小倉緑道から鶴見川、夢見ヶ崎動物公園への3.5キロ散策コース

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川崎市幸区にある小倉緑道は、鶴見川沿いの水辺を抜けて夢見ヶ崎動物公園まで歩けるウォーキングコースの起点として案内されています。全長はおよそ3.5キロメートル、所要時間は2時間ほどで、川崎市が公開している「さいわい散歩道 コース6」のモデルルートにも採用されています。かつて農業用のため池だった小倉池の跡地に整備された緑道から、矢上川と鶴見川が合流する鷹野大橋を経て、入園無料で50種近い動物に会える丘の上の動物公園まで、性格の異なる3つの風景を一度に楽しめるのがこのコースの特徴です。新川崎駅や鹿島田駅から歩いて向かえる距離にあり、電車だけで日帰り散策ができる点も見逃せません。小倉緑道の成り立ちや鶴見川沿いの見どころ、夢見ヶ崎動物公園の楽しみ方、そして実際に歩く際のモデルコースやアクセス方法を、このあと具体的に紹介します。

目次

小倉緑道は昭和27年に埋め立てられた小倉池の跡地に整備されました

小倉緑道は、川崎市幸区小倉に位置する緑道です。現在の小倉小学校の周辺には、かつて「小倉池」という農業用のため池がありました。都市化にともない、小倉池は1952年(昭和27年)に埋め立てられています。埋め立て後も池の記憶を残すため南端には記念碑が建てられ、今もその碑を訪ねればここに池があったことをたどれます。

小倉池は、江戸時代に整備された二ヶ領用水とつながり「小倉用水池」として利用されてきました。用水路そのものは1977年(昭和52年)に暗渠化されており、現在は加瀬水処理センターへ向かう下水道幹線として地下でその役目を続けています。地上に残る緑道は水路の跡地に生まれた散歩道といえるでしょう。住宅街の中を蛇行するように伸びる線形には、かつての池や水路の名残がうかがえます。

現在の小倉地区は多摩川と鶴見川に挟まれた幸区の中でも比較的広く、宅地化が進む一方、鶴見川沿いには小倉市民農園として利用される生産緑地地区が残っています。緑道沿いには小倉なかよし公園、小倉緑地、小倉北公園といった公園が点在し、地域の散歩やジョギング、子どもの遊び場として使われています。花壇が整備された「小倉緑道ガーデン」もあり、季節の花を眺めながら歩けるのもこの緑道らしい魅力です。

二ヶ領用水とつながっていた小倉用水池としての歴史

小倉緑道の起点を語るうえで欠かせないのが、その源流にあたる二ヶ領用水です。二ヶ領用水は神奈川県内で最も古い人工用水路のひとつで、宿河原の支流を含めた全長は約32キロメートルにおよびます。江戸時代、この地域一帯が「川崎領」と「稲毛領」というふたつの領地にまたがっていたことから、二ヶ領用水と名付けられました。徳川家康の命を受けた代官の小泉次大夫が治水と新田開発を目的として1597年(慶長2年)に測量を始め、周辺の農民たちの協力のもと14年の歳月をかけて1611年(慶長16年)に完成させたと伝えられています。

この用水は稲毛領37村、川崎領23村、合計60もの村々を潤し、地域の稲作を大きく発展させました。稲毛地区で収穫された米は「稲毛米」と呼ばれ、三代将軍の徳川家光が鷹狩りの際に口にして以来、将軍家にも献上される名産品になったという言い伝えも残っています。小倉緑道の起点となった小倉池も、この二ヶ領用水とつながることで「小倉用水池」として機能し、周辺の農地を長く支えてきました。現在は宅地化にともない農業用水としての役割はほとんど失われていますが、歴史的な価値が認められ、2020年(令和2年)3月10日には国の登録記念物に登録されています。緑道を歩きながら、400年以上前の治水事業の記憶に思いをはせるのも、このコースならではの楽しみ方でしょう。

鶴見川は町田市を水源とし東京湾に注ぐ全長42.5キロの一級河川です

鶴見川は、東京都町田市北部を水源とし、恩田川、早淵川、大熊川といった支流を集めながら町田市から川崎市、横浜市を経て東京湾へ注ぐ一級河川です。本川の延長は約42.5キロメートル、流域面積は約235平方キロメートルにおよび、首都圏を代表する都市河川のひとつに数えられます。かつては水質汚濁が社会問題となった時期もありましたが、下水道整備や流域市民による環境保全活動が進んだことで、現在は水辺の生き物が戻り、川沿いの遊歩道が散策やランニングのコースとして親しまれるところまで環境が改善されてきました。

小倉緑道周辺を流れる鶴見川の区間は、川崎市幸区と横浜市港北区・鶴見区の市境にも近く、対岸を含めて散策路がほぼ連続的に整備されているため、徒歩でも自転車でも歩きやすい区間です。川沿いには加瀬水処理センターがあり、1973年(昭和48年)11月から運転を開始した下水処理施設で、多摩川と矢上川・鶴見川に挟まれた幸区、中原区、高津区・宮前区の一部を処理区域としています。処理水を放流する川沿いには遊歩道が整備され、季節ごとの植栽とあわせて散策のアクセントになっています。

鶴見川流域は桜の名所も多く、支流の恩田川沿いなどには本数の多いソメイヨシノの桜並木が知られていますが、小倉緑道から鷹野大橋にかけての鶴見川本川沿いにも桜の木が点在し、春先には花を楽しみながら歩くウォーカーの姿が見られます。川沿いはフラットな道が多く、ベビーカーや車椅子でも歩きやすい区間が続くため、家族連れの散歩コースとしても人気があります。

鷹野大橋は矢上川と鶴見川が合流し富士山も望めるビュースポット

鶴見川本川と支流の矢上川が合流する地点には「鷹野大橋」が架かっています。この橋は矢上川と鶴見川、双方の流れを一望できるビュースポットで、晴れた日には遠く富士山を望むこともできます。橋の名前は、江戸時代に将軍が鷹狩りを行った際に利用されたことに由来すると伝えられているそうです。冬は空気が乾燥して視界が良くなるため、鷹野大橋からの富士山の眺望が特に楽しみやすい時期でもあります。

夢見ヶ崎動物公園は入園無料で50種近い動物と出会える丘の上の公園です

小倉緑道からのウォーキングコースの目的地として、もっとも人気が高いのが夢見ヶ崎動物公園です。川崎市幸区南加瀬にある市営の動物公園で、標高約30メートルほどの小高い丘「加瀬山」の上に位置しています。最大の特徴は入園無料でありながら年中無休、開園時間は9時から16時までという利用しやすさで、約50種類もの動物を間近で観察できる点にあります。

飼育されている動物のなかでも人気が高いのはレッサーパンダで、夫婦仲良く過ごす姿がメディアに取り上げられることも多い動物です。ほかにも、国内では飼育例の少ないハートマンヤマシマウマ、大きくねじれた角が特徴のマーコール、水辺の生き物としてフンボルトペンギンやチリーフラミンゴといった動物たちが飼育されており、狭いながらも密度の濃い展示が楽しめます。園内は一周してもおよそ1時間程度で回れるコンパクトさで、動物園としての規模は大きくないものの、無料とは思えないラインナップが評価されています。

加瀬山に残る古墳群と4つの神社仏閣が動物公園に同居

夢見ヶ崎動物公園のもうひとつの見どころは、園内に点在する史跡と社寺です。加瀬山一帯には「加瀬山古墳群(夢見ヶ崎古墳群)」と呼ばれる古墳が複数残されており、古代からこの丘が地域における特別な場所であったことをうかがわせます。園内には天照皇大神、熊野神社、浅間神社、了源寺といった神社仏閣が集まっており、ひとつの動物公園の敷地内にこれだけ多くの信仰の場が共存している例は全国的にも珍しいといえるでしょう。入口付近の鳥小屋の近くには天照皇大神が、ラマの飼育スペースの近くには熊野神社と浅間神社が隣接して建っており、動物観察とあわせて歴史散策も楽しめる構成になっています。駐車場側には広場が設けられており、春には桜が咲くため、花見を目当てに訪れる来園者で賑わうことでも知られています。

加瀬山は幸区西部の市街地に囲まれながらも、標高35メートルほどの自然林が今なお残る小高い丘で、古くは加瀬台古墳群と呼ばれる古墳群が築かれた場所でもありました。現在確認されている古墳は7基におよび、なかでも加瀬山古墳(別名・白山古墳)は全長87メートルの前方後円墳であったことが知られています。動物公園としての整備は1950年(昭和25年)ごろから進められ、川崎市が政令指定都市に移行した記念事業として1972年(昭和47年)11月22日に正式に開園しました。半世紀以上にわたって地域住民に親しまれてきた公園であり、古墳時代から中世の言い伝え、そして現代の動物公園まで、ひとつの丘に幾重もの時代の記憶が積み重なっています。

「夢見ヶ崎」の地名は太田道灌が築城を断念した言い伝えに由来します

夢見ヶ崎動物公園が建つ加瀬山には、その名の由来にまつわる興味深い言い伝えが残されています。室町時代の武将で江戸城を築いたことで知られる太田道灌が、かつてこの丘に築城を考えたことがあったそうです。ところがある夜、道灌は不思議な夢を見ました。一羽の鷲が自分のかぶとの上に飛んできて、それをくわえたまま遠くへ飛び去っていくという内容だったといいます。道灌はこれを不吉な前兆と受け止め、この地への築城を断念したと伝えられています。「夢を見て築城をあきらめた丘」という故事から、いつしかこの一帯は「夢見ヶ崎」と呼ばれるようになったそうです。動物公園を訪れた際には、こうした言い伝えに思いをはせながら丘を歩いてみると、動物観賞とは違った趣を感じられるはずです。

新川崎駅から徒歩15分、4通りのルートが用意されたアクセス

夢見ヶ崎動物公園の最寄り駅はJR横須賀線・湘南新宿ラインが停車する新川崎駅で、駅から徒歩でおよそ15分の距離にあります。もうひとつの最寄り駅としてJR南武線・京浜東北線の鹿島田駅もあり、こちらからは徒歩約20分ほどが目安です。新川崎駅から動物公園へ向かう徒歩ルートは、案内板の整備された4通りが用意されており、それぞれ道のりや景観が異なります。

ルート名特徴
おしみず坂コース階段がなくベビーカーでも歩きやすい
富士見コース案内板が整備され富士見の眺めを楽しめる
七曲りコース階段区間を含む
百段階段コース階段区間を含む

七曲りコースと百段階段コースには階段区間があるため、ベビーカーでの利用にはおしみず坂コースなど階段のないルートを選ぶのが無難です。道中には「JR貨物新鶴見機関区」があり、役目を終えた機関車が並ぶ様子を見られるのも、鉄道好きには嬉しいポイントになっています。

バスや車でのアクセスは、次のとおりです。

手段起点・経路所要時間の目安
電車(新川崎駅)JR横須賀線・湘南新宿ライン徒歩約15分
電車(鹿島田駅)JR南武線・京浜東北線徒歩約20分
バスJR川崎駅西口から市バス約15分乗車後、徒歩約7分
無料駐車場(19台、9時から16時)

バスを利用する場合は、JR川崎駅西口から市バスで約15分、「夢見ヶ崎動物公園前」バス停で下車し、そこから徒歩約7分で到着します。車で訪れる場合は無料駐車場が用意されていますが、収容台数は19台とそれほど多くなく、開園時間にあわせて9時から16時のみ利用可能です。休日など混雑が予想される時間帯は、早めの到着か公共交通機関の利用がすすめられます。

さいわい散歩道コース6は全長3.5キロ・所要2時間のモデルコース

川崎市が公開している「さいわい散歩道」には、小倉緑道と鶴見川、夢見ヶ崎動物公園をひとつながりに楽しめるモデルコースとして「コース6 矢上川・鶴見川を通り小倉緑道へ」が案内されています。全長は約3.5キロメートル、所要時間の目安は2時間で、ウォーキング初心者やファミリーでも無理なく歩ける距離感です。

コースの流れは、北加瀬エリアからスタートし、まず矢上川沿いを歩きます。矢上川は全長約14キロメートルの河川で、かつて現在の菅生緑地に湧き出ていた「シミズカシラ」を水源とし、有馬川・江川・渋川といった細流を集めながら南加瀬付近で鶴見川に合流します。矢上川沿いを進むと加瀬水処理センターの脇を通過し、矢上川と鶴見川が合流する地点にかかる鷹野大橋へと至ります。ここで鶴見川本川に合流し、川沿いの遊歩道を歩きながら小倉緑道方面へと向かいます。小倉緑道に入ってからは、花壇が整備された小倉緑道ガーデンを通り、最後に夢見ヶ崎動物公園前に到着するというルートです。

このコースの魅力は、住宅地・川沿い・緑道・丘の上の公園という異なる表情の風景を一度に楽しめる点にあります。水辺ではカモなどの野鳥や、季節によっては桜や河川敷の草花を観察でき、緑道に入ると住宅街の中にありながら落ち着いた緑陰の雰囲気を味わえます。ゴールの夢見ヶ崎動物公園では、歩いた疲れを動物たちとの触れ合いで癒やしつつ、無料で1時間程度の観覧を楽しめるため、ウォーキングとレジャーを一度に満喫できる構成になっています。

春は桜、夏は木陰、冬は富士山と季節ごとに違う表情を見せます

このエリアのウォーキングコースは、四季を通じてそれぞれ異なる表情を見せてくれます。春には鶴見川沿いや夢見ヶ崎動物公園の桜が見頃を迎え、動物公園の駐車場側の広場は花見客で賑わいます。小倉緑道ガーデンでも季節の花が植えられており、幸区の花クラブや「さいわい加瀬山グループ」といった地域ボランティアが、近隣の学校とも協力しながら花壇の手入れや植栽活動を行っています。こうした活動によって、緑道沿いは一年を通じて手入れの行き届いた景観が保たれています。

夏場は木々の緑が濃くなり、緑道の木陰が心地よい日陰を作ってくれるため、比較的涼しく歩ける区間として利用されることが多いようです。鶴見川沿いは開けた場所も多いため、日差しの強い時間帯を避けて朝や夕方に歩くのがおすすめです。秋は紅葉こそ桜ほどの規模ではありませんが、川沿いの草木が色づき、澄んだ空気の中でのウォーキングに適した季節になります。動物公園も年中無休のため、季節を問わずいつでも気軽に立ち寄れるのがこのエリアの強みです。

増水時の迂回や駐車場19台など歩く前に知っておきたい注意点

小倉緑道から鶴見川沿い、夢見ヶ崎動物公園に至るコースは全体としてアップダウンの少ないルートですが、動物公園そのものは丘の上にあるため、最後に坂道や階段を上る区間が含まれます。特に新川崎駅から動物公園へ向かう七曲りコース、百段階段コースには階段があり、ベビーカーや車椅子での通行には向かないため、事前にルートを選んで計画するとよいでしょう。

鶴見川沿いや矢上川沿いの遊歩道は、増水時には冠水することもあるため、大雨の後や台風接近時は無理に川沿いを歩かず、迂回路を利用するなど安全面への配慮が必要です。動物公園の駐車場は台数が19台と限られているため、車で訪れる場合は休日の混雑に注意し、時間に余裕を持って向かうか、公共交通機関の利用を検討したいところです。動物公園の開園時間は9時から16時までとなっているため、ウォーキングの最終目的地として動物公園を組み込む場合は、到着時間が16時を過ぎないよう逆算してスタート時刻を決めるのがポイントです。

全体を通してフラットな道が多く、歩数にして5000歩から7000歩程度、時間にして2時間前後のコースであるため、普段運動不足を感じている人のリフレッシュ散歩としても取り組みやすい距離感といえるでしょう。

歩くときの服装と持ち物は歩きやすい靴と飲み物が基本です

このコースは全体的にフラットな道が多いとはいえ、夢見ヶ崎動物公園は丘の上に位置するため、最後にはゆるやかな上り坂または階段を歩くことになります。歩きやすいスニーカーやウォーキングシューズを選び、季節に応じて日差し対策の帽子や日焼け止め、冬場は防寒具を用意しておくと快適に歩けます。水分補給用の飲み物は必須で、夏場は熱中症対策として多めに持参したいところです。

カメラやスマートフォンは、鶴見川沿いの野鳥や桜、動物公園内の動物たちを撮影する場面が多くなるため、バッテリー残量にも余裕を持たせておくとよいでしょう。双眼鏡があれば、野鳥観察の楽しみが一段と広がります。川沿いや緑道にはベンチが点在しているため、休憩を挟みながらゆっくり歩くことができ、動物公園内にもベンチや休憩スペースが充実しているため、軽食を持参してちょっとしたピクニック気分を味わうのもよい過ごし方です。ペットを連れての散歩を楽しむ人の姿も多く見られますが、動物公園内へのペットの同伴については施設のルールを確認しておくと安心です。

カワセミやオオタカにも出会える鶴見川の野鳥観察

鶴見川は、かつて汚染や水害が深刻だった時期を経て、流域の防災・環境保全に取り組む人々の長年の努力によって、都会の中とは思えないほど豊かな生態系を取り戻した川として知られています。河川敷の土手には、美しい瑠璃色の羽を持つカワセミが巣穴を掘って子育てをする姿が見られ、川底のコケを餌にして育つアユや、近年は個体数の減少が心配される絶滅危惧種のニホンウナギも生息が確認されています。バードウォッチングの対象としても人気が高く、カルガモ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、ゴイサギといった水辺の鳥に加え、冬場には北国から飛来したカモの仲間が羽を休める姿を観察できます。こうした小動物や鳥を狙って、生態系の頂点に立つ猛禽類のオオタカが狩りをする様子が見られることもあり、都市河川でありながら食物連鎖の一端まで垣間見える貴重なフィールドになっています。

小倉緑道から鷹野大橋、鶴見川本川へと続く区間は、水鳥が羽を休めやすい緩やかな流れとなっている場所も多く、双眼鏡を片手にゆっくり歩けば、季節ごとに異なる野鳥の姿に出会える可能性が高いでしょう。ウォーキングやジョギングが目的でなくとも、カメラを持って野鳥観察をしながら散策するというスタイルも、このエリアならではの楽しみ方のひとつです。子ども連れであれば、川で暮らす生き物を実際に観察しながら自然の仕組みを学ぶ、ちょっとした自然観察会のような体験にもなるでしょう。

訪れた人の声は無料でレッサーパンダに会える満足度の高さに集まります

夢見ヶ崎動物公園を実際に訪れた人々の声には、共通していくつかの評価が挙がっています。まず多くの人が挙げるのが、無料でこれだけの動物を見られるありがたさです。現在は47種ほどの動物が飼育されており、入園料なしでレッサーパンダやフラミンゴ、ハートマンヤマシマウマといった動物を間近に観察できる満足度の高さが評価されています。

施設面についても、園内が丁寧に整備されており、休憩できるベンチが随所に配置されている点や、トイレが清潔で使いやすい点を挙げる声が多いようです。敷地はそれほど広大ではないため、小さな子ども連れでも無理なく一周でき、広すぎず回りやすかったという感想も見られます。季節によって表情が変わるのも魅力で、春の桜だけでなく秋には紅葉が美しいと評判で、豊かな緑に包まれた落ち着いた雰囲気を楽しみに、季節を変えて何度も訪れるリピーターも多いそうです。入り口付近にはアライグマの姿を見ることができ、来園者を迎える人気者としても親しまれています。動物園としての規模はコンパクトながら、古墳や神社仏閣といった歴史的な要素まで含めて散策できる密度の濃さが、口コミでも評価につながっている理由といえるでしょう。

新川崎・創造のもりと今も残る小倉市民農園

小倉緑道や夢見ヶ崎動物公園からもほど近い新川崎駅周辺には、「新川崎・創造のもり」と呼ばれる研究開発拠点が広がっています。ここはかつて新鶴見操車場として使われていた広大な鉄道用地の跡地を再開発したエリアで、ベンチャー企業や大学の先端研究施設が集まる、川崎市が推進する産学連携の中核地区です。具体的には、慶應義塾大学の先導的研究施設「K2タウンキャンパス」、ベンチャー企業などが入居するインキュベーション施設「かわさき新産業創造センター(KBIC)」、クリーンルームを備えた「ナノ・マイクロ産学官共同研究施設(NANOBIC)」、そして2019年1月に開設された産学交流・研究開発施設「AIRBIC」などが立地しています。ウォーキングの道中でこうした研究施設が並ぶ様子を眺めながら歩けるのも、都市近郊ならではの体験でしょう。

一方で、小倉地区には今も鶴見川沿いに「小倉市民農園」として利用される生産緑地が点在しており、都市化が進んだエリアの中に今なお農地としての土地利用が残されていることがわかります。かつて小倉池や小倉用水が地域の農業を支えてきた歴史を思えば、現在の市民農園はその記憶を今に伝える存在ともいえます。ビルや住宅が立ち並ぶ都市部と、水田や畑が残る農的な風景、そして緑道や動物公園の自然が、狭いエリアの中に凝縮されているのが小倉から夢見ヶ崎にかけての大きな特徴で、歩くたびに新しい発見があるコースになっています。

鶴見川多目的遊水地は貯水量390万立方メートルの治水施設

鶴見川は都市部を流れる川であるため、大雨のたびに水害のリスクと向き合ってきた歴史を持っています。その対策として整備されたのが、下流の横浜市港北区小机町・鳥山町に広がる鶴見川多目的遊水地です。新横浜公園の敷地を活用したこの遊水地は面積84ヘクタール、総貯水量390万立方メートルという規模を誇り、1985年(昭和60年)に着工、2003年(平成15年)6月から運用が始まりました。大雨で鶴見川の水位が上昇した際に一時的に水を貯め込み、下流域の氾濫を防ぐ役割を担っています。

遊水地に隣接する鶴見川流域センターでは、鶴見川流域の治水・防災・自然環境・歴史について学べる展示が用意されています。流域を立体的に表現した3D地図や、床一面に広がる衛星写真、川に暮らす生き物を紹介する「鶴見川水族館」などがあり、餌やり体験といった参加型のプログラムも実施されています。開館時間は10時から17時まで、火曜日を除く週6日開館です。小倉緑道や夢見ヶ崎動物公園から少し足を延ばす必要はありますが、鶴見川という一本の川が、上流の水辺の風景から下流の大規模な治水施設まで実にさまざまな顔を持っていることを知ると、日々歩いている川沿いの散策路の見え方も変わってくるはずです。都市の中を流れる川が、景観としてだけでなく地域の暮らしと安全を支えるインフラとして機能していることを実感できる、学びの多いエリアでもあります。

鶴見川は往復85キロにもなるサイクリングロードとしても親しまれています

小倉緑道から鶴見川、夢見ヶ崎動物公園へと至るコースはウォーキング向けとして紹介しましたが、鶴見川そのものは源流から河口までサイクリングロードやランニングコースとして走破できることでも知られている川です。鶴見川の全長は約42.5キロメートルで、源流から河口までを往復すると85キロから90キロほどの距離になる本格的なサイクリングコースとしても人気があります。下流域では京浜工業地帯や港の風景、鶴見つばさ橋といった建造物を眺めながら走ることができ、舗装状態の良い区間と貝殻混じりの未舗装区間が入り混じる変化に富んだ道のりが特徴です。中流域にあたる新横浜周辺ではサイクリングロードの状態が良く、橋の下をくぐるアンダーパスが多いため信号待ちが少なく、スムーズに走行できるという声も多いようです。

小倉緑道や夢見ヶ崎動物公園につながる区間は、こうした鶴見川ロングコースのごく一部にあたりますが、川沿いの遊歩道は舗装が整っているため、ウォーキングだけでなく軽いジョギングやランニングを楽しむ地元住民の姿も多く見られます。5キロ程度の短い距離から気軽に走れる区間もあり、体力や目的に応じてウォーキング、ジョギング、サイクリングと使い分けられる懐の深さも、鶴見川という川の魅力のひとつになっています。

小倉緑道から夢見ヶ崎動物公園までは2時間ほどで歩き切れます

小倉緑道、鶴見川、夢見ヶ崎動物公園という3つのスポットを組み合わせたウォーキングコースは、都市の中にありながら水辺・緑道・丘の上の公園という多様な自然環境を一度に体験できる、川崎市幸区ならではの散策ルートです。かつてのため池の記憶を留める小倉緑道、首都圏有数の都市河川である鶴見川の水辺、そして無料でありながら約50種の動物と古墳・神社仏閣まで楽しめる夢見ヶ崎動物公園。それぞれが単独でも魅力的なスポットですが、川崎市公式の「さいわい散歩道 コース6」のように歩いてつなぐことで、約3.5キロメートル、2時間程度の手頃な距離で歴史と自然、そして動物とのふれあいを一度に味わえるモデルコースが完成します。新川崎駅や鹿島田駅からのアクセスも良く、電車と徒歩だけで楽しめる点も大きな魅力です。休日のリフレッシュや家族での散歩、写真撮影を目的とした散策など、さまざまな楽しみ方ができるコースとして、実際に歩いてみる価値は十分にあるでしょう。

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