由布院の大分川沿いを歩くウォーキングコースは秋にコスモスが見頃に

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由布院の大分川沿いを歩くウォーキングコースは、秋になるとコスモスが由布岳を背景に咲き誇る散策路です。金鱗湖や湯の坪街道でにぎわう由布院温泉街から少し足を延ばすだけで、川面と花と山並みを一緒に楽しめます。春は桜と菜の花、初夏はホタル、そして秋はコスモスと、季節ごとに違う景色に出会えるのがこの遊歩道の面白いところです。この記事では、コースの具体的なルートと距離、コスモスが見頃を迎える時期、由布院駅からのアクセス方法までをまとめます。旅程を組む際の参考にしてください。

目次

御幸橋から城橋までの420メートルが大分川沿いコースの中心

由布院温泉を流れる大分川には「ゆふいん自然遊歩道」という散策路が整備されていて、由布岳を正面に望みながら川の両岸を歩けます。なかでも観光客が多く訪れるのは御幸橋から城橋にかけての区間で、その距離はおよそ420メートルです。数字だけ見ると短く感じるかもしれませんが、川と山と花を同時に眺められる区間としては十分な長さです。

城橋の上流側で川は二手に分かれ、右手が白滝川、左手が大分川です。分岐点付近は由布岳の眺めが特によく、記念撮影をする人の姿もよく見かけます。由布岳を真正面に望める「ゆふいん山水館」の裏手も、写真を撮るなら立ち寄っておきたい場所です。川沿いには両岸に歩道があるので、行きと帰りで対岸を歩けば、同じコースでも違う角度から由布岳とコスモスを楽しめます。

歩道自体は基本的に平坦で、本格的な登山装備がなくても歩けます。スニーカーで十分ですが、河川敷に近い部分は地面が湿っていることもあるので、歩きやすい靴を選んでおくと安心です。

大分川は初夏にホタルが舞う川としても知られています。ホタルのうちゲンジボタルは、餌となるカワニナという巻貝が育つきれいな水がないと生きられず、幼虫のあいだの約9か月ほどを水中で過ごします。成虫は地域差はあるものの5月から7月にかけて発生することが多く、大分川沿いで蛍が見られるのは、この川の水質が保たれてきた証でもあります。秋にコスモスを目当てに歩くなら関係のない話に思えるかもしれませんが、同じ川が季節ごとに違う顔を見せてくれると分かると、また来てみたくなります。

秋のコスモスは10月から11月に見頃を迎える

コスモスの開花時期は6月から11月頃までと幅が広く、7月から8月に咲く「夏咲き」、9月頃の「早咲き」、そして10月から11月に咲く「秋咲き」の3タイプに分かれます。由布院・大分川沿いで秋の風物詩として楽しまれているのは、この秋咲きのコスモスです。同じ川沿いでは春に桜と菜の花が咲くことで知られていますが、季節が変われば主役の花も変わり、秋はコスモスの淡い色合いが由布岳の稜線に寄り添います。

コスモスはキク科コスモス属の一年草で、草丈は50センチから150センチほどまで育ちます。日当たりと水はけの良い場所を好み、やせた土地でも元気に育つ丈夫さが特徴です。茎は1メートルから2メートルほどまで伸びることがあり、強風で倒れても、倒れた場所から根を出して起き上がり、そのまま花を咲かせ続けます。見た目は華奢なのに、実際のところはかなりしぶとい花です。

花言葉は「調和」「謙虚」「乙女の真心」とされていて、花の色ごとにも異なる意味が割り当てられています。赤いコスモスは「愛情」、白いコスモスは「優美」、桃色のコスモスは「純潔」です。風に揺れる姿の可憐さと、倒れても咲き続ける力強さを両方持っている花なので、由布岳を背景に眺めていると不思議と気持ちが落ち着きます。

なお、コスモスの開花状況は年によって前後しますし、台風や大雨のあとは花が傷んでいることもあります。訪れる直前に由布市や地元の観光案内所、観光情報サイトで開花状況を確認しておくことをおすすめします。せっかく由布岳まで足を運んでも、花が少ない時期に当たっては残念なので、この一手間は惜しまないほうがいいと思います。

由布院駅から金鱗湖経由で大分川沿いまでは徒歩30分前後

コースの起点にはJR久大本線の由布院駅が便利です。駅を出て6分ほど歩くと「湯の坪街道」が始まり、由布院ならではのスイーツ店やカフェ、土産物店が並びます。ここで食べ歩きを挟みながら金鱗湖方面へ進むと、由布院駅から金鱗湖までは徒歩20分から30分ほどです。

金鱗湖は一周15分ほどで歩ける小さな湖で、湖畔にはカフェやレストラン、奥には天祖神社もあります。大分川沿いの散策路はこの金鱗湖から温泉街にかけての一帯を流れる川に沿って整備されているので、金鱗湖を見たあとにそのまま大分川沿いへ足を延ばす流れが歩きやすいです。御幸橋から城橋までの420メートルを中心に歩き、余裕があれば城橋の先の分岐点まで足を延ばすと、川の表情がまた変わって見えます。

写真撮影やカフェ休憩を挟みながら由布院駅、金鱗湖、大分川沿いをひとめぐりする場合、1時間半から2時間ほどが目安になります。湯の坪街道での食べ歩きや温泉も含めるなら、3時間から4時間ほど観光時間を確保しておくと、慌ただしくならずに楽しめます。

金鱗湖は湖底から温泉が湧き、朝霧に包まれることもある

大分川沿いの散策路は、金鱗湖から由布院温泉街にかけての一帯を流れる川に沿って整備されています。金鱗湖は由布院を代表する景勝地で、湖底から温泉と清水がわき出しているのが特徴です。朝晩の気温差が大きい時期には、湖面から霧が立ちのぼり、湖全体が幻想的な雰囲気に包まれることがあります。これは大分川沿いで見られる朝霧と同じ、盆地特有の冷え込みが生む景色です。

湖畔にはカフェやレストランのほか、奥には天祖神社もあり、あわせて立ち寄る人が多いスポットです。少し足を延ばせば由布院焼酎製造所や由布院ステンドグラス美術館もあり、コスモスや紅葉を眺めたあとの寄り道先としてちょうどいい距離感です。金鱗湖自体は一周15分ほどで歩けるので、大分川沿いのウォーキングと合わせても、そこまで時間を取られません。

湯の坪街道は由布院駅から金鱗湖へ向かう道沿いに続く観光通りで、由布院ならではのスイーツの食べ歩きや土産物選びを楽しめます。大分川沿いを歩く前後にひと息つくカフェを見つけるにも向いていますし、混雑を避けたいなら、朝の早い時間帯に大分川沿いを先に歩いてから、人が増えてくる時間帯に湯の坪街道へ回るという順番もおすすめです。

ウォーキングで少し汗をかいたら、日帰り温泉や外湯で由布院ならではの湯につかるのもいいものです。由布岳の景色、川沿いの花、そして温泉と、由布院は一日でいくつもの楽しみ方ができる土地です。

由布岳の紅葉は10月下旬から11月ごろに見頃

由布院温泉は由布岳、黒岳など標高1,000メートル級の山々に囲まれた盆地にあり、由布岳のふもとに由布院盆地が広がっています。この地形のおかげで、大分川沿いを歩きながら見上げる山の紅葉と、川沿いのコスモスを同じ時期に楽しめることが多くなっています。由布岳や金鱗湖周辺の紅葉は、例年10月下旬から11月上旬頃、あるいは10月下旬から11月下旬頃にかけて見頃を迎えます。

盆地特有の気象条件もこの時期ならではの見どころです。11月頃、朝に冷え込む日には由布院盆地全体を覆う霧や雲海が発生することがあり、早朝の大分川沿いを歩くと、朝霧に包まれた川面とコスモス、そして雲海に浮かぶ由布岳という景色に出会えることがあります。ただし朝霧が出るかどうかはその日の気温や湿度に左右されるため、確実に見られるとは限りません。それでも、コスモスの季節に合わせて一泊し、早朝に大分川沿いを歩いてみる価値は十分にあると感じます。

紅葉が進むには、その日の最低気温が8度以下になることが目安とされ、5度以下まで下がると色づきは一気に進むといわれています。さらに1日の寒暖差が大きいほど、葉の中に赤い色素であるアントシアニンがきれいにたまり、色が濃くなります。標高1,000メートル級の山々に囲まれた由布院盆地は、この寒暖差が生まれやすい地形です。日中は歩いていると汗ばむこともありますが、朝晩は冷え込みやすいので、羽織れる上着を一枚持っていくと安心です。

コスモスはメキシコ原産で明治時代に日本へ伝わった花

コスモスの原産地はメキシコです。18世紀末にスペイン人がヨーロッパへ持ち込み、日本には明治時代に渡来したと伝えられています。そこから日本の風土に馴染み、昭和の半ば以降は野生化して各地で群生するようになり、今では「秋桜」の字が当てられて秋の風物詩として親しまれています。

もともとは外国から来た花が、大分川沿いのような日本の川辺の風景に溶け込んで由布岳を背景に咲いている様子を眺めると、130年以上かけて根づいてきた花なんだなと、ふと感慨深くなります。

由布院温泉は歓楽色を排した保養地として発展してきた

由布院温泉は古くから湯治場として利用されてきた土地です。田園風景を生かした保養地としての開発は当時から続いていて、1925年には鉄道が延伸し、現在の由布院駅にあたる駅が開業しました。このころから避暑地として知られるようになったといいます。

昭和20年代後半、由布院町は財政面で苦しい時期を迎えましたが、1955年に湯平村と合併して湯布院町が誕生し、1959年には由布院温泉と湯平温泉が「湯布院温泉」として国民保健温泉地の指定を受けました。昭和40年代からは町ぐるみで夏に映画祭や音楽祭を開催し、歓楽色を排して女性も訪れたくなる環境づくりを続けてきたそうです。

大分川沿いに桜と菜の花、ホタル、コスモスといった自然の景色を活かした遊歩道が今も大切にされているのは、こうした田園風景を重視した由布院のまちづくりの流れがあるからだと感じます。派手な観光施設ではなく、季節の花と山の景色で人を呼ぶというやり方が、この散策路にもそのまま表れています。大掛かりな造成をせず、もともとある川と山を活かしただけの散策路が、これだけ長く観光客に歩かれ続けているのは、それだけ由布岳の眺めとコスモスの取り合わせに力があるということでもあります。

「由布院」は温泉地名、「湯布院」は町村合併で生まれた行政名

この記事では「由布院」の表記で統一していますが、旅行情報を調べていると「湯布院」という表記も同じくらい目にします。どちらが正しいというわけではなく、指すものが違うだけです。奈良時代の風土記によれば、この地域は木綿の産地として「柚富郷」と呼ばれ、平安時代に「由布郷」となり、大宰府政庁の備蓄倉庫が置かれたことから「由布の院」、つまり由布院と呼ばれるようになったとされています。

一方の「湯布院」は、1955年に旧湯平村と旧由布院町が合併して生まれた町名です。温泉そのものを指すなら「由布院温泉」が本来の表記で、観光ガイドで見かける「湯布院温泉」は行政上の町名に由来する表記ということになります。大分川沿いのコースを歩くだけならどちらの表記でも困りませんが、地名の成り立ちを知っておくと、旅先での見え方が少し変わってくるかもしれません。

大分駅からのアクセスはJR久大本線で約1時間、運賃950円

由布院温泉への行き方はいくつかありますが、大分駅からJR久大本線の普通列車を使う場合、所要時間は約1時間、運賃は950円が目安です。特急列車を使えばもう少し早く着けますが、その分運賃は上がります。福岡・博多方面からは、特急で別府駅まで移動してバスに乗り継ぐルートと、福岡・福岡空港から由布院まで直通で結ぶ高速バス「ゆふいん号」を利用するルートがあります。

出発地交通手段所要時間の目安運賃の目安
大分駅JR久大本線(普通)約1時間950円
大分駅JR久大本線(特急)約44分1,840円以上
大分駅亀の井バス湯布院線約43分1,000円
福岡・福岡空港高速バス「ゆふいん号」約2時間前後路線により異なる
大分空港空港特急バス(大分交通・亀の井バス)約55分2,000円

飛行機を使うなら大分空港からの空港特急バスが便利です。大分空港と由布院のあいだには鉄道の直通路線がなく、電車で移動しようとすると大分駅での乗り換えが必要になり、2時間以上かかってしまいます。一方、大分交通と亀の井バスが共同運行する空港特急バスは高速道路を経由してノンストップで由布院まで向かうため、所要時間は約55分、料金は2,000円と、時間の面でも料金の面でも効率のよい移動手段です。

自家用車で向かう場合は、大分自動車道の湯布院インターチェンジを利用するのが一般的です。由布院駅周辺や大分川沿いには観光客向けの駐車場もありますが、紅葉やコスモスの見頃と重なる秋の観光シーズンは駅周辺や主要な駐車場が混み合いやすくなります。公共交通機関を使うか、時間に余裕を持った移動計画を立てておくと安心です。

訪れる際に押さえておきたい注意点はコスモスの開花確認の1点

由布院温泉では例年11月上旬から周辺の木々が色づき始め、中旬にはカエデやイチョウが見頃を迎えます。この時期は昼と夜の気温差が10度以上も開くことがあり、週末は観光客が集中して混み合いやすくなります。大分川沿いのコスモスと紅葉をゆっくり落ち着いて眺めたいなら、週末を避けて平日の午前中に歩くことをおすすめします。それが難しければ、せめて朝の早い時間帯を選ぶだけでも、人の少ない川沿いをゆっくりと歩けます。

大分川沿いのコスモスを目当てに由布院を訪れるなら、事前にコスモスの開花状況を確認しておくこと、これに尽きます。コスモスは丈夫な花ですが、台風や大雨のあとは花が傷んでしまうことがありますし、年によって見頃の時期が前後することもあります。せっかく足を運んでも花が少ない時期に当たってしまってはもったいないので、出発前に由布市や観光案内所、観光情報サイトで最新の状況を確認しておくのが確実です。

歩道そのものに特別な注意点はほとんどありません。平坦な川沿いの道なので、普段使っているスニーカーで問題なく歩けますし、御幸橋から城橋までの420メートルほどという距離も、体力に自信がない人でも無理なく歩き切れる範囲です。子どもや年配の家族と一緒に歩く場合も、この距離感なら休憩を挟まずに往復できます。

由布院・大分川沿いのコスモスについてよくある疑問

由布院のコスモスはどこで見られるのかという疑問には、大分川沿いの御幸橋から城橋にかけての区間、そして城橋上流の白滝川との分岐点付近が答えになります。由布岳を真正面に望める「ゆふいん山水館」の裏手も、コスモスと山を一緒に写真に収めやすい場所です。撮影の時間帯にこだわるなら、コスモスのような淡い色の花は、正午前後の強い光よりも、早朝の日の出から9時ごろまで、あるいは夕方の日没前の時間帯が向いています。光が横から差し込むぶん、花と光と影のコントラストが柔らかく出ます。花を後ろから光が透けるように逆光で撮ると、花びらの輪郭がくっきりして、生き生きとした一枚に仕上がります。

由布院観光にどのくらい時間を取ればいいのかという点については、大分川沿いのウォーキングだけなら1時間半から2時間、湯の坪街道の食べ歩きや温泉まで含めるなら3時間から4時間を見ておくと余裕を持って楽しめます。日帰りでも十分に楽しめますが、朝霧や雲海まで見たいなら前泊して早朝に歩くのがおすすめです。前泊すれば、紅葉シーズンに混み合いやすい週末の日中を避けて、朝いちばんの静かな時間に大分川沿いを歩くという選択肢も取りやすくなります。

由布院までの行き方については、大分駅からはJR久大本線または路線バス、福岡・博多方面からは特急とバスの乗り継ぎ、もしくは高速バス「ゆふいん号」の直通、飛行機なら大分空港から空港特急バスが選べます。所要時間や運賃は経路によって差があるので、上の比較表を参考にしながら、自分の出発地に合った移動手段を選んでください。九州の中心部から離れた場所から向かう場合は、空港バスの直行便が乗り換えの手間を減らせる分、体力を温存したまま大分川沿いのウォーキングに臨めます。

由布院・大分川沿いのウォーキングコースは、由布岳を望む景色と季節ごとの花を、無理のない距離で楽しめる散策路です。秋はコスモスの淡い色合いと由布岳の紅葉、うまくいけば早朝の朝霧まで、一度の訪問で複数の秋らしい景色に出会えます。奈良時代から続く由布院という地名のもとで、明治時代に海の向こうから来たコスモスが今も由布岳を背景に咲いている様子は、考えてみるとなかなか面白い組み合わせです。歩きやすい靴と一枚羽織れる上着を用意して、開花状況を確認したうえで出かければ、由布院ならではの秋のひとときを味わえるはずです。

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