尾張広域緑道のウォーキングコース、木曽川から庄内川まで19.5キロ

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尾張広域緑道は、愛知県の木曽川から庄内川までを結ぶ総延長約19.5キロメートルのウォーキングコースです。犬山市、扶桑町、大口町、小牧市、春日井市という5つの自治体をまたぎ、県営の都市公園として長年整備されてきました。今回は起点から終点までの区間ごとの見どころや、休憩拠点フレッシュパークの詳細、アクセス方法、ウォーキングを気持ちよく続けるためのコツまで、できるだけ具体的にまとめていきます。

目次

尾張広域緑道は昭和天皇御在位六十年記念事業として1987年に完成

尾張広域緑道は、春日井市松河戸町の庄内川堤防付近を起点とし、犬山市の木曽川河畔を終点とする、整備面積約28.2ヘクタールの緑道です。完成は1987年、昭和天皇陛下御在位六十年記念事業の一環として整備されました。もとは名古屋市の上水道用水道管が通る用地を活用して造られたもので、緑道の地下には今も水道管が埋まっています。都市インフラの用地を遊歩道と自転車道に変えた点は、この緑道を語るうえで欠かせない背景です。

整備は完成後も止まっていません。2019年には犬山市内で約2キロメートルの区間が完成し、2021年には春日井市の宝中学校西側と、小牧市久保本町の未舗装区間が新たに整えられました。沿線の自治体がそれぞれの区間に季節の花木を植え、住民の憩いの場として少しずつ育ててきた歴史が、この緑道の厚みになっています。

起点の庄内川から終点の木曽川まで一本道でつながる

尾張広域緑道は、庄内川(春日井市松河戸町)から小牧市、大口町、扶桑町を経由し、木曽川(犬山市)へと続く一本道です。約19.5キロメートルという距離はフルマラソンの半分弱にあたり、全区間を歩き通すにはそれなりの体力が要ります。実際には、自宅や最寄り駅から近い区間を選んで数キロメートルだけ歩くという使い方をしている人が多いようです。

緑道のちょうど中間地点、小牧市本庄には拠点施設「フレッシュパーク」があります。ウォーキングの休憩ポイントであると同時に、緑道を歩く人や走る人にとっての目印にもなっていて、多くのウォーキングコース紹介ではこのフレッシュパークを起点や折り返し地点として扱っています。

フレッシュパークは開園時間9時から19時15分、無料の展望塔もある拠点公園

フレッシュパークは、尾張広域緑道の中間地点にある約2.4ヘクタールの拠点公園です。住所は愛知県小牧市本庄字南浦1020。無料で使える施設として多目的広場、ディスクゴルフコース、ジョギングコースがあり、有料施設として体育館(サンアリーナ)、トレーニング施設、おもしろ自転車(遊戯用自転車)が用意されています。無料の展望塔からは、緑道や周辺の田園風景を一望できます。

開園時間は9時から19時15分まで(定休日は17時15分まで)で、休館日は月曜日(祝日の場合は翌平日)と年末年始(12月29日から1月3日)です。問い合わせ先は0568-78-1110となっています。

アクセスは小牧インターチェンジから車で約15分、駐車場は北側に35台分

車の場合、東名高速道路・名神高速道路の小牧インターチェンジから約15分、名古屋高速1号小牧線の小牧北インターチェンジからも約15分ほどです。駐車場はフレッシュパーク北側に普通車35台分が用意されています。

公共交通機関を使うなら、名鉄バスの都市間高速バス「桃花台線」の最寄りバス停「上末」から徒歩8分ほど、あるいはピーチバスの上末停留所からのアクセスも可能です。最寄り駅は名鉄小牧線の味岡駅・小牧原駅ですが、いずれも約2.1キロメートル、徒歩26分程度とやや距離があります。駅からのウォーキングも悪くはないですが、車かバスで向かうほうが現実的でしょう。

各区間の見どころは季節ごとに植栽が変わる花のリレー

沿線の各自治体がそれぞれの区間に特色ある植栽をしているため、歩く季節によって景色の印象が変わります。今どのあたりを歩いているかを、花で感じ取ることもできます。

春日井市側では桜並木が代表的な景観です。春先、桜のトンネルの下を歩くのはこの緑道ならではの体験でしょう。小牧市周辺では4月から5月にかけてツツジが見頃を迎え、道の両側がピンクや赤に染まります。大口町の区間ではコデマリの白い小花が春を彩り、扶桑町では秋になるとキンモクセイの香りが漂います。終点に近い犬山市側ではユキヤナギが春の訪れを告げます。起点の庄内川から終点の木曽川まで、季節ごとに違う花に出会えるのは、単調になりがちな長距離ウォーキングのなかで大きな魅力です。

扶桑町のジャンピング噴水と犬山市のふみふみロード

扶桑町高雄地区には「ジャンピング噴水」と呼ばれる噴水施設があり、夏場に稼働します。この噴水は第12回都市公園コンクールで建設次官賞を受賞した実績を持ち、緑道全体のなかでも評価の高い施設です。水が飛び跳ねるように噴き出す様子は子ども連れのウォーキングにも人気で、真夏の休憩ポイントとして機能しています。稼働は夏場に限られるため、訪れる時期によっては見られないこともあります。

犬山市上坂町付近には「ふみふみロード」という区間があり、大小さまざまな石が敷き詰められています。足裏を刺激しながら歩ける区間で、裸足で歩けば足裏マッサージのような感覚も味わえるユニークなスポットです。

庄内川側の春日井市は桜と夕焼けが見どころ、木曽川側の犬山市は犬山城を望む観光ルート

緑道の起点となる庄内川沿いは、春日井市が管理する区間と重なる部分が多く、市が独自に「歩こうマップ」を作成して市民の健康づくりを後押ししています。季節によっては桜並木のほか菜の花や曼珠沙華にも出会え、川面には大きなサギの姿が見られることもあるようです。夕方には、飛行機や送電鉄塔のシルエットの向こうに広がる夕焼けが美しいという声も聞かれます。上流へたどっていくと建物が次第に減り、自然の風景が広がっていく様子を実感できる区間で、都市部の喧騒から少し離れて歩きたい人に向いています。

一方、終点の木曽川沿い、特に犬山市エリアは観光地としての魅力も兼ね備えています。犬山城の真下から犬山橋にかけての散策ルートは、片道約700メートル、徒歩10分弱というコンパクトな距離ながら、国宝犬山城を間近に望みながら歩ける人気のコースです。この区間には道路沿いの遊歩道と、堤防下の川沿いを歩く散策路の2本が並行して整備されていて、その日の気分でルートを選べます。

木曽川犬山緑地には川沿いのウォーキングコースやサイクリングコースがあり、木曽川の流れを間近に感じながら歩を進められます。桜のシーズン(3月下旬から4月上旬)にはお花見人力車が運行されることもあり、城下町で買った食べ物を手に、木曽川を眺めながらピクニック気分を味わう人の姿も見られます。犬山市側のコースは比較的平坦で、ウォーキング初心者や観光を兼ねて歩きたい人にも向いているルートです。

トイレ休憩の計画は事前のトイレマップ確認が欠かせない

長距離を歩くコースにおいて、トイレの有無は見落とせない情報です。尾張広域緑道については公式サイトが「尾張広域緑道トイレマップ」を作成・公開していて、緑道沿いのどのあたりにトイレがあるかを事前に確認できます。この地図はフレッシュパークのロビーでも配布されているとのことなので、初めて長距離を歩くなら、事前にウェブサイトで確認するか、フレッシュパークで紙の地図をもらっておくと安心です。

区間によってはトイレが整備されていない箇所もあるため、水分補給のタイミングやトイレ休憩を見越して、あらかじめコースと休憩ポイントを計画しておくのがおすすめです。緑道沿いには東屋やベンチも点在していて、こまめに休憩を取りながら歩を進められる点も、長距離ウォーキングを続けやすくしているポイントのひとつです。

ウォーキングコースの選び方はフレッシュパーク起点の往復が現実的

尾張広域緑道の全長は約19.5キロメートルあり、これを一度に踏破しようとすると休憩を含めて5時間から6時間程度はかかると想定されます。日常的な運動としてウォーキングを楽しみたいなら、無理に全区間を歩こうとせず、フレッシュパークを起点にして庄内川方面あるいは木曽川方面のどちらか一方を数キロメートルだけ歩き、フレッシュパークに戻ってくる「ピストン方式」のコース取りが現実的でおすすめです。

電車やバスを組み合わせれば、犬山側からスタートして木曽川沿いの観光を楽しみつつ緑道を歩き、途中でバスに乗って帰るという「片道ウォーキング」も可能です。休日にじっくり時間を取れる人なら、こうした片道コースに挑戦してみるのも面白いでしょう。

歩く時間帯によっても表情は変わります。早朝は空気が澄んでいて人通りも少なく、静かに景色を楽しみたい人におすすめです。日中は花や緑がもっとも鮮やかに見える時間帯で、写真を撮りながらのんびり歩くのに向いています。夕方は、庄内川沿いで見られるような送電鉄塔や飛行機のシルエットの向こうに広がる夕焼けが美しく、一日の終わりに心を落ち着けながら歩くのにぴったりの時間帯です。同じ区間でも朝・昼・夕でそれぞれ違う魅力があるため、何度歩いても新しい発見があるのは、この緑道の隠れた魅力といえるでしょう。

ウォーキングの健康効果は心肺機能と筋力の維持に期待できる

ウォーキングという運動自体が、心身の健康に多くのメリットをもたらすことは広く知られています。一般的に、ウォーキングを1時間続けた場合の消費カロリーはおよそ300キロカロリー程度とされ、体重や歩く速度によって変わります。歩行速度が上がるほど運動強度(METs)も上昇し、ゆっくり歩く場合のMETsが2.8程度であるのに対し、速歩きでは4.3以上になるとされ、消費カロリーもそれに比例して増えていきます。

継続的なウォーキングによって期待できる効果としては、心肺機能の向上、下半身を中心とした筋力の維持・強化、姿勢の改善などが挙げられます。加えて、骨に一定の負荷がかかることで骨密度の維持につながるとも考えられており、屋外を歩くことでリフレッシュ効果やストレス軽減効果も期待できるとされています。

尾張広域緑道のように、緑豊かで信号や交差点が少なく、安全に長時間歩き続けられる環境が整っているコースは、こうしたウォーキングの効果を無理なく継続的に得るための場として適しているといえます。単調になりがちな運動としてのウォーキングも、四季折々の花や川の景色、犬山城のような歴史的な建造物を眺めながらであれば、飽きずに続けやすいはずです。

正しい歩き方は姿勢と足の運び、呼吸を意識する

尾張広域緑道のように長い距離を歩くコースでは、フォームを意識することで得られる快適さが変わってきます。ウォーキングのポイントは、姿勢、歩幅、腕の振り方、重心移動、呼吸の仕方に分けて考えられています。

姿勢については、首を長く伸ばすイメージで顎を軽く引き、肩の力を抜いてストンと下に落とし、軽く胸を張って、お腹を少し引き締めるように意識するとよいとされています。横から見たときに、頭からくるぶしまでが一直線になるようなイメージを持つと、背筋と腹筋のバランスが取れた姿勢に近づきます。歩いている最中に下を向いてしまうと猫背になりやすいため、視線は少し遠くに向けることを心がけたいところです。

足の運び方にもコツがあります。地面に足をつける際は、まずかかとから接地し、次に足の外側、最後につま先へと体重を移動させていくのが基本の動きです。また、鼻から息を吸って口から吐き出す腹式呼吸を意識すると、有酸素運動としての効果を高めやすいとされています。

初めて長距離ウォーキングに挑戦するなら、いきなり全長19.5キロメートルを目指すのではなく、まずは1日2〜3キロメートル程度を目安に歩き始め、徐々に距離を伸ばしていくのがおすすめです。フレッシュパークを起点にした短い区間の往復から始めて、体が慣れてきたら少しずつ庄内川側・木曽川側へと距離を延ばしていくとよいでしょう。

沿線自治体のウォーキング支援は春日井市の歩こうマップが充実

尾張広域緑道の起点にあたる春日井市では、市が独自に「歩こうマップ」を作成し、市内に16のウォーキングコースを紹介しています。これらのコースを歩くウォーキングイベントも定期的に開催されていて、「健康マイスター」と呼ばれる健康ボランティアと一緒に、参加者同士で交流しながら歩き方や健康づくりのポイントを学べる機会が設けられています。参加費は基本的に無料ですが、安全管理のために定員を設け、事前申込制としているイベントもあり、対象が市内在住・在勤・在学の人に限定される場合もあるので、参加を希望するなら事前に春日井市の公式ホームページで詳細を確認しておくとよいでしょう。

個人で自由に歩けるだけでなく、沿線自治体が主催する健康づくりの取り組みとも結びついている点は、地域ぐるみでウォーキングを推進する土壌があることの表れでもあります。この土壌が、緑道が長年にわたって多くの人に親しまれ続けている理由のひとつなのでしょう。

持ち物と服装は季節に応じた準備を

長距離を歩く尾張広域緑道では、事前の準備も大切です。履き慣れたウォーキングシューズやスニーカーを選び、靴擦れを防ぐこと。季節を問わず水分補給用の飲み物は必携で、夏場は熱中症対策として帽子や日傘、冷却タオルがあると安心です。冬場は防風・防寒対策として、脱ぎ着しやすい重ね着を心がけたいところです。

河川敷や堤防沿いを歩く区間が多いため、天候の急変にも注意が必要です。夏場は日差しを遮る場所が少ない区間もあるので、朝や夕方の涼しい時間帯にウォーキングを計画するのもひとつの方法でしょう。緑道の一部は自転車道と共用になっている区間もあるため、サイクリストとのすれ違いに注意しながら、通行ルールを意識して歩くことも大切です。

スマートフォンの地図アプリや歩数計アプリを活用するのもおすすめです。総距離約19.5キロメートルという長い緑道では、自分が今どのあたりを歩いているのか、あとどれくらいの距離が残っているのかを把握しておくと、無理なくペース配分ができます。友人や家族と一緒に歩く場合は、体力や歩くペースに差が出やすいので、一番ゆっくりな人に合わせて歩くことも、長く楽しく続けるコツのひとつです。

木曽川と庄内川、性格の異なる二つの大河を結ぶ道

尾張広域緑道の起点と終点となる二つの川について知っておくと、ウォーキングの楽しみが深まります。

終点側の木曽川は、長野県木曽郡木祖村の鉢盛山(標高2,446メートル)を水源とし、長野県から岐阜県、愛知県、三重県を経て伊勢湾へ注ぐ一級河川です。全長229キロメートルは、山形県の最上川と並んで全国7位の長さとされています。木曽川は隣接する長良川、揖斐川とあわせて「木曽三川」と呼ばれ、その流域は長野・岐阜・愛知・三重・滋賀の5県にまたがり、水系全体の流域面積は9,100平方キロメートルと、日本国内の水系のなかでも5番目の広さを持つそうです。濃尾平野を潤すこの大河の水量が、犬山市付近では緑豊かな河畔の景観を作り出していて、尾張広域緑道のゴール地点にふさわしい眺めになっています。

一方、起点側の庄内川は、岐阜県恵那市の夕立山を水源とし、岐阜県内では「土岐川」と呼ばれています。瑞浪、土岐、多治見といった盆地を流れたのち、愛知・岐阜県境の玉野渓谷を抜けて、春日井市高蔵寺付近で濃尾平野へ出ます。その後、名古屋市西区で矢田川と合流し、最終的に名古屋港(伊勢湾)へ注ぎます。全長は約96キロメートルで、木曽川に比べるとコンパクトですが、春日井市周辺では桜並木や菜の花、曼珠沙華といった花々が咲き、都市近郊とは思えないほど豊かな自然を感じさせてくれます。

尾張広域緑道は単なる一本の遊歩道ではなく、雄大なスケールを持つ木曽川と、身近な自然を感じさせる庄内川という、性格の異なる二つの大河を結ぶ道だといえるでしょう。歩きながら、それぞれの川が持つ表情の違いに注目してみるのも一興です。

終点近くには国宝犬山城、廻縁を歩けるのは全国で2城のみ

尾張広域緑道のゴール地点である木曽川のすぐ近くには、全国に5つしか現存しない国宝天守のひとつ、犬山城がそびえています。緑道を歩き通すなら、この犬山城まで足を延ばして観光を楽しむのもおすすめです。

犬山城は天文六年(1537年)、織田信長の叔父にあたる織田信康によって築かれました。木曽川の南岸、標高約85メートルの断崖上に建てられていて、中山道と木曽街道の両方に通じる交通の要衝だったことから、古くから交易・政治・経済の拠点として栄えてきました。城跡は現在、国の史跡「犬山城跡」に指定されています。

城の縄張りは、本丸を頂点に杉の丸、樅の丸、桐の丸、松の丸といった曲輪が南方に向かって階段状に配置される、後堅固の城の構造を持っています。天守のみが江戸時代から現存していて、現存12天守のなかでも最も古い建築とされています。特筆すべきは、天守最上階の壁面外側をぐるりと一周できる「廻縁」でしょう。現存12天守のうち、この廻縁を実際に歩いて一周できるのは犬山城と高知城の2城のみとされています。木曽川と犬山の城下町を見下ろしながら天守の外周を歩く体験は、緑道ウォーキングとはまた違った趣があります。

犬山城は木曽川沿いの丘の上にそびえる姿から、中国・長江流域の丘上にある「白帝城」になぞらえて、江戸時代の儒学者・荻生徂徠が「白帝城」の別名を与えたと伝えられています。李白の詩「早発白帝城」にちなむこの雅称からも、木曽川と犬山城が一体となった景観が古くから愛されてきたことがうかがえます。緑道ウォーキングの最後に、この歴史ある城と木曽川の流れを眺めながら休憩するのは、達成感もひとしおでしょう。

木曽川サイクリングロードと木曽川鵜飼

尾張広域緑道は、終点の犬山市側で木曽川沿いのサイクリングロードと接続しています。木曽川左岸のサイクリングロードは、犬山市内の四疋目信号付近を起点として下流方向へ続いていて、緑道と組み合わせれば片道40キロメートル前後の長距離ルートを組み立てることもできます。愛知県のウェブサイトではこの一帯のサイクリングマップも公開されていて、ウォーキングだけでなく自転車での周遊を楽しむ人にとっても人気のエリアです。もちろんテーマはあくまでウォーキングですが、一部の区間だけウォーキングで、残りをサイクリングでという楽しみ方も可能です。

犬山市の木曽川沿いまで歩き切ったなら、季節によっては伝統漁法「木曽川鵜飼」も楽しみのひとつに加えたいところです。木曽川の鵜飼は1300年もの歴史を持つとされる伝統漁法で、江戸時代から続けられてきました。鵜飼舟には鵜匠と船頭が乗り込み、10羽の鵜を操りながら鮎などの川魚を捕らえていきます。観覧船は鵜飼舟のすぐそばまで近づくため、かがり火の熱気を頬に感じられるほどの臨場感で、見学にとどまらない体感型の観光として親しまれています。

開催期間は例年6月1日から10月15日ごろまでで、2003年からは全国に先駆けて「昼鵜飼」も実施されていて、日中の時間帯でも鵜飼の様子を楽しめます。乗船場は名鉄犬山遊園駅から徒歩3分ほどの場所にあり、緑道ウォーキングの帰りに立ち寄るにもアクセスしやすい立地です。

犬山市と岐阜県各務原市を結ぶ木曽川の「犬山頭首工ライン大橋」も、この一帯のランドマークのひとつです。全長420メートルのこの橋は、濃尾用水の取水を行う可動堰の上に架けられた珍しい構造を持ち、下流側に自動車専用橋、上流側に人と自転車が通行できる橋の2本が並んでいます。緑道ウォーキングの締めくくりに、この橋越しに木曽川の流れを眺めるのも、犬山エリアならではの楽しみ方です。

尾張広域緑道は、庄内川から木曽川までの約19.5キロメートルをつなぐ、愛知県尾張地方のウォーキングコースです。1987年の整備開始から長い年月をかけて、沿線の自治体それぞれが桜、ツツジ、コデマリ、キンモクセイ、ユキヤナギといった花木を植え育て、季節ごとに違う表情を見せる緑道へと育て上げてきました。中間地点のフレッシュパークを拠点にすれば、体育館やトレーニング施設、展望塔も利用でき、休憩を挟みながら長距離のウォーキングを楽しめます。事前にトイレマップやアクセス情報を確認し、無理のない距離設定でコースを選べば、初心者から健脚の人まで、それぞれのペースで楽しめるはずです。信号や交差点が少なく、車の往来をほとんど気にせず歩き続けられる環境は、都市近郊の緑道としては貴重です。桜の季節に一区間、ツツジの初夏にまた一区間、キンモクセイの香る秋にもう一区間というように、季節を変えて何度も訪れることで、この緑道の魅力をより深く味わえるはずです。

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