡は明治18年から19年にかけて建設
馬堀海岸遊歩道を南下すると、やがて走水(はしりみず)地区に入ります。この一帯は東京湾の入り口にあたる要衝で、明治期には首都防衛のための要塞地帯として整備されてきました。
その代表的な遺構が、旗山崎公園内に残る走水低砲台跡です。明治18年から19年(1885年から1886年)にかけて旧陸軍によって建設され、27センチカノン砲4門が据えられていました。東京湾要塞の一部として首都防衛の役割を担っていた砲台で、現在も砲座跡や弾薬庫など赤レンガ造りの構造物が公園内に残っています。公園として整備されているため、歴史遺構を間近に見ながら散策できるのも魅力です。
旗山崎と御所ヶ崎、地名は日本武尊の伝承に由来
旗山崎という地名は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の際にこの地に旗を立てたという伝承にちなむとされています。この一帯を含む岬全体は「御所ヶ崎(ごしょがさき)」とも呼ばれ、日本武尊がこの地に御所(仮の宮)を構えたという言い伝えが由来です。歴史と伝承が色濃く残るこの一帯は、景色だけでは語り尽くせない奥行きを持っています。
走水神社は弟橘媛命の入水伝承で知られる縁結びの社
走水地区を語るうえで欠かせないのが、走水神社です。日本武尊と、その妃である弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)を祀る神社で、横須賀有数のパワースポットとしても知られています。
伝承によれば、第12代景行天皇の皇子である日本武尊は、東国の反乱を鎮める東征の途上、相模国から海路で上総国(現在の千葉県側)へ渡ろうとした際、この走水の地に一時的な滞在拠点を構えたとされます。ところが船で東京湾を渡ろうとした際に激しい暴風雨に見舞われ、船が転覆しかけました。そこで妃の弟橘媛命が「私が海に入って海神の怒りを鎮めます」と身を投じたことで、荒れた海が静まり、日本武尊たちは無事に対岸へ渡ることができたと伝えられています。
数日後、弟橘媛命の櫛(くし)が海岸に流れ着き、この櫛を祀ったのが御所ヶ崎の橘神社でした。橘神社は1909年(明治42年)に走水神社に合祀され、現在の走水神社の姿になっています。こうした故事から、走水神社には夫婦円満や縁結び、海上安全のご利益があるとされ、多くの参拝者が訪れます。境内からは東京湾を望むことができ、歴史的な物語に思いを馳せながら参拝できるのも、このコースならではの体験です。
走水水源地は1876年にヴェルニーの指導で整備、1日約1000立方メートルが湧く
走水神社からほど近い場所には、走水水源地と呼ばれる歴史的な水道施設が残っています。1876年(明治9年)、横須賀製鉄所(のちの海軍工廠)への給水施設として、フランス人技師ヴェルニーの指導のもとに整備が始まったもので、日本の近代水道の先駆けの一つに数えられます。レンガ造りの貯水池やコンクリート造りの浄水池は、いずれも国の登録有形文化財に指定されているほか、日本遺産の構成文化財にも認定されており、現在も現役の水道施設として稼働しています。
この走水水源地からは、1日あたりおよそ1,000立方メートルの湧水が湧き出しており、ミネラル分を豊富に含んだ水として知られています。駐車場エリアの水飲み場では、この湧水を「ヴェルニーの水」として実際に飲むことができ、ウォーキングの合間に喉を潤すのにも向いています。
桜は3月下旬から4月上旬、100本超のソメイヨシノが見頃に
走水水源地は、桜の名所としても知られています。100本を超えるソメイヨシノなどが植えられており、3月下旬から4月上旬にかけて、東京湾を背景に桜のトンネルが見頃を迎えます。歴史ある近代化遺産と季節の花、そしておいしい湧水が、短い区間の中にいくつも詰まったスポットです。
観音崎一帯はかつて東京湾要塞、明治17年に日本初の西洋式沿岸砲台が竣工
観音崎公園を含む三浦半島東岸から房総半島にかけての一帯には、かつて東京湾要塞と呼ばれる首都防衛のための要塞網が築かれていました。明治政府が帝都東京の玄関口である東京湾を守るために整備したもので、三浦半島側と房総半島側を合わせて32もの砲台と、海上に築かれた人工島「海堡」で構成されていました。中でも観音崎に築かれた砲台群は、その先陣を切るものでした。明治9年(1876年)に用地買収が行われ、明治13年(1880年)に観音崎第一・第二砲台の建設工事が着工、明治17年(1884年)に竣工しています。西洋式の築城技術と建築資材を用いて造られた、日本で初めての沿岸砲台とされています。日清戦争や日露戦争の際には実際に戦闘配備につくこともありましたが、実戦で発砲することは一度もなかったと伝えられています。観音崎公園内に点在する砲台跡は、こうした近代日本の海防の歴史を伝える遺構で、走水低砲台跡とあわせて見学すると、この一帯がいかに軍事的な要衝であったかがよく分かります。
走水地区を抜けると、コースのハイライトである観音崎公園エリアに入ります。神奈川県立の公園で、総面積が広く、海と山の両方の魅力を併せ持つ自然豊かなエリアです。園内には砲台跡などの近代化遺産、観音崎自然博物館、横須賀美術館といった文化施設のほか、ビーチや花の名所も点在しており、一日かけてゆっくり巡りたくなるほど見どころが詰まっています。
たたら浜は初代ゴジラ上陸地、冬はニホンスイセンが見頃に
観音崎公園を代表するビーチが「たたら浜」です。透明度の高い白砂が広がる浜辺で、三浦半島の中でも屈指の美しさといわれています。夏場は海水浴や磯遊びを楽しむ家族連れで賑わうスポットで、初代ゴジラが上陸した地として設定されたことでも知られています。冬から早春にかけては、たたら浜近くの自然博物館周辺にニホンスイセンが群生し、1月中旬から2月中旬にかけて見頃を迎えます。可憐な白い花が咲き誇る光景は、海沿いの遊歩道ならではの季節の風物詩です。
観音崎自然博物館と横須賀美術館、花の広場が徒歩圏に集まる
観音崎自然博物館は、東京湾や三浦半島の自然や生き物について学べる施設で、家族連れの立ち寄りスポットとしても人気です。すぐ近くには横須賀美術館があり、海を望む開放的な建築の中で美術鑑賞を楽しめます。ウォーキングの合間に文化施設へ立ち寄れるのも、このコースが自然散策だけにとどまらない理由のひとつです。
花の広場のレイズドベッドと宿根草花壇
公園内には「花の広場」と呼ばれる、なだらかに傾斜した広い広場があります。芝生地に加えて花壇が整備されており、季節ごとの花が来園者の目を楽しませてくれます。一段高くした花壇(レイズドベッド)や、トンボや水生昆虫を観察できる池、三浦半島の海浜植物や四季の野草を楽しめる宿根草花壇、ハーブの植栽エリアなど、園芸好きにも見応えのある構成です。芝生広場でのんびり休憩したり、子どもを遊ばせたりするのにも向いたスペースです。
6月はガクアジサイが見頃、かながわの花の名所100選に選定
6月には園内各所でガクアジサイやアジサイが見頃を迎えます。ガクアジサイは「かながわの花の名所100選」にも選ばれており、梅雨の時期に散策する楽しみを提供してくれます。
バーベキュー場は年中無料・予約不要で利用できる
観音崎公園には、海水浴場を備えた観音崎園地というエリアもあり、その一角はバーベキューやデイキャンプが年中無料で楽しめる指定エリアになっています。予約は不要で、アウトドア用の器材さえ持参すれば手軽に海辺のバーベキューを楽しめるとあって、家族連れやグループの利用が目立ちます。ウォーキングのあとにそのまま食事を楽しむプランも人気です。園内で火気を使用できる場所は原則としてこのバーベキュー場に限られているため、利用の際はルールを守る必要があります。
展望台へは片道20分、東京湾を行き交う船を一望できる
園内には展望台へ続く軽いハイキングコースも用意されています。片道20分ほどの小さな山道で、東京湾を行き交うフェリーやコンテナ船、タンカーなどさまざまな船舶を高い位置から見渡せます。本格的な登山装備は不要で、子ども連れでも気軽に挑戦できる手頃さが魅力です。海沿いの遊歩道とは違う、高台からのパノラマを楽しみたい人には立ち寄る価値があります。
観音崎の地名は行基の大蛇伝承に由来、十一面観音は2019年に復元
観音崎という地名にも、興味深い伝承が残されています。741年(天平13年)、僧侶の行基がこの地を訪れた際、岬の海蝕洞窟に住み着いていた大蛇が、周辺の鵜とともに行き交う船に危害を加えていたといいます。行基はこの大蛇を鎮め、洞窟内に十一面観音(船守観音)を安置したと伝えられており、これが観音崎という地名の由来になったとされています。長らく失われていたこの観音像は、2019年(令和元年)9月に横須賀市在住の仏師の手によって復元され、現在も海蝕洞窟に安置されています。灯台や砲台跡といった近代の歴史に加えて、古代からの信仰の物語が残っているのも、観音崎という土地の奥深さです。
観音埼灯台は1869年点灯、日本最初の洋式灯台
観音崎公園、そしてこのウォーキングコース最大の見どころが、岬の先端に立つ観音埼灯台です。1869年(明治2年)に点灯した、日本で最初の洋式灯台として知られています。設計にあたったのは、西洋文化導入の先駆けとしてフランスから招かれた技師、フランソワ・レオンス・ヴェルニー(F.L.ヴェルニー)です。ヴェルニーは横須賀製鉄所(後の横須賀海軍工廠)の建設にも携わった人物で、日本の近代化に大きな足跡を残しました。
設計はヴェルニー、らせん階段の先に房総半島の眺め
観音埼灯台は現在も現役の灯台として機能しており、内部は資料館を兼ねた見学施設として一般に公開されています。らせん階段を上って灯台上部の展望スペースまで登ることができ、そこからは東京湾を行き交う大小さまざまな船舶と、天候に恵まれれば対岸の房総半島までを一望できます。東京湾の入り口という地理的な要衝に立つ灯台だけに、行き交う船の多さは他の灯台では見られない光景で、海好き、船好きには見逃せないスポットになっています。
灯台周辺の遊歩道からは、変化に富んだ岩礁を間近に眺めることができ、波の音や潮の香りとともに、岬の先端ならではの景色を味わえます。ウォーキングコースの終着点として、印象的な景観を用意してくれています。
季節ごとの見どころは冬のスイセン、6月のアジサイ、夏の海水浴
このコースは一年を通じて楽しめますが、季節ごとに異なる表情を見せてくれるのも魅力です。冬から早春にかけては、たたら浜周辺のニホンスイセンが見頃を迎え、1月中旬から2月中旬にかけて白く可憐な花が群生する様子を楽しめます。肌寒い季節ではありますが、澄んだ空気の中で歩く海沿いの道は格別の心地よさがあります。
初夏、特に6月には観音崎公園内の各所でガクアジサイやアジサイが見頃になります。梅雨時の散策であっても、花を目当てに歩く楽しみが用意されているのはうれしいところです。
夏場はたたら浜で海水浴や磯遊びを楽しむ家族連れで賑わい、遊歩道沿いも活気に包まれます。日差しが強い季節なので、日除けや水分補給の準備をして訪れるとよいでしょう。
秋から冬にかけては空気が澄み、遠くの房総半島や富士山までくっきりと見渡せる日が増えます。夕暮れ時には海が茜色に染まる夕景も美しく、写真撮影を目的に訪れる人も少なくありません。
| 時期 | 見どころ | 場所 |
|---|---|---|
| 1月中旬〜2月中旬 | ニホンスイセン | たたら浜周辺 |
| 3月下旬〜4月上旬 | ソメイヨシノ(100本超) | 走水水源地 |
| 6月 | ガクアジサイ・アジサイ | 観音崎公園内各所 |
| 夏 | 海水浴・磯遊び | たたら浜 |
| 秋〜冬 | 富士山・房総半島の眺望、夕景 | 遊歩道全域 |
歩きやすい靴と飲料水の準備で片道1時間半から2時間
馬堀海岸駅から観音崎までのウォーキングは平坦な道が多く、初心者やファミリー層でも比較的取り組みやすいコースです。ただし、観音崎公園内は起伏のあるエリアも含まれるため、砲台跡や灯台周辺を巡る場合は歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。
休憩ポイントとしては、遊歩道沿いに点在するベンチのほか、観音崎公園内の花の広場や各駐車場付近の休憩スペースが利用できます。トイレは観音崎公園周辺の県営駐車場、特に第2駐車場のものが目印になります。長丁場のウォーキングになるため、こまめな休憩とトイレの位置を事前に把握しておくと安心です。
飲食については、馬堀海岸駅周辺や観音崎公園内に飲食店や売店が点在しているため、道中で食事や軽食を調達できます。夏場は熱中症対策として飲料水を多めに持参したいところですし、冬場は海沿いということもあって体感温度が低くなりやすいため、防寒対策もしっかりしておきましょう。
歩く速度にもよりますが、馬堀海岸から観音崎まではじっくり見どころを楽しみながら歩くと、片道で1時間半から2時間ほど見ておくと余裕を持ったプランになります。史跡や公園施設に立ち寄らず海沿いをただ歩くだけならもう少し短い時間で歩き切ることも可能ですが、歴史と自然が詰まったコースなので、寄り道を楽しみながら歩くのがおすすめです。
帰路はバス利用も可能、観音崎周辺の宿泊施設は温泉付きホテルに
帰路については、体力に余裕があれば往路と同じ道を歩いて戻るのもよいですが、京急バスを利用して馬堀海岸駅や浦賀駅、横須賀駅方面へ戻ることもできます。行きは徒歩でじっくり景色を楽しみ、帰りはバスで楽をするというプランは、体力に自信のない人やファミリーでの利用にも向いています。
観音崎周辺には宿泊施設もあります。かつて日帰り温泉としても親しまれていた観音崎京急ホテルは2022年9月に営業を終了し、その跡地は共立リゾートのラビスタ横須賀観音崎テラスとしてリニューアルされ、2023年8月にプレオープンしました。天然温泉と東京湾を望む展望露天風呂はそのまま引き継がれていますが、宿泊者限定の温泉として運営されており、日帰り入浴の受け入れは行われていません。ウォーキングの締めくくりに一泊し、翌朝ゆっくり温泉と海の景色を楽しむプランを考えている場合は、事前に最新の営業形態を確認しておくと安心です。
馬堀海岸から観音崎までは寄り道しながら歩くのがおすすめ
馬堀海岸から観音崎に至る海沿いの遊歩道は、京急馬堀海岸駅からすぐにアクセスできる開放的な海岸線に始まり、明治期の砲台跡が残る旗山崎公園、日本武尊と弟橘媛命の伝承が息づく走水神社、そして東京湾に突き出た岬に広がる観音崎公園と観音埼灯台へと続く、変化に富んだコースです。
自然の景観だけでなく、明治期の近代化遺産や古代からの伝承、季節の花々、美術館や自然博物館といった文化施設まで、ひとつのコースの中に横須賀・三浦半島の歴史と自然の魅力が集まっているのが最大の特徴です。平坦で歩きやすい区間が多いため、本格的なハイキングというよりも、気軽な海沿い散歩やウォーキング、軽いランニングの舞台として親しまれています。
電車、バス、車のいずれからもアクセスしやすく、駐車場やトイレなどの設備も整っているため、初めて訪れる人でも計画を立てやすいコースです。季節ごとに違う表情を見せてくれるので、一度歩いただけでは味わい尽くせない奥深さがあります。晴れた日に東京湾を眺めながら歩く海沿いのひとときは、日常を離れてリフレッシュするのに向いた時間になるでしょう。








