大阪府吹田市の万博記念公園には、国際的な認定を受けたノルディックウォーキングコースが整備されています。2012年1月にINWA(国際ノルディックウォーキング連盟)とJNFA(日本ノルディックフィットネス協会)からアジアで初めて公認を受けたコースで、森の小道や芝生広場、四季折々の草花を眺めながら歩ける点が特徴です。1970年の大阪万博跡地に広がるこの公園は太陽の塔や日本庭園、自然文化園を抱える観光地として知られていますが、本格的なウォーキングを目的に訪れる人も少なくありません。この記事では、コースの距離設定や体験会の実績、ノルディックウォーキングという運動そのものの特徴、歩き方の基本、そしてアクセスや周辺情報までをまとめて紹介します。

万博記念公園のコースは2012年にアジアで初めて国際公認を受けた
万博記念公園のノルディックウォーキングコースは、2012年1月にINWAとJNFAの公認コースとしてアジアで初めて認定されました。国際的な団体から正式に認められたコースという点が、このコースを語るうえでまず押さえておきたい事実です。コースは森の小道、広大な芝生広場、四季折々の草花などをめぐりながら、季節ごとに移り変わる万博記念公園ならではの景色を楽しめるように設計されています。ノルディックウォーキング経験者はもちろん、ポールを使わない通常のウォーキングコースとしても利用でき、リフレッシュ目的でも健康づくり目的でも、それぞれのスタイルに合わせて歩けるのがこのコースの魅力です。
コースの距離は8kmの本格版から3km前後の短縮版まで選べる
公式情報によると、公園内には8kmの本格的なコースのほか、約3kmや3〜5km程度の短めのコースも用意されています。距離ごとの目安をまとめると、次のようになります。
| コース | 距離の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 本格コース | 約8km | ノルディックウォーキング経験者、体力に自信がある人 |
| 標準コース | 約3〜5km | 歩き方に慣れてきた人、体験会参加者 |
| 短縮コース | 約3km | 初心者、久しぶりに歩く人 |
初めてノルディックウォーキングに挑戦する人は、まず短めのコースで歩き方に慣れてから距離を伸ばしていくのがおすすめです。実際にコースを歩いたウォーキング愛好家の活動記録でも、森の中を通る小道や芝生広場を抜けるルートが紹介されており、変化に富んだ地形と景観を楽しみながら歩けることがうかがえます。舗装された遊歩道が中心のため、ノルディックウォーキング初心者やウォーキング初心者でも歩きやすいコースといえるでしょう。
2026年の体験会は6月26日から7月5日の日程で開催されました
万博記念公園では、ノルディックウォーキングを始めたい人向けに、事前申込制の体験会や講習会が定期的に開催されています。2026年は「さあ、今から始める ノルディックウォーキング」というイベントが、次の日程で行われました。
| 日程区分 | 開催日 | 申込締切 |
|---|---|---|
| 前半日程 | 6月26日(金)・27日(土)・28日(日) | 6月14日(日) |
| 後半日程 | 7月3日(金)・4日(土)・5日(日) | 7月12日(日) |
このイベントでは、JNFA公認のインストラクターによる歩き方講習を受けたあと、約3kmを歩くコースと、体をしっかり動かしながら公園内を巡る3〜5kmのコースのどちらかを選んで参加する形式が取られました。申し込みはメール(nordic.knwa@gmail.com)で受け付けられ、ポールのレンタルも用意されていたため、道具を持っていない人でも気軽に参加できる内容だったといえます。
過去に開催された体験会の情報によると、参加費は1,000円(保険料込み)で、レンタルポールを利用する場合は別途500円が必要とされていました。これとは別に自然文化園の入園料もかかります。ストラップ式で先端が斜めにカットされたポールを持っている人は持参可能ですが、初めての人にはレンタルポールの利用がすすめられていました。講習後には実際に約3kmを歩くプログラムが組まれており、座学だけでなく実践を通してノルディックウォーキングの基本を身につけられる内容だったようです。今後の開催日程や申込方法、参加費については、万博記念公園の公式サイトや一般社団法人関西ノルディックウォーキング協会の情報で確認するのが確実です。
ノルディックウォーキングは全身の8〜9割の筋肉を動かす運動
ノルディックウォーキングが注目される理由のひとつが、運動としての効率の高さです。2本の専用ポールを使って歩くのが最大の特徴で、腕や肩、体幹など上半身の筋肉もしっかり使いながら歩けるため、通常のウォーキングに比べて全身運動としての強度が上がるといわれています。次の表は、通常のウォーキングとの違いをまとめたものです。
| 項目 | 通常のウォーキング | ノルディックウォーキング |
|---|---|---|
| 使う筋肉 | 主に下半身中心 | 全身の80〜90%程度 |
| 消費カロリー | 基準 | 通常より20〜40%多いとされる |
| 使う道具 | なし | 専用ポール2本 |
両手にポールを持って歩くことで、下半身だけでなく腕や肩、背中、体幹といった上半身の筋肉もしっかり使われるため、効率よく全身を動かせるのが特徴です。ポールが体を支える働きをするため、膝や腰への負担を抑えながら歩きやすく、リハビリテーションの現場でも取り入れられています。上半身をしっかり動かすことで肩甲骨まわりを大きく動かしやすくなり、デスクワークで凝り固まりやすい体を伸ばしたい人にも向いている運動だといえるでしょう。年齢や性別、運動経験を問わず誰でも気軽に始められる点も、この運動が世界40カ国以上、約1,000万人に親しまれているといわれる理由のひとつです。
基本の歩き方はポールを後方へ押し出すタイミングがポイント
ノルディックウォーキングの基本的な歩き方は、通常のウォーキングにポールの動きを組み合わせたものです。まず、踏み出した足と逆の手のポールを軽く地面につきます。このとき、肘はなるべく曲げずに伸ばした角度を保つように意識するのがポイントです。次に、体を前方へ移動させると同時に、ポールをしっかり地面に突き立てて後方へ押し出します。押し出した側のポールが体の脇を過ぎたタイミングで後ろの手をグリップから離すようにすると、自然な腕の振りとリズムでウォーキングを続けられます。この一連の動作を繰り返すことで、腕や肩、体幹の筋肉を使いながら効率よく前進できるのが、ノルディックウォーキングならではの歩き方です。慣れないうちはポールに頼りすぎてしまう人も多いので、体験会でインストラクターの動きを直接見ながら覚えるのが近道でしょう。
ポール選びは固定式と調節式の2種類から
ポール選びも重要なポイントです。ノルディックウォーキング用ポールには、長さがあらかじめ固定されているタイプと、長さを調節できるタイプの2種類があります。固定式のポールは丈夫で安定感があり、比較的軽量であることが利点です。一方、調節式のポールは複数人で使い回せたり、コンパクトに折りたためて持ち運びしやすいというメリットがあります。初めて購入する場合は、体験会でレンタルポールを試してから自分に合ったタイプを選ぶとよいでしょう。万博記念公園の体験会でもレンタルポールが用意されているため、道具を持っていない初心者でも本格的なノルディックウォーキングを体験できます。
アクセスは大阪モノレール万博記念公園駅から徒歩5分
万博記念公園へのアクセスは、大阪モノレール「万博記念公園駅」で下車し、徒歩約5分という好立地です。公共交通機関で気軽にアクセスできる点も、多くの人がノルディックウォーキングコースを利用しやすい理由のひとつといえます。車を使わずに訪れられる立地は、ウォーキング後に体を休めたい人にとってもありがたいポイントです。
開園時間は9時30分から17時、休園日は毎週水曜日が基本
開園時間は9時30分から17時までで、入園は16時30分までとなっています。ただし、イベントの開催状況などによって開園時間が変更になる場合があるため、訪問前には公式サイトで最新情報を確認するのが安心です。休園日は毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は直後の平日が休園)と年末年始が基本ですが、4月1日から5月2日まで、および10月・11月は無休で営業しています。行楽シーズンにあわせて休園日が変わる点は覚えておくとよいでしょう。
入園料については、2026年4月1日に自然文化園・日本庭園共通の入園料が改定されました。小人料金は無料となっていますが、具体的な金額は変更される可能性があるため、訪問前に公式サイトで最新の料金を確認することをおすすめします。ノルディックウォーキングコースは自然文化園エリア内にあるため、コースを利用する際には別途入園料が必要になる点にも注意しておきましょう。
太陽の塔や日本庭園もあわせて楽しめる
ノルディックウォーキングコースを歩いたあとは、万博記念公園ならではの観光スポットもあわせて楽しむのがおすすめです。園内のシンボルである「太陽の塔」は、1970年の大阪万博テーマ館の一部として建てられたモニュメントで、今も多くの来園者を集めています。自然文化園には、森の中を歩ける空中観察路「ソラード」や、春には菜の花やポピー、カモミールが咲き、秋にはコスモスが一面に広がる「花の丘」など、季節ごとに異なる表情を見せるスポットが点在しています。
日本庭園も見逃せないエリアです。国の文化審議会において造園文化の発展に寄与した意義深い事例として評価され、2024年10月11日に国登録記念物(名勝地関係)として文化財登録されました。歴史と自然が調和した庭園の風景は、ノルディックウォーキングとはまた違った静かな時間を過ごすのにぴったりです。
園内は非常に広大なため、歩きやすい靴で訪れることが強く推奨されています。ノルディックウォーキングコースを歩く際はもちろん、それ以外の散策でも歩きやすい服装と靴を準備しておくと安心です。体力に自信がない場合は、園内を走る「森のトレイン」やパークタクシーなどの移動手段を活用しながら、効率よく園内をめぐるのもひとつの方法でしょう。
桜からコスモスまで四季で変わる園内の風景
万博記念公園のノルディックウォーキングコースの魅力は、歩くたびに違った表情を見せてくれる四季の風景にもあります。園内の桜は「日本さくらの名所100選」にも選ばれており、12種・5,500本ともいわれる桜が春になると咲き誇ります。初夏にかけてはバラや花しょうぶ、あじさいなども見頃を迎え、彩り豊かな景色の中を歩けます。秋には「花の丘」で8品種・30万本ものコスモスが咲き広がり、「コスモスの丘」と呼ばれるほどの景観に変わるほか、コキアの紅葉も楽しめます。平和のバラ園では秋バラも見どころのひとつです。同じコースであっても、訪れる季節によってまったく異なる景色を楽しめるのは、広大な敷地を持つ万博記念公園ならではの魅力といえます。ノルディックウォーキングで定期的に訪れることで、四季折々の変化を体感しながら継続的に体を動かせる点も、このコースが長く愛されている理由のひとつでしょう。
夏場のウォーキングは水分と塩分の補給が基本の対策
屋外でノルディックウォーキングを楽しむ際は、季節や気温に応じた服装選びと体調管理が欠かせません。ノルディックウォーキングの服装は基本的な一般のウォーキングウェアと同様で構いませんが、屋外は気温が大きく変化することもあるため、脱ぎ着しやすいアイテムを選んでおくと安心です。春先はウィンドブレーカーなど体温調節がしやすい上着を持参し、汗をかきやすい夏場は速乾性・通気性・防臭性に優れたウェアが重宝します。
特に気温が高い時期にコースを歩く場合は、暑さへの備えを十分に行うことが大切です。軽装を心がけ、吸湿性や通気性のよい素材を選び、直射日光の下では色の濃い服を避けて帽子を着用するのが基本とされています。首元を冷やすネッククーラーなどのグッズを活用するのもおすすめです。体調に異変を感じた場合は、無理をせずすぐにウォーキングを中断し、日陰など涼しい場所に移動して衣服をゆるめ、水分と塩分を補給しながら首や脇の下、足の付け根を冷やして体を休めることが重要です。万博記念公園のように広い園内を歩く際は、途中に休憩できるカフェやベンチも多いため、無理のないペースでこまめに休憩を取りながら歩くとよいでしょう。
駐車場は3カ所、ウォーキング後は園内カフェで休憩できる
車で訪れる場合、万博記念公園には日本庭園前駐車場、中央駐車場、東駐車場など複数の駐車場が用意されています。ノルディックウォーキングコースを利用する際の入園口に近い駐車場を事前に確認しておくと、当日の移動がスムーズです。駐車料金は時期やイベントの有無によって変わることがあるため、訪問前に公式サイトで最新情報をチェックしておくと安心です。
ウォーキングのあとに立ち寄れる園内の飲食施設も充実しています。万博記念公園のシンボルである4つの顔にちなんだオリジナルピッツァが楽しめる薪窯ピッツァ・カフェ「NORTH GARDEN(ノースガーデン)」をはじめ、「レストランParkCafe」や「森の洋食 グリルみんぱく」など、ウォーキング後の休憩にぴったりの施設が点在しています。また、万博記念公園中央口の前には、北摂・箕面エリアに本店を構える癒し系カフェもオープンしており、園内外どちらでも食事や休憩の選択肢が豊富に用意されています。ノルディックウォーキングで汗をかいたあとに、こうしたカフェやレストランで一息つくのもおすすめの過ごし方です。
ノルディックウォーキングの起源は1930年代のスキー選手の夏トレーニング
ノルディックウォーキングの起源は1930年代初め、フィンランドのクロスカントリースキーチームが夏場のオフシーズンに行っていたテクニックトレーニングにさかのぼるといわれています。その後1990年代に入り、ポールを持って歩くことによる身体的な作用について、フィンランド国内で研究や試験が活発に行われるようになりました。1996年には、フィンランドスポーツ研究所、スポーツ用品メーカーのエクセル社、そしてフィンランドのアウトドア協会であるスオメン・ラトゥの共同事業として、このエクササイズが一般の人々にも広く紹介され、翌1997年に正式なスポーツとして確立されました。
日本国内では、NPO法人日本ノルディックフィットネス協会(JNFA)が普及の中心的な役割を担っています。JNFAはインストラクターの養成をはじめ、体験会やイベントへのポールのレンタル、インストラクターの派遣、そして国内でノルディックウォーキングに適したコースを公認コースとして認定する活動などを行っています。ノルディックウォーキングを中心としたポールを使うスポーツは総称して「ノルディックフィットネススポーツ」とも呼ばれ、雪上で行うノルディックフィットネススキーイングやスノーシューイングなど、季節を問わず楽しめる派生スポーツも存在します。万博記念公園のコースは、こうした国内のノルディックウォーキング普及の歴史のなかでも、アジア初の国際公認コースという象徴的な存在として位置づけられています。
万博記念公園でノルディックウォーキングを始めるなら体験会の情報を追う
万博記念公園のノルディックウォーキングコースは、2012年にアジアで初めてINWAとJNFAの公認を受けた由緒あるコースで、森の小道や芝生広場、四季折々の草花を楽しみながら本格的なノルディックウォーキングを体験できる場所です。8kmの本格コースから3〜5km程度の短めのコースまで距離のバリエーションがあり、初心者からウォーキング上級者まで幅広く利用できます。2026年は「さあ、今から始める ノルディックウォーキング」という事前申込制の体験会が6月末から7月上旬にかけて開催され、JNFA公認インストラクターの講習を受けながら実際にコースを歩く内容になっていました。ポールのレンタルも用意されていたため、道具を持っていない人でも参加しやすいイベントだったといえるでしょう。
ノルディックウォーキング自体も、通常のウォーキングより多くのカロリーを消費し、全身の大部分の筋肉を動かせる運動として知られています。姿勢を意識しやすくなるほか、年齢や運動経験を問わず始めやすい点も人気の理由のひとつです。大阪モノレール「万博記念公園駅」から徒歩約5分とアクセスも良好なので、太陽の塔や日本庭園、自然文化園といった万博記念公園ならではの観光もあわせて楽しみながら、健康づくりの一環としてノルディックウォーキングに挑戦してみるのもよいのではないでしょうか。訪問の際は、開園時間や休園日、入園料、そして次回の体験会の開催日程について、必ず公式サイトで事前に確認しておきましょう。








