岩手町の「クアの道」石神の丘アートコースは、全長約3kmのウォーキングコースで、ドイツ発祥の健康ウォーキング理論を取り入れた本格的な健康増進施設です。このコースは2024年11月24日にオープンし、アート作品を鑑賞しながら四季折々の自然の中を歩くことで、通常のウォーキングの約2倍の運動効果が得られるとされています。石神の丘美術館に隣接する丘陵地を活用したこのコースでは、五感を刺激しながら心身を同時に整えることができ、健康づくりを目的とした方から観光目的の方まで幅広く利用されています。
本記事では、岩手町クアの道の石神の丘アートコースについて、コースの特徴や魅力、クアオルト健康ウォーキングの効果、周辺施設の情報、アクセス方法まで詳しく解説します。岩手県北部に位置する岩手町は、北上川の源流を有し、「彫刻のまち」「野菜王国」として知られる魅力あふれる地域であり、この新たなウォーキングコースの誕生によって健康観光の拠点としても注目を集めています。

クアオルト健康ウォーキングとは何か
クアオルト健康ウォーキングとは、ドイツの伝統的な自然療法を基盤とした科学的根拠のある健康ウォーキング法です。「クアオルト」という言葉は、ドイツ語で「療養地・健康保養地」を意味し、「クア(Kur)」が治療や療養、保養のための滞在を、「オルト(Ort)」が場所や地域を表しています。ドイツでは、クアオルトにおいて温泉や海、気候などの自然の治療要素を活用した療養が行われており、その効果が認められて公的医療保険の対象となっています。
クアオルト健康ウォーキングの基盤となっているのは「気候性地形療法」と呼ばれる自然療法です。この療法は、ドイツのクアオルトにおいて心筋梗塞や狭心症のリハビリテーション、高血圧、骨粗しょう症などの治療に長年利用されてきた実績があります。気候性地形療法では、太陽光、可視光線、清浄な空気、冷気と風という4つの気候要素を活用します。太陽光はビタミンD3の合成を促進して骨の強化や免疫力の活性化をもたらし、可視光線は体内のサーカディアンリズム(24時間リズム)を調整して深い睡眠を促します。清浄な空気は呼吸器系の改善やアレルギー症状の緩和に寄与し、冷気と風は持久力の強化、免疫システムの改善、血液循環機能の向上、体温調節機能の向上に効果があるとされています。日本では、これらの効果を活用して生活習慣病や認知症の予防など、健康づくりに役立てられています。
クアオルト健康ウォーキングの特徴と効果
クアオルト健康ウォーキングには、通常のウォーキングとは異なるいくつかの重要な特徴があります。最も特徴的なのは心拍数のコントロールです。個人の体力に合わせた運動リスクの少ないウォーキングを行うため、運動負荷を心拍数(脈拍)の測定でコントロールします。目標となる心拍数は「160マイナス年齢」で計算され、運動負荷としては55〜60%程度、つまり全力の半分を少し超えた程度の強さとなります。運動習慣のある人は「180マイナス年齢」を目安にし、血圧降下剤を服用している人は、この心拍数の目安を80〜90%に減じて設定することが推奨されています。
体表面温度の管理も重要な特徴の一つです。運動中に「やや冷える」と感じる服装で行うと運動効果が高まるという医科学的な根拠があります。これは運動時の体表面温度が運動前と比較して平均2度低くなる状態を指します。袖をまくったり首元を開けたりして衣服を調整し、汗を上手に気化させて体表面の温度を下げながら運動することがポイントです。歩行中も腕に触れて「冷たくさらさら」な状態の肌を保つことが効果的な運動につながります。
コースの設計にも独自の工夫があります。野山や公園の斜面、土の道などを活用し、持久力や筋力が高まるように計算されたコースが設計されています。土の道はアスファルトに比べて足腰への負担を軽減する一方で、運動負荷は約1.2倍も増すという特性があります。これにより、有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行うことが可能となっています。
「クアの道」の意味と目的
「クアの道」は健康の道という意味で、ドイツのクアオルトで設置されている健康増進のための道を参考にして整備されたものです。自分の体力に合ったスピードで、冷気と風、太陽光線などの気候要素を活用し、体表面を冷たく保ちながら森や山の中の傾斜地を歩くことで持久力を強化します。通常の運動の2倍の効果を得ることができるとされており、効率的な健康づくりを実現できる点が大きな魅力です。
太陽生命クアオルト健康ウォーキングアワードと岩手町の受賞
太陽生命クアオルト健康ウォーキングアワードは、株式会社日本クアオルト研究所が主催し、太陽生命保険株式会社が特別協賛するアワードです。このアワードは、疾病予防・健康増進に効果のある「クアオルト健康ウォーキング」の導入を目指す自治体を公募し、受賞した自治体に対して新しいウォーキングコースの整備や専門ガイド育成などの支援を行うものです。2024年で10回目を迎えたこのアワードは、全国33自治体(民間含む)で導入されており、そのうち約20自治体が本アワードの支援を受けてスタートしています。
太陽生命クアオルト健康ウォーキングアワード2024において、岩手県岩手町は優秀賞を受賞しました。愛知県名古屋市緑区と並んでの受賞となり、岩手町にとって大きな栄誉となりました。この受賞により、岩手町は副賞として専門コースの設置と専門ガイドの育成などの支援を受け、2024年11月24日に「クアの道認定記念式典」が開催されました。
岩手町に設置された2つのコース
岩手町には、アワード受賞を機に2つの新コースがオープンしました。一つ目が本記事で詳しく紹介する石神の丘アートコースで、全長約3kmのコースです。アート作品、四季の色彩、丘陵の景観がウォーカーの感覚を刺激し、五感と脳・心・身体を同時に整えることができる構成が特徴となっています。
もう一つは岩手町総合運動公園コースです。このコースはスポーツのエネルギーと自然が合わさり、自然の中で体を動かしながらメンタルヘルスも向上できる設計になっています。トップアスリートが育つ環境にも触れられる、岩手町ならではのスポーツと心身の健康のシナジーを生むルートとなっています。
石神の丘アートコースの魅力と特徴
石神の丘アートコースは、全長約3kmのウォーキングコースで、道の駅「石神の丘」に隣接する石神の丘美術館の敷地を活用しています。このコースでは、アート作品を鑑賞しながら自然の中を歩くことができ、芸術と健康を同時に楽しめる贅沢な体験が可能です。
このコースの最大の特徴は、アート作品、四季の色彩、丘陵の景観がウォーカーの五感を刺激し、脳・心・身体を同時に整えることができる構成になっていることです。標高326メートルの石神山の斜面を利用しているため、適度な傾斜があり、クアオルト健康ウォーキングに最適な環境が整っています。土の道を中心としたコース設計により、足腰への負担を軽減しながらも効果的な運動を行うことができます。
森林セラピーとの融合による癒しの空間
石神の丘アートコースの一部には、森林セラピー基地の子抱(こだき)コース入り口付近の林が含まれています。この林には木のベッドが設置されており、横になって空を見上げ、深呼吸することで心身のリラックスタイムを楽しむことができます。森林の中で過ごすひとときは、ウォーキングの効果をさらに高めてくれます。
岩手町森林セラピー基地は、北緯40度線上に位置し、全国第5位の長さを誇る北上川(全長249km)の源泉「弓弭(ゆはず)の泉」がある岩手町全域をエリアとしています。森林セラピーロードとして子抱山・嵐山の散策路が認定されており、科学的な検証を基に癒しの効果と病気の予防効果が認められた場所です。植物から発散されるフィトンチッドが空気を浄化し、その成分が人間の身体に良い効果をもたらします。広場、ベンチ、トイレ、休憩施設などが十分に配置されているため、ゆっくりと森を楽しみながら散策することができます。
石神の丘美術館の歴史と見どころ
石神の丘美術館は、1993年7月に岩手県内初の野外彫刻美術館として開館しました。その背景には、1973年から2003年まで30回にわたり開催された「岩手町国際石彫シンポジウム」の伝統があります。このシンポジウムは、当時国内では先駆けとなるアーティスト・イン・レジデンスの形式をとり、国内外から様々なアーティストが訪れました。毎年5人程度のアーティストを世界中から招聘し、約1ヶ月半から2ヶ月の滞在期間を岩手町で過ごしながら、町産の黒御影石を主に使用して作品を制作しました。
制作された作品は町に寄贈され、町役場庁舎前の石彫公園や町内の公共施設などに設置されました。その作品数は130点を超え、現在岩手町に設置されている彫刻作品は約113点を超えています。これが「彫刻によるまちづくり」の礎となり、岩手町のアイデンティティを形作っています。
花とアートの森
2002年7月には道の駅「石神の丘」の設置に伴い大規模な改修が行われ、2021年6月にはグランドリニューアルオープンを迎えました。2023年の開館30周年を前に、これまで「屋外展示場」と呼ばれていた石神山の斜面を利用した散策エリアは、名称を新たに「花とアートの森」として2020年9月1日にリニューアルオープンしました。里山の自然を感じ親しみを持てるような彫刻作品の新設、ラベンダーをはじめ四季を通じて楽しめる植栽の整備が行われています。
花とアートの森は標高326メートルの石神山の斜面に広がっており、約1.5キロメートルの散策路に「空の広場」「風の広場」「あそびの広場」などのエリアが設けられています。石神の丘アートコースの中核を成すこのエリアでは、彫刻作品と四季折々の植物が織りなす美しい景観を楽しみながら、健康的なウォーキングを行うことができます。
ラベンダー園と季節の草花
花とアートの森の見どころの一つがラベンダー園です。空の広場にはおよそ1万株から2万株のラベンダーが植えられており、6月下旬から7月上旬に見頃を迎えます。この時期にはラベンダーのつみとり体験なども開催され、多くの来場者で賑わいます。紫色の花畑と芳香が来場者を魅了し、ウォーキングをしながら癒しのひとときを過ごすことができます。ラベンダーのほかにも、アジサイなど100品種以上の草花が楽しめ、四季折々の自然を満喫することができます。
展示されている彫刻作品
花とアートの森には、国内外の著名なアーティストの作品が展示されています。三沢厚彦の作品は、動物をモチーフにしたブロンズ彫刻で、森の精霊のように来場者を迎えてくれます。三沢厚彦は1961年京都生まれの彫刻家で、樟(クスノキ)で動物を彫り油絵具で彩色する「ANIMALS(アニマルズ)」シリーズで知られています。2001年に第20回平櫛田中賞、2019年に第41回中原悌二郎賞を受賞しており、そのモチーフはイヌやネコといった身近な動物から、近年では麒麟やキメラといった空想上の生き物まで広がっています。
西野康造の作品は、金属を素材とした軽量なスケルトン構造の作風で知られ、自然の中で独特の存在感を放っています。また、イサム・ノグチや深澤直人のデザインによる遊具も設置されており、子どもたちも楽しめる空間となっています。アート作品を鑑賞しながらのウォーキングは、視覚的な刺激を通じて脳を活性化させ、より高い健康効果をもたらします。
恋人の聖地
石神の丘美術館の敷地内には岩手山や姫神山を眺める展望台があり、この美しい景観から「恋人の聖地」にも選定されています。ラベンダー園やブルーベリー園と合わせて、ロマンチックな雰囲気を楽しむことができ、カップルや夫婦での訪問にも適した場所となっています。
石神の丘美術館の所在地は岩手県岩手郡岩手町大字五日市10-121-21で、開館時間は9時から17時(入館は16時30分まで)です。休館日は毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)および年末年始(12月29日から1月3日)となっています。
道の駅「石神の丘」の施設と特産品
道の駅「石神の丘」は、岩手県岩手郡岩手町にある国道4号の道の駅で、愛称は「北緯40度 岩手町」です。ドライブのオアシスとして2002年7月にオープンし、石神の丘美術館に隣接しています。所在地は岩手県岩手郡岩手町大字五日市10-121-20で、クアの道石神の丘アートコースを楽しむ際の拠点として最適な施設です。
道の駅には、地元の食材にこだわったメニューが楽しめるレストラン、野菜王国岩手町の産直・物産コーナーなどがあります。レストランの営業時間は10時30分から19時で、11月から3月は18時までとなっています。ブルーベリーカレーが人気メニューとなっており、岩手町産のやまと豚も味わえます。農家のおいしいおやつを提供する「茶屋っこ」では、地元の味を楽しむことができます。
屋外の「北の広場」には、すべり台やブランコ、砂場などの遊具があり、芝生の広がる「南の広場」には坂や小川があるなど、子どもたちが遊べるスペースも充実しています。ウォーキングの前後に家族で楽しめる施設が揃っています。
岩手町の特産品
岩手町は「野菜王国」と呼ばれるほど農業が盛んな地域です。特産品の「いわて春みどり」は岩手町特産のキャベツで、県内一の出荷量を誇ります。このキャベツを使用したソフトクリーム、まんじゅう、ドロップ、ラーメンなども販売されており、ユニークな特産品として人気を集めています。
町特産のブルーベリーは加工品としても人気で、「ブルーベリーソース」は特に多くの方に愛されています。産地直売所では、しいたけ、アスパラガス、わさび菜など、岩手町で収穫されたものだけを販売しています。新鮮な高原野菜をはじめ、地元風土が育んだ数々のおみやげ品が揃っており、ウォーキング後のショッピングも楽しめます。
ウォーキングがもたらす健康効果
ウォーキングは有酸素運動の代表格であり、酸素を身体に取り入れながら行う運動です。長く続ければ続けるほど、脂肪をエネルギーとして燃焼しやすくなります。脂肪が減少することにより肥満が解消され、代謝が良くなることで血中脂質や血糖値、血圧の状態の改善にも有効です。心肺機能の維持・改善の効果も期待できます。
筋力向上と持久力の強化
ウォーキングは全身運動であり、足腰の筋肉だけでなく、腕を振ることで胸や背中の筋肉を動かし、上体を安定させるために体幹部の筋肉も使います。全身の筋肉がバランス良く鍛えられるので、体力アップ・健康維持につながります。特に下半身の筋肉をよく動かすため、筋力アップが期待できます。筋力がアップすると基礎代謝もアップし、安静にしているときの消費カロリーが上がります。正しいフォームでウォーキングを行うことで、筋力や関節可動域が高まり筋バランスが整いやすくなります。
姿勢良くリズミカルに歩くことで呼吸筋が使われ、心肺機能が向上し、体内に酸素を十分取り込めるようになります。ウォーキング習慣のある人ほど心血管疾患のリスクが低下することが明らかになっており、適度な運動習慣による心肺機能の改善や骨粗しょう症の予防などの効果も見込まれます。
生活習慣病の予防効果
1日当たりの歩数と中強度の歩行時間で予防できる可能性のある病気との関係が報告されています。高血圧症や糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を予防するのに有効である歩行は「1日8,000歩、そのうち中強度の歩行が20分」が適切な身体活動量とされています。足腰を丈夫にするだけでなく、少し長い時間歩くことで筋肉の毛細血管が増え、血流量が増加し、血管自体が柔軟性や弾力を取り戻します。
精神的な効果とストレス解消
ウォーキングを一定時間続けることで、リラックスさせるセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。自然の中を歩くことで、ストレス解消やメンタルヘルスの向上にも効果があります。石神の丘アートコースのように、アート作品や美しい景観を楽しみながら歩くコースでは、視覚的な刺激も加わり、より高いリラクゼーション効果が期待できます。ただダラダラと歩くのではなく、歩幅を大きめにとって「ちょっときつい」と感じる程度のペースで歩くとより効果的です。
専門ガイド(テラポイト)による安心のサポート
クアオルト健康ウォーキングでは、専門のガイドが参加者を案内します。ドイツと同様に、気候性地形療法や運動生理学、温泉療法や医学的な研修を受け、知識や技能を習得し試験に合格したガイドが案内を担当します。日本において、気候性地形療法によるウォーキングを先導する専任ガイドは「クアオルト・テラポイト」と呼ばれています。「テラポイト」はドイツ語で療法士(セラピスト)を意味し、クアオルト・テラポイトはクアオルト健康ウォーキングのガイド最高位の資格です。
専門ガイドの主な役割として、まずコース案内と歩き方の指導があります。専属ガイドとして教室等でコースの案内や歩き方の指導を行い、「がんばらなくても、倍近い運動効果が期待できる歩き方」を参加者にレクチャーします。安全管理とサポートも重要な役割で、運動のリスク管理や実技を習得した専門ガイドが、参加者の安全を最優先に考えて同行します。高齢者を含む参加者の安全を確保するため、コース認定とガイド講習は厳格に行われています。
心拍数・血圧の測定指導も専門ガイドの重要な役割です。実地講習では、コースを指導者と一緒に歩き、心拍数の測り方や参加者への声かけなど、安全にウォーキングを行うポイントについて学びます。クアオルト健康ウォーキングでは専門ガイドが必ず同行し、一人ひとりの体力に応じた無理のない運動をサポートします。太陽生命クアオルト健康ウォーキングアワード2024の受賞により、岩手町では副賞として専門ガイドの育成支援を受けており、地域に根差した専門ガイドが育成され、石神の丘アートコースや岩手町総合運動公園コースで活躍しています。
岩手町の観光スポットと歴史的名所
北上川源泉 弓弭の泉
岩手町には、東北一の大河・北上川の源流となる「弓弭(ゆはず)の泉」があります。北上川は流路延長249キロメートル(日本第5位)、流域面積1万150平方キロメートル(国内第4位)を誇る大河です。国土交通省の一級河川指定では、この弓弭の泉が源流とされています。
弓弭の泉は、御堂観音(みどうかんのん)境内にあります。平安時代の天喜5年(1057年)6月、源頼義・義家父子率いる朝廷軍がこの地を通過した際の伝説が残っています。打ち続く炎暑に兵馬とも疲弊していたところ、源義家が弓弭(弓のつるをかける先端部分)で大杉の根元を突くと、にわかに清水が湧き出てきたという言い伝えがあります。兵馬とも清水を飲み元気を取り戻し、安倍氏を討ち「前九年の役」を鎮圧したといわれています。
御堂観音の正式名は北上山新通法寺正覚院で、天台宗の寺です。平安時代初期の大同2年(807年)、坂上田村麻呂が東征の際に立木十一面観音を自刻し、祈願所として建立したと伝わる古刹です。石神の丘アートコースでのウォーキングと合わせて、この歴史的名所を訪れることで、岩手町の奥深い魅力を体感することができます。
アートロードと彫刻公園
いわて沼宮内駅から石神の丘美術館までの歩道には、彫刻や休憩用のベンチなどを配した「アートロード」が整備されています。岩手町国際石彫シンポジウムで制作された作品をはじめ、様々な彫刻作品が点在しており、道行く人々の癒しの空間となっています。
町役場庁舎前には石彫公園があり、岩手町国際石彫シンポジウムで制作された作品が設置されています。町内を歩けば、あちこちで世界各国のアーティストが制作した彫刻作品に出会うことができ、まさに「彫刻のまち」としての岩手町の魅力を肌で感じることができます。
アクセス情報と交通手段
電車でのアクセス
いわて沼宮内駅は北岩手の玄関口として、盛岡以北最初の新幹線停車駅です。2002年12月1日に東北新幹線が八戸駅まで延伸開業したことに伴い新幹線の停車駅となりました。岩手町の代表駅であることを強調するため「いわて沼宮内駅」に改称されています。停車する列車は「はやぶさ」「はやて」「やまびこ」などで、東京・仙台・盛岡・八戸・新青森・新函館北斗方面へアクセス可能です。
道の駅「石神の丘」までは、いわて沼宮内駅から徒歩約10分、車で約3分です。バスの場合は「沼宮内高校前」下車、徒歩1分となっています。北上川源泉「弓弭の泉」へは、JR東北新幹線いわて沼宮内駅から岩手県北バス中山行きで20分、御堂下車、徒歩15分です。
車でのアクセス
東北自動車道滝沢インターから車で約30分、国道4号を二戸方面へ進みます。道の駅「石神の丘」には十分な駐車スペースがあり、マイカーでの訪問にも便利です。
パークアンドライド
岩手町では東北新幹線開業20周年を記念し、「パークアンドライド」を実施しています。いわて沼宮内駅から新幹線を利用する方を対象に、西口北駐車場(最大96台)に駐車すると、駐車場の利用日数に応じて最大5日分の駐車無料券がもらえます。観光と交通の利便性を両立させた取り組みです。
石神の丘アートコースを歩く際の準備とポイント
準備するもの
石神の丘アートコースを歩く際には、いくつかの準備が必要です。まず歩きやすい靴として、土の道や傾斜地を歩くため、スニーカーやウォーキングシューズがおすすめです。動きやすい服装として、体表面温度を調整できるよう、袖をまくったり首元を開けられる服装が適しています。飲み物は適度な水分補給のために必ず持参しましょう。タオルは汗を拭くためにあると便利です。
効果的な歩き方のコツ
心拍数を意識することが大切です。「160マイナス年齢」を目安に、自分のペースで歩きましょう。体表面を冷たく保つことも効果を高めるポイントで、「やや冷える」と感じる程度の服装調整を心がけ、汗を上手に気化させることが大切です。
五感を使うことも重要です。アート作品、自然の音、風の感触、草花の香りなど、五感をフルに活用して歩くことで、より高い健康効果が期待できます。休憩を取ることも忘れずに、森林セラピーエリアの木のベッドなどで横になり、深呼吸してリラックスする時間も大切にしましょう。
おすすめの季節
春は新緑と草花が楽しめる季節で、芽吹きの美しさを感じながらウォーキングができます。初夏の6月下旬から7月上旬はラベンダーの見頃で、つみとり体験も開催されます。夏は緑豊かな森の中を涼しく歩けます。秋は紅葉と彫刻のコントラストが美しい季節で、写真撮影にも最適です。冬は積雪時に注意が必要ですが、凛とした空気の中での散策も格別な魅力があります。
岩手町のまちづくりと健康への取り組み
岩手町は2020年から「岩手町SDGs未来都市共創プロジェクト」を開始しています。まちの中の人も、外の人も岩手町とのつながりを深めることを目指し、様々な取り組みを行っています。
「いわて町ラボ 町まるごと健幸フィールド化プロジェクト」では、テレビ岩手が中心となり、岩手町の町民の方々から応募いただいたスポットをもとに「岩手町 町民おすすめスポットコース」というウォーキングコースが作られました。このウォーキングコースは全長43.5キロメートルで、岩手町に住んでいるからこそ知っている隠れた名スポットを紹介しています。岩手町をよく知る人はさらに魅力を掘り下げ、あまり知らない人はもっと魅力を知ることができるコースとなっています。
1973年から30年にわたり開催された岩手町国際石彫シンポジウムは、アーティスト滞在型のプログラムでした。その成果は、町に還元された彫刻作品だけでなく、アーティストと町民のコミュニケーションにもあると言われています。町内には約113点を超える彫刻作品が設置されており、「彫刻によるまちづくり」が岩手町のアイデンティティの一つとなっています。クアの道の整備は、このような歴史ある取り組みの延長線上にある、新たな健康まちづくりの一歩といえるでしょう。
四季を通じて楽しめる石神の丘アートコース
岩手町は北緯40度線上に位置し、豊かな自然に恵まれた地域です。標高の高い丘陵地帯には清涼な空気が流れ、クアオルト健康ウォーキングに最適な環境が整っています。
春には新緑が芽吹き、石神の丘美術館の「花とアートの森」では様々な草花が咲き始めます。桜の季節には、彫刻作品と桜のコントラストが美しい風景を見せてくれます。夏は岩手の自然が最も輝く季節です。石神の丘アートコースでは、緑豊かな森の中を涼しい風を感じながら歩くことができます。6月下旬から7月上旬にかけてはラベンダーが見頃を迎え、紫色の花畑と芳香が来場者を魅了します。また、この時期にはブルーベリーの収穫も始まり、いわてまちブルーベリー観光農園でブルーベリー狩りを楽しむこともできます。
秋には紅葉が丘陵を彩り、彫刻作品との美しいコントラストを楽しむことができます。10月には岩手町産業まつりや川口秋まつりなどのイベントも開催され、地域の魅力を存分に味わえます。冬は凛とした空気の中での散策が楽しめます。積雪時は注意が必要ですが、雪景色と彫刻作品が織りなす幻想的な風景は、この季節ならではの魅力です。
石神の丘アートコースは、ドイツ発祥のクアオルト健康ウォーキングの理念を取り入れた、日本でも珍しい健康増進ウォーキングコースです。全長約3キロメートルのコースでは、アート作品、四季折々の自然、丘陵の景観を楽しみながら、心身の健康を整えることができます。太陽生命クアオルト健康ウォーキングアワード2024で優秀賞を受賞した岩手町の取り組みは、地域の自然と文化を活かした健康まちづくりの好例といえます。石神の丘美術館の「花とアートの森」や森林セラピー基地との融合により、単なるウォーキングを超えた、五感で楽しむ健康体験が可能となっています。北上川源泉の地、彫刻のまち、野菜王国として知られる岩手町の魅力を存分に味わいながら、心も身体も健康になれる石神の丘アートコースは、健康づくりや観光に訪れる価値のあるスポットです。









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