古宇利大橋とワルミ大橋を歩く沖縄北部ウォーキングコース完全ガイド

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古宇利大橋・ワルミ大橋・羽地内海を巡るウォーキングコースは、沖縄本島北部の名護市と今帰仁村にまたがる徒歩観光ルートです。全長1,960メートルの古宇利大橋を片道30分で歩き、高さ約37メートルのワルミ大橋から海峡を見下ろし、沖縄の松島と呼ばれる羽地内海の穏やかな水面を眺めます。那覇空港から車で1時間30分ほど北上した先に、この一帯が広がっています。観光バスの定番ルートからは外れており、レンタカーで通り抜けるだけで終わる人が多い場所です。しかし橋の欄干越しに透けた海を覗き込む感覚、マングローブが茂る干潟の湿った空気、干潮時にだけ姿をあらわす岩は、車の窓越しでは何ひとつ拾えません。本記事は、この一帯を徒歩と自転車で巡るための距離、所要時間、駐車場、季節ごとの注意点を、実際に組める旅程として整理しました。半日から一日かけて動ける方に、特におすすめします。

目次

ワルミ大橋は全長315メートル、日本国内でも屈指のアーチ橋

ウォーキングの起点として選びたいのが、ワルミ大橋です。本部半島(今帰仁村天底)と屋我地島(名護市我部)の間に架かるアーチ橋で、2010年12月18日に開通しました。全長315メートル、アーチ支間210メートルの上路式RC固定アーチ橋で、海面からの高さは約37メートルにおよびます。合成鋼管アーチ巻立工法によるアーチ橋としては日本国内で最長、アーチ橋全体でも国内5番目の長さです。工事費は45億円、沖縄県道248号屋我地仲宗根線の一部を構成しています。

開通前は屋我地島から今帰仁村へ大きく迂回する必要がありました。この橋の完成で、美ら海水族館から古宇利大橋までの所要時間がおよそ半分に縮まったといわれます。橋の今帰仁村側のたもとには駐車場と東屋が整備されており、車を停めて歩道を渡れます。歩道は今帰仁村側から見て左手に続いています。欄干はそれほど高くありません。少し前かがみになると、眼下のワルミ海峡がそのまま覗き込めます。往復の距離は600メートル強で、ゆっくり歩いても15分から20分あれば足ります。

橋の上からの眺めは方角で表情が変わります。南側を向けば羽地内海の穏やかな湾と、その奥に連なる名護・本部の山並み。北側を向けば屋我地島の先に古宇利大橋、さらにその先に古宇利島のシルエットが見えます。

橋の駅リカリカワルミの展望テラスから古宇利大橋を一望する

ワルミ大橋の今帰仁村側のたもとに、橋の駅リカリカワルミがあります。橋の開通2年後にオープンした複合施設で、今帰仁村の特産品直売と飲食コーナーが入っています。ただし観光客の目当ては、展望テラスからの眺めです。テラスに立つと、今帰仁の緑深い山並みと、その先へ一直線に伸びる全長約2キロメートルの古宇利大橋が視界に収まります。天気が良ければ、遠く伊是名島まで見える日もあるそうです。古宇利大橋の周辺は観光客で混みますが、ここは訪れる人が少なめで、静かに景色を眺められます。ワルミ大橋を歩いた後の休憩地点として、ちょうどよい場所です。

羽地内海は沖縄八景に数えられる穏やかな内海

屋我地島の南側に広がるのが、羽地内海です。沖縄本島北部の名護市に位置するこの内海は、四方を陸地や島に囲まれているため波が立ちにくく、穏やかな水面が広がります。複数の島々が浮かぶ景色が宮城県の松島を思わせるため、沖縄の松島と呼ばれます。沖縄八景の一つにも数えられている場所です。

内海の周囲には大小の島や岬が入り組み、沿岸にはマングローブ林が広がります。干潟には多くの生き物が住み、内海全体が国指定の屋我地鳥獣保護区に指定されています。渡り鳥の飛来地としても知られています。夕方になると、水面が夕焼け色に染まる光景が広がります。観光地化されておらず、静かな入り江に立って空と水面を眺めるだけの時間が流れます。

ウォーキングという観点では、屋我地島の南岸沿いを走る道路を歩きながら、随所で海の眺めを拾うのが基本になります。車道ですが交通量は多くありません。名護市街地方面からは国道505号線沿いに眺望が開けるポイントがあり、車や自転車でのアクセスも可能です。

屋我地島は東シナ海と羽地内海に挟まれた島

ワルミ大橋を渡った先の屋我地島は、二つの海に挟まれた地理をもちます。北側は開けた東シナ海に面し、古宇利大橋へ続く道路沿いに青い海が広がります。南側は穏やかな羽地内海に面しており、静かな内海の風景が続きます。一つの島で対照的な二つの海を歩けるのが、屋我地島の特徴です。

島の南岸には、日本の重要湿地500に指定されたマングローブ林があります。推定樹齢100年のオヒルギ群落を含む4種類のマングローブが生育しており、沖縄本島でも屈指の樹齢と樹高です。高さ10メートルを超えるオヒルギの林の中を、カヤックで進むツアーもあります。

島内には屋我地エコツーネットという体験観光施設があります。マングローブ林の散策や干潟の生き物観察を扱っており、干潮時にはカニや巻き貝、ハゼが観察できます。饒平名(よへな)地区の干潟には多くの渡り鳥が飛来する時期があります。屋我地島全体が国指定の鳥獣保護区に指定されているため、豊かな生態系が守られており、バードウォッチングにも向いた環境です。

古宇利大橋は全長1,960メートル、徒歩片道約30分

屋我地島の北端から古宇利島へ続く古宇利大橋は、全長1,960メートルの橋です。2005年2月8日に開通しました。沖縄県内の通行無料の橋としては2番目に長く、橋の両側にはコバルトブルーからエメラルドグリーンへ移り変わる海が広がります。

古宇利大橋には歩道が整備されており、徒歩で渡れます。片道約30分の距離です。沖縄の日差しの下では決して楽ではありません。それでも橋の上から見る360度の海は、車で通り過ぎるだけでは味わえないものです。橋の上は常に海風が吹いており、晴れた日は照り返しも強く出ます。帽子、サングラス、飲料水は必ず用意してください。

橋から足元を覗くと、透明度の高い海の底まで見える場所があります。運がよければ魚の群れが見えます。海の色は時間帯と天候で刻々と変わるため、歩いている間ずっと景色が動いている感覚があります。

名護市側(屋我地島側)の橋のたもとには、古宇利大橋南詰展望所があります。普通車約40台分の無料駐車場が整備されており、展望台からは高い視点で橋と海が見渡せます。展望所から階段でビーチに降りることもできます。今帰仁村側(古宇利島側)のたもとにも展望スポットがあり、渡り終えたあとに振り返ると、全長1,960メートルの橋が海の彼方まで一直線に伸びる姿が目に入ります。

古宇利島は周囲約8キロメートル、恋の島のビーチと岩

古宇利大橋を渡りきった先が、古宇利島です。恋の島として全国的に知られる観光地で、周囲は約8キロメートルほど。自転車なら1時間から2時間で一周できます。島内にはレンタサイクル店があり、電動アシスト自転車も借りられます。

島最大の見どころが、ハートロック(ティーヌ浜)です。島の北側にあるティーヌ浜の二つの岩が、ある角度から見るとハート形に見えます。もともとは航空会社のテレビCMに登場したことで一気に知名度が上がり、恋愛のパワースポットとして定着しました。岩は海風と波が長い時間をかけて形成したもので、角度によっては逆ハート形にも見えます。干潮時にはハート形がくっきりあらわれるため、訪問前に潮見表を確認しておくのがおすすめです。

北東部の古宇利ビーチは、整備された白い砂浜で、透き通った海でのシュノーケリングが楽しめます。クラゲ防止ネットが設置されているため、小さな子ども連れでも安心です。砂粒は細かく、裸足で歩いても痛くありません。

観光客が少ない穴場としては、島の反対側(北西部)のトケイ浜と、その隣のピース浜があります。ピース浜は林の中を抜けた先にあり、たどり着くまでにちょっとした冒険気分を味わえます。

島の入口付近の古宇利島の駅ソラハシは、観光案内所と土産物店を兼ねた拠点で、レンタサイクルの貸出も扱っています。島の最北端には古宇利オーシャンタワーがあり、有料の展望台からは古宇利大橋と海のパノラマが広がります。庭園をバギーで巡るアトラクションも併設されています。

ハートロック(ティーヌ浜)は干潮のタイミングを狙う

ハートロックは干潮時が狙い目です。ティーヌ浜は古宇利島の北側の小さな砂浜で、駐車場から徒歩約5分、距離にして約200メートルほど。ただし途中に砂で滑りやすい急な坂があります。ビーチサンダルでは危ないので、歩きやすい靴で向かってください。

浜に降りると、海の中に二つの岩が立っています。角度によって形が変わるため、少し場所を移しながらベストなポジションを探すのが楽しみ方の一つです。干潮時は岩の根本近くまで水が引き、ハート形がより鮮明にあらわれます。

早朝(日の出前後)は観光客がほとんどおらず、静かにハートロックを眺められる時間帯です。夕方は西日でロマンチックな雰囲気になりますが、訪問者はぐっと増えます。カップルで訪れるなら早朝、写真狙いなら夕方といった使い分けができます。ティーヌ浜の海は透明度が高く、岩の周辺で熱帯魚の群れが見られることもあります。シュノーケリング装備があれば水中も楽しめますが、サンゴを傷つけないよう足元には気を配ってください。

半日で巡るモデルコースは徒歩と車の組み合わせ

このエリアを効率よく巡るモデルコースを紹介します。徒歩、車、自転車を組み合わせた、半日で回せる行程です。

出発はワルミ大橋の今帰仁村側駐車場です。まず歩道でワルミ大橋を往復し、羽地内海と古宇利島方面の眺望を楽しみます。所要は20分から30分ほど。続いて橋の駅リカリカワルミへ移動し、展望テラスから古宇利大橋のパノラマを眺めながら休憩をとります。ここでも20分から30分ほど滞在するとちょうどよい流れです。

車で屋我地島を縦断し、古宇利大橋南詰展望所へ向かいます。移動時間は10分から15分。南詰展望所の駐車場に車を停め、展望台から橋と海を眺めます。時間があれば階段で海辺に降り、砂浜から橋を見上げるアングルも試してください。

ここから古宇利大橋を徒歩で渡ります。片道約30分の道のりです。できれば早朝か夕方の、気温が下がる時間帯にあわせてください。橋を渡りきったあとは、古宇利島内をレンタサイクル(電動アシストが楽です)で1時間から2時間かけて巡ります。ハートロックや古宇利ビーチ、トケイ浜、ピース浜が主な立ち寄り先です。

日差しが強い時期は、体力の消耗が想像以上に早くなります。春(3月から4月)と秋(10月から11月)がもっとも快適に歩ける季節です。夏(7月から8月)は気温が35度前後まで上がるため、朝7時から9時のスタートを強くすすめます。

那覇空港からのアクセスは車で約1時間30分

那覇空港からのアクセスは、車の利用が現実的です。沖縄自動車道を使い許田ICで降り、国道58号線・県道84号線などを経由します。所要時間は約1時間30分から2時間です。高速を使わない場合は2時間から2時間30分かかります。

路線バスは乗り継ぎが必要でやや不便です。那覇バスターミナルから名護バスターミナルまで高速バスで向かい、名護から今帰仁村方面のバスに乗り換える形になりますが、本数が限られます。観光目的なら、基本的にレンタカーの手配をおすすめします。

駐車場は、ワルミ大橋の今帰仁村側と橋の駅リカリカワルミ、古宇利大橋南詰展望所(普通車約40台分)にそれぞれ無料で用意されています。ワルミ大橋・古宇利大橋ともに、徒歩・自転車・車の通行料は無料です。古宇利島までは、那覇空港から約85.5キロメートルの距離があります。

快適に歩けるのは1月から3月と10月から12月

このエリアを快適に歩ける時期は、1月から3月と10月から12月です。1月から3月は気温が20度前後で、強い日差しを避けながら歩けます。ただし沖縄の冬は雨が多いため、出発前の天気予報チェックは欠かせません。海の透明度は冬でも高く、曇っていても海の色は十分に楽しめます。

10月から11月は台風シーズンが終わり、気候が落ち着きます。気温は25度から28度前後で、ウォーキングにはもっとも向いた季節です。夏(7月から9月)は気温が35度近くまで上がり、台風の影響も受けやすくなります。どうしてもこの時期に訪れる場合は、朝7時から9時に集中して歩き、日中は屋内施設や日陰で休憩を挟んでください。

装備面での注意点を整理します。日焼け止め、帽子、サングラスは季節を問わず必携です。古宇利大橋の歩道は遮るものがないため、風の強い日はバランスを崩さないよう気をつけてください。夏は熱中症対策として飲料水を多めに持ち歩くこと。古宇利大橋は片道約2キロメートルあり、往復すれば4キロメートル近くになります。体力に応じて無理のない計画を立ててください。屋我地島と古宇利島のビーチはサンゴ礁が多く、ビーチシューズや水中サンダルがあると足を守れます。マングローブ林は決められたルート以外への立ち入りが禁止されているため、内部を歩くならガイドツアーへの参加が前提となります。

レンタサイクルは1時間500円から、電動アシストなら1,000円から

古宇利島と屋我地島は、レンタサイクルとの相性がよいエリアです。車では入りにくい細い道や、歩くには遠い場所へアクセスできます。

古宇利島は周囲約8キロメートルで、ほぼ平坦な道が続くため初心者でも走れます。一周30分から1時間、休憩を含めても1時間30分から2時間で主要スポットを回れる規模です。ただしハートロック周辺には坂道があります。体力に自信のない方は、最初から電動アシスト自転車を選んだほうが楽です。

料金の目安はおおむね次のとおりです。

貸出場所車種料金の目安
古宇利ふれあい広場普通自転車1時間500円、1日1,000円
美らテラス(屋我地島側)電動自転車1時間1,000円から、2時間2,000円から
古宇利島の駅ソラハシ各種レンタサイクル店頭で要確認

古宇利ふれあい広場の営業時間は10時から18時が目安です。年中無休の店舗が多く、事前予約なしでも借りられる場合があります。美らテラスは事前予約に対応しています。

古宇利大橋は自転車でも渡れます。徒歩より短時間で橋上の景色を楽しめますが、風の強い日は自転車が不安定になるため、無理をしないでください。

古宇利島の海沿いカフェで沖縄グルメを味わう

古宇利大橋の開通以降、古宇利島には約30軒の飲食店が集まりました。海を眺めながら食事できるオーシャンビューのカフェとレストランが並びます。ウォーキングと自転車観光の合間に、地元の料理を味わってください。

海の家YOSHIKA(よしか)は、古宇利大橋を渡ってすぐの海沿いにあります。海鮮丼、タコライス、沖縄そばなど、値段のわりに満足感の高いメニューが揃います。レンタサイクルの貸出も扱っているため、食事と自転車観光を同じ場所で始められます。

カフェフクルビは高台に建つ絶景カフェで、テラス席から広い海が一望できます。タコライスやハンバーグ、ピザなどの食事メニューに加え、沖縄産のトロピカルフルーツを使ったスムージーも人気です。

カフェとうらくは、本部半島や伊江島まで望めるテラス席が魅力です。ゴーヤーやグルクンなど沖縄食材にこだわった料理を出しています。

橋の駅リカリカワルミでは、今帰仁村の特産品を使った軽食が食べられます。ウォーキングコースの序盤で立ち寄り、エネルギーを補給する場所として最適です。

周辺で足を延ばしたい観光スポット

エリア内でもう少し時間が取れる方に、周辺スポットも紹介します。

沖縄美ら海水族館は、ワルミ大橋から車で20分から30分の位置にある本部町の水族館です。ジンベイザメの展示で世界的に有名です。敷地内の海洋博公園は無料で入場でき、エメラルドビーチや熱帯植物園も楽しめます。

今帰仁城跡は世界遺産に登録された琉球王国時代の城跡で、ワルミ大橋から車で約10分から15分の距離にあります。1月から2月にかけては寒緋桜(カンヒザクラ)の名所として親しまれます。

運天森園地展望台は、古宇利大橋南詰展望所から車で約12分の穴場展望スポットです。古宇利大橋と海を違う角度から見渡せます。訪れる人が少なく、静かに景色を楽しめます。

屋我地エコツーネットは、マングローブ散策ツアーと干潟体験を提供している屋我地島の体験施設です。事前予約が必要な場合があるため、公式サイトで確認してから訪問してください。

古宇利オーシャンタワーは、古宇利島の高台にある展望施設です。展望台からは古宇利大橋とエメラルドブルーの海のパノラマが広がります。タワー内にはレストランとショップがあり、庭園をバギーで巡るアトラクションも人気です。

車窓ではなく足で歩いて確かめる沖縄北部

古宇利大橋・ワルミ大橋・羽地内海の一帯は、車を降りて自分の足で歩いた人だけが持ち帰れる景色をもっています。エメラルドグリーンの海の上に架かる二本の橋、穏やかな内海に浮かぶ島々、マングローブが茂る干潟、恋の島の岩。これらを窓越しに流し見るだけでは、あまりにもったいない話です。

歩いてみて初めて気づくことがあります。橋の欄干越しに透けた海の底が見えたり、風に乗ってマングローブの匂いが漂ってきたり、干潟の砂の上をカニが走っていたり。移動しているだけの視線ではとらえきれない情報が、足の速さで動いているとふっと入ってきます。

那覇や中部リゾートエリアとは違う、静かで自然の残る沖縄北部の姿を確かめたい方には、このエリアの徒歩観光は間違いなくおすすめできます。ワルミ大橋から羽地内海を眺め、屋我地島を経由して古宇利大橋を渡り、古宇利島の恋の岩までたどりつく行程は、旅程の一日ぶんを割いてでも試してほしい内容です。

なお、施設の営業状況や交通情報は変わることがあります。訪問前には今帰仁村観光協会・名護市観光協会や各施設の公式サイトで最新情報を確認してから出発してください。特に夏の台風シーズン(7月から9月)は、橋の通行規制や施設の臨時休業が発生する場合があります。

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