礼文島 岬めぐりコース完全ガイド|花の浮島トレッキングの魅力

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礼文島の岬めぐりコースは、北海道最北の離島「花の浮島」礼文島を代表するトレッキングコースで、スコトン岬・ゴロタ岬・澄海岬の3つの岬をめぐる全長約12.4キロメートルのルートです。海抜0メートルから咲き誇る約300種の高山植物と、日本海の壮大な絶景を同時に楽しめることから、全国のトレッキング・ウォーキング愛好者に高い人気を誇っています。この記事では、岬めぐりコースの詳細な区間情報をはじめ、初心者向けの桃岩展望台コース、花の見頃カレンダー、必要な装備、アクセス方法、おすすめのモデルプランまで、礼文島トレッキングに必要なすべての情報をお届けします。花の浮島での感動的なウォーキング体験を計画する際の参考にしてください。

目次

礼文島とは?「花の浮島」と呼ばれる理由

礼文島(れぶんとう)は、北海道最北端の稚内市から西方約60キロメートルの日本海上に浮かぶ離島です。南北約25.8キロメートル、東西約7.9キロメートル、周囲約72キロメートルのやや細長い形をしており、最高地点は島の中央部にそびえる礼文岳(標高490メートル)となっています。

「花の浮島」という美しい名前で呼ばれる理由は、冷涼な海洋性気候によって、本州では標高2,000メートル級の高山でしか見られない高山植物が、海抜0メートルの海岸線付近から咲き乱れるためです。約1万年前の氷河期の終わりに海面が上昇し、礼文島の西側は急斜する海蝕崖として断崖絶壁が形成されました。ここに西からの季節風が吹きつけることで霧が頻繁に発生し、強い風のため背の高い植物が育ちにくい環境が生まれました。この特殊な条件により、低地でも高山植物が生育できる世界的にも珍しい環境が整ったのです。

礼文島では約300種もの高山植物が確認されており、レブンアツモリソウやレブンウスユキソウなど、この島でしか見られない固有種も複数存在します。毎年6月から7月にかけてが花の最盛期で、島全体が色とりどりの花々で彩られます。

礼文島の歴史と文化的背景

礼文島の歴史は非常に古く、約4,000年前の縄文時代の遺跡や、約1,500年前のオホーツク文化期の遺跡が島内に残されています。先史時代には縄文人やオホーツク人がこの地で生活を営んでいた痕跡が発見されており、北方の厳しい自然環境の中で人々が暮らしていたことがうかがえます。

1685年には松前藩の直轄地として宗谷場所が開設され、礼文は利尻とともに付属場所として開設されました。その後、アイヌ民族による煎海鼠(いりこ)や鰊漁による和人との交易場所として徐々に開拓が進んでいきました。現在の礼文島は人口約2,400人の漁業と観光の島として、毎年多くの旅行者を迎え入れています。

礼文島へのアクセス方法

礼文島へは、稚内港からハートランドフェリーを利用するのが一般的です。稚内港から礼文島の香深(かふか)港までの所要時間は約2時間で、2025年時点での2等自由席の旅客運賃は片道約3,950円でした。利尻島から礼文島へのフェリーも運航されており、片道約1,800円、所要時間は約40分となっています。

稚内港のフェリーターミナルはJR稚内駅から徒歩約15分の場所に位置しています。インターネット予約にも対応しており、2か月前から座席の予約が可能ですが、予約できるのは特別室と1等席のみで、2等席は当日券のみの取り扱いです。夏のハイシーズンには混雑が予想されるため、早めにフェリーターミナルに到着しておくことをおすすめします。

稚内へは、新千歳空港または羽田空港から稚内空港への飛行機利用が便利です。稚内空港からはバスやタクシーで稚内港フェリーターミナルへ移動できます。JR宗谷本線で札幌駅から稚内駅まで約5時間の鉄道旅も風情があります。

礼文島トレッキング・ウォーキングの魅力とは

礼文島には現在7つのトレッキングコースが整備されています。初心者から上級者まで、それぞれのレベルや体力に応じたコースを選ぶことができるのが大きな魅力です。どのコースでも、雄大な日本海の絶景と色とりどりの高山植物を楽しむことができます。

礼文島のトレッキングコースの最大の特徴は、海の絶景と高山植物の花々を同時に楽しめる点にあります。通常、高山植物を見るためには標高の高い山に登る必要がありますが、礼文島では海抜0メートルから花々が咲いているため、険しい山道を登ることなく、海岸沿いや丘陵地帯を歩きながら貴重な植物を観察できます。この手軽さが、幅広い年齢層のトレッキング・ウォーキング愛好者に支持されている理由のひとつです。

岬めぐりコースの概要 — 礼文島を代表するトレッキングルート

岬めぐりコースは、礼文島の最北端に位置するスコトン岬を出発し、ゴロタ岬、澄海岬(すかいみさき)の3つの岬をめぐりながら、レブンアツモリソウ群生地を経由して浜中に至るコースです。全長は約12.4キロメートル、所要時間は約5時間半が標準とされています。

このコースは礼文島らしいアドベンチャーに富んだルートとして知られています。前半はアスファルトの道路を歩きますが、途中からは山道や海岸沿いのトレイルへと変わり、変化に富んだ地形を楽しむことができます。壮大な海原と切り立った断崖、そしてその足元に咲く可憐な高山植物のコントラストは、歩く者の心を強く揺さぶります。

スコトン岬からトド島展望台へのウォーキング

この区間の距離は約2.5キロメートル、所要時間は約1時間です。スコトン岬は礼文島の最北端に位置する岬で、岬めぐりコースの出発点となります。荒々しい断崖から日本海を一望でき、晴れた日にははるか100キロメートル先のサハリン(樺太)の島影を視界に捉えることもあります。目の前に浮かぶトド島には、かつてトド猟の番屋があったという歴史があります。岬の周辺ではアザラシが姿を見せることもあり、運が良ければゴマフアザラシの愛らしい姿を間近に観察できます。

スコトン岬を出発してしばらくはアスファルトの道路を歩きます。道中では眼下に広がる日本海の雄大な景色を楽しみながら、ゆるやかな起伏のある丘陵地帯を進んでいきます。トド島展望台からはトド島を含む周辺の海域を見渡すことができます。

トド島展望台からゴロタ岬への登り

この区間の距離は約1.3キロメートル、所要時間は約40分です。ゴロタ岬は礼文島北部で最も標高の高いゴロタ山(標高約180メートル)に位置する岬です。ゴロタ岬への登りはやや急な箇所もありますが、登り切った先に待っている絶景はこのコースのハイライトといえます。ゴロタ岬から振り返るとスコトン岬方面の海岸線が一望でき、その壮大なパノラマは多くのトレッカーが感動を覚える場所です。天候に恵まれれば、利尻富士(利尻山)の雄姿も遠望できます。

ゴロタ岬から鉄府を経て澄海岬へ

この区間の距離は約4.6キロメートル、所要時間は約2時間で、岬めぐりコースの中で最も長い区間です。ゴロタ岬を下ると鉄府(てっぷ)の集落を通過します。海岸沿いの道を歩く場面もあり、岩場やぬかるんだ地面を進むこともあるため、足元には十分な注意が必要です。

澄海岬(すかいみさき)は、その名の通り澄んだ海の色が特徴の美しい入り江で、礼文島の中でも最も海が綺麗に見える場所として有名です。展望台からは弧を描く海岸線と断崖絶壁の風景が目の前に広がり、エメラルドグリーンに輝く海面は息を呑む美しさです。ここでは十分に時間をとって絶景を堪能したいところです。

澄海岬からレブンアツモリソウ群生地を経て浜中へ

この区間の距離は約2.2キロメートル、所要時間は約1時間です。澄海岬からはアスファルトの道路を浜中方面へ歩きます。途中にはレブンアツモリソウの群生地があり、5月中旬から6月中旬まで開園しています(その年の開花状況によって期間は前後します)。レブンアツモリソウは礼文島にのみ自生する固有種で、クリーム色の袋状の花が特徴的な、日本で最も美しいランのひとつとされています。絶滅の危機にさらされたこともある貴重な花であり、群生地は厳重に保護・管理されています。終点の浜中にはバス停があり、香深港方面へのバスを利用して戻ることができます。

岬めぐりコースの各区間情報をまとめると以下のとおりです。

区間距離所要時間特徴
スコトン岬〜トド島展望台約2.5km約1時間アスファルト道路、日本海の展望
トド島展望台〜ゴロタ岬約1.3km約40分やや急な登り、コースのハイライト
ゴロタ岬〜澄海岬約4.6km約2時間海岸沿い、岩場あり
澄海岬〜浜中約2.2km約1時間アスファルト道路、アツモリソウ群生地

桃岩展望台コース — 初心者におすすめのフラワーロードウォーキング

岬めぐりコースが健脚向けであるのに対し、初心者でも気軽に楽しめるのが桃岩展望台コースです。香深の桃岩登山口から桃岩展望台、元地灯台を経由して知床に至る全長約6.4キロメートル、所要時間約3時間のコースです。

このコースの最大の魅力は、桃岩展望台から元地灯台までの約2.4キロメートルの区間で、通称「フラワーロード」と呼ばれています。この区間では礼文島に咲くほとんどの種類の高山植物を観察でき、花の季節には色とりどりの花々が遊歩道の両脇を埋め尽くします。登りが約100メートル、下りが約250メートルとアップダウンも比較的少なく、ほとんどがよく整備された遊歩道を歩くため、トレッキング初心者やご年配の方にもおすすめのウォーキングコースです。

桃岩の周辺には5月から9月にかけてレブンソウ、レブンキンバイソウ、レブンウスユキソウなど、礼文島固有種をはじめとするたくさんの高山植物が咲き誇ります。この一帯は「礼文島桃岩一帯の高山植物群落」として国の文化財(天然記念物)にも指定されています。晴れた日にはフラワーロードを歩きながら日本海越しに利尻富士を望むことができ、花と海と山が織りなす絶景は、まさに礼文島ならではの風景です。

元地灯台は白と黒のツートンカラーが特徴的な灯台で、6月から9月にかけてはこの灯台周辺にも高山植物が咲き誇ります。灯台越しに大海原の向こうに利尻富士が姿を現す光景は、写真愛好家にも人気の撮影スポットとなっています。フェリーターミナルがある香深港から桃岩登山口までは歩いて行くこともできますが、バスやタクシーを利用すると便利です。

その他の礼文島トレッキング・ウォーキングコース

礼文島には岬めぐりコースと桃岩展望台コース以外にも、魅力的なトレッキングコースが整備されています。

8時間コース(愛とロマンの8時間コース)は、北部の浜中を出発し、宇遠内を経由して香深井へと至る礼文島西海岸を南北に縦断するコースです。全長約16.5キロメートルと礼文島最長のコースで、標準コースタイムは約7時間とされていますが、実際にはそれ以上かかることが多い上級者向けのルートです。礼文島西海岸のワイルドで手つかずの自然を満喫できますが、利尻山登山と同程度の体力と装備が必要です。アナマから宇遠内までの海岸沿いの区間は高波や強風により通行できないこともあるため、事前の天候確認と情報収集が不可欠です。

礼文林道コースは、元地側入口から香深井入口までの全長約8キロメートル、所要時間約3時間のコースです。コース途中には6月から8月にかけてレブンウスユキソウの群生が見られ、ヨーロッパアルプスの「エーデルワイス」の仲間である白い綿毛をまとった花々が斜面一面に広がる光景は圧巻です。比較的平坦な林道を歩くため、体力的な負担は少なめです。

礼文岳コースは、礼文島の内路地区から礼文岳の山頂(標高490メートル)を目指す片道約4.5キロメートル、所要時間約2時間のコースです。礼文岳は礼文島の最高峰であり、山頂からは360度のパノラマが広がります。天候に恵まれれば利尻富士はもちろん、サハリンまで見渡すことができます。山頂付近は天候の変化が激しく、滑りやすい箇所もあるため注意が必要です。

各コースの比較情報は以下のとおりです。

コース名距離所要時間難易度
岬めぐりコース約12.4km約5時間半中級〜上級
桃岩展望台コース約6.4km約3時間初級
8時間コース約16.5km約7時間以上上級
礼文林道コース約8km約3時間初級〜中級
礼文岳コース片道約4.5km約2時間(片道)中級

花の浮島を彩る高山植物 — 花の見頃はいつ?

礼文島のトレッキング・ウォーキングを最大限に楽しむためには、花の見頃の時期を知っておくことが重要です。

レブンアツモリソウの開花時期は5月中旬から6月中旬です。礼文島にのみ自生する固有種で、クリーム色の袋状の花が特徴です。日本で最も美しいランのひとつとされており、近年は5月下旬から見頃を迎えることが多くなっています。岬めぐりコースの途中にある群生地で観察できます。

レブンソウは5月から7月にかけて紫色の花を咲かせるマメ科の植物で、礼文島の固有種です。桃岩展望台コースのフラワーロードで見ることができます。レブンキンバイソウは6月から7月にかけて鮮やかな黄色い花を咲かせ、桃岩展望台付近に多く見られ、フラワーロードを黄色に染めます。

レブンウスユキソウの開花時期は6月下旬から8月です。ヨーロッパアルプスの「エーデルワイス」の仲間で、白い綿毛に覆われた星形の花が特徴的です。高さは最大30センチメートルほどで、礼文林道コースに群生地があります。6月から7月にかけてが見頃です。エゾカンゾウは6月から8月にかけてオレンジ色の花を咲かせるユリ科の植物で、草原一面をオレンジ色に染める光景は礼文島の夏を象徴する風景のひとつです。

主な花の見頃を以下にまとめます。

花の名前開花時期特徴観察できるコース
レブンアツモリソウ5月中旬〜6月中旬クリーム色、袋状岬めぐりコース
レブンソウ5月〜7月紫色、マメ科桃岩展望台コース
レブンキンバイソウ6月〜7月鮮やかな黄色桃岩展望台コース
レブンウスユキソウ6月下旬〜8月白い綿毛、星形礼文林道コース
エゾカンゾウ6月〜8月オレンジ色各コース

礼文島で最も多くの花を楽しめるのは6月から7月にかけてのシーズンです。特に6月はレブンアツモリソウの見頃とレブンウスユキソウの開花が重なるため、花の浮島の魅力を最も堪能できる時期といえます。

トレッキング・ウォーキングに必要な装備と持ち物

礼文島でのトレッキングを安全かつ快適に楽しむためには、適切な装備と持ち物の準備が欠かせません。

最も重要なのがトレッキングシューズです。整備された遊歩道であっても、朝露や雨で滑りやすくなることがあるため、底にグリップ力のある靴を選ぶことが大切です。事前に履き慣らしておくことも重要で、靴下は厚手のものを選ぶと靴擦れを防ぐことができます。

衣服については、礼文島は天候が変わりやすく、特に6月・7月は雨や霧、強風に見舞われることが多いため、レインウェア(上下セパレートタイプ)は必須の装備です。傘や日傘の使用は突風や強風のため大変危険なので、絶対に避けてください。防寒着も忘れずに持参したいところです。夏でも風が強い日は体感温度がかなり下がることがあります。長ズボンを着用し、日焼け止めや帽子も準備しておきましょう。

持ち物としては、両手が空くリュックサックやバックパックが必須です。行動食(おにぎり、パン、チョコレートなど)と十分な量の水も忘れずに準備してください。転倒時のケガ予防のため手袋も持っておくとよいでしょう。カメラや双眼鏡があれば、花や野鳥の観察がより楽しくなります。

なお、トレッキングポール(ストック)の使用は控えるよう呼びかけられています。遊歩道の崩壊や花々を傷める原因になるためで、これは礼文島ならではのルールです。貴重な高山植物を守るための大切なマナーとして守りましょう。

礼文島トレッキングのマナーとルール

礼文島の貴重な自然環境を守るため、トレッカーが守るべきマナーとルールがあります。

最も重要なルールは、遊歩道から外れて歩かないことです。遊歩道の脇には貴重な高山植物が生育しており、一度踏まれると回復に何年もかかることがあります。すれ違う際は広い場所で行い、植物を踏まないように注意してください。

写真を撮影する際も、草むらに踏み込まないように気をつけましょう。花に近づきすぎて撮影しようとするあまり遊歩道から外れてしまうケースが見られるとのことです。三脚の使用も周囲への配慮が必要です。ゴミは必ず持ち帰り、植物の採取は絶対に行わないでください。礼文島の高山植物はその多くが環境省のレッドリストに掲載される希少種であり、法律で保護されています。

事前に礼文島トレイルの公式ウェブサイトで最新の通行情報を確認することも大切です。天候や崩落などにより、コースの一部が通行止めになっていることがあります。

礼文島の気候と季節ごとの楽しみ方

礼文島は日本海に浮かぶ離島であり、北海道本土と比べてもさらに冷涼な気候が特徴です。観光のベストシーズンは6月から9月で、この時期の気温は10度から20度前後で比較的過ごしやすくなっています。真夏でも30度を超える日はほとんどなく、朝晩は肌寒くなることが多い点に注意が必要です。

6月は最高気温が18度、最低気温が13度程度で、半袖に羽織れる上着を持参するのがおすすめです。高山植物の開花が本格的に始まり、レブンアツモリソウの見頃と重なるため、花を目的とするならこの時期がベストです。ただし霧や雨が多く、天候に恵まれない日もあることを覚悟しておく必要があります。

7月から8月は平均気温が20度前後と、礼文島で最も過ごしやすい時期です。高山植物の花々が最盛期を迎え、ウニ漁も解禁となるため、花と食の両方を楽しめる贅沢な季節です。ただしお盆を含むこの時期はフェリーや宿泊施設が混雑するため、早めの予約が必要です。9月は観光客が減り始め、静かな礼文島を楽しめる穴場の時期です。花の数は少なくなりますが、秋の澄んだ空気の中で見る海の絶景は格別です。

なお、礼文島の天気は非常に変わりやすい特徴があります。晴れ予報でも突然霧が立ち込めたり、風が強まったりすることがあるため、旅行前だけでなく出発当日の天候も必ず確認しましょう。

礼文島の野生動物とバードウォッチング

礼文島は花だけでなく、野生動物や野鳥の観察も楽しめる島です。島にはクマやシカなどの大型哺乳類は生息しておらず、安心してトレッキングを楽しむことができます。島内で見られる哺乳類はイタチやリスなど小型の動物が中心です。

野鳥に関しては見どころが豊富です。礼文島は渡り鳥の経路上に位置しているため、季節によってさまざまな種類の野鳥を観察できます。春から夏にかけてはノビタキ、ノゴマ、ベニマシコ、ツメナガセキレイなどの草原性の鳥が姿を見せます。海岸沿いではウミネコやオオセグロカモメなどの海鳥の姿も頻繁に見られます。

スコトン岬周辺ではゴマフアザラシが海面に顔を出すことがあり、岬めぐりコースのトレッキング途中で愛らしい姿を観察できることもあります。双眼鏡を持参しておくと、花だけでなく野鳥やアザラシの観察もより楽しくなるでしょう。礼文島は利尻礼文サロベツ国立公園の一部として保護されており、豊かな生態系が維持されています。

礼文島のグルメ — トレッキング後に味わう海の幸

トレッキングで体を動かした後は、礼文島ならではのグルメも楽しみたいところです。礼文島周辺の海域はミネラル豊富な利尻昆布が生育する好漁場であり、この昆布を食べて育つウニは全国的にも有名な逸品です。

礼文島のウニはエゾバフンウニキタムラサキウニの2種類が水揚げされます。特にエゾバフンウニは濃厚なオレンジ色が特徴で、甘みとコクが際立ちます。ウニ丼は礼文島を訪れたら必ず食べたい一品です。香深港フェリーターミナル内にある「武ちゃん寿し」のエゾバフン生ウニ丼は、全国から多くの観光客が訪れるほどの人気を誇っています。

香深漁業協同組合直営の「海鮮処かふか」では、ウニを丼や殻焼き、寿司などさまざまな形で楽しむことができます。漁協直営ならではの新鮮さが売りで、目の前で殻から取り出したばかりのウニを味わえる贅沢な体験ができます。ウニ以外にもホッケのちゃんちゃん焼きやイクラ丼、ボタンエビなど、礼文島ならではの海鮮グルメが豊富です。島のホッケは身が厚くて脂がのっており、本州で食べるものとは別物といわれるほどの美味しさです。

礼文島の宿泊施設について

礼文島にはホテル、旅館、民宿など、さまざまなタイプの宿泊施設があります。フェリーターミナルのすぐ向かいに位置するホテル礼文は160名収容の大型ホテルで、最上階の展望大浴場と露天風呂から利尻富士と日本海の大パノラマを楽しめます。食事は礼文産のウニ、ホッケ、イクラ、山菜など旬の食材を使った料理が提供されます。

天然温泉を備えた旅館も人気が高く、展望大浴場と露天風呂を完備し、料亭風のお食事処では礼文産の生ウニやボタンエビなど新鮮な海鮮が堪能できます。民宿やゲストハウスはアットホームな雰囲気の中でリーズナブルに宿泊できるため、長期滞在のトレッカーやバックパッカーにも人気があります。島の人々との交流も楽しみのひとつです。ハイシーズンの6月から8月は宿泊施設の予約が取りにくくなるため、早めの予約が必須です。

礼文島トレッキングのおすすめモデルプラン — 2泊3日の旅

礼文島でのトレッキングを中心とした2泊3日のモデルプランをご紹介します。

1日目は、稚内港からフェリーで礼文島(香深港)へ到着し、午後は桃岩展望台コースを歩きます。所要時間約3時間のこのコースは、到着日の午後からでも歩ける手頃な距離です。フラワーロードで高山植物を楽しみながら知床まで歩きましょう。夕食は宿泊先で礼文の海の幸を堪能します。

2日目は、朝からメインイベントの岬めぐりコースに挑戦します。バスでスコトン岬まで移動し、そこからゴロタ岬、澄海岬をめぐりながら浜中を目指します。全長約12.4キロメートル、約5時間半のコースなので、朝早い出発がおすすめです。レブンアツモリソウの開花時期であれば群生地にも立ち寄りたいところです。浜中からバスで香深港に戻り、夕食はフェリーターミナル周辺の食堂でウニ丼を味わいましょう。

3日目は、午前中に礼文林道コースまたは礼文岳コースを歩きます。どちらも半日あれば楽しめるコースです。レブンウスユキソウの群生を見たければ礼文林道コース、山頂からのパノラマを楽しみたければ礼文岳コースがおすすめです。午後のフェリーで稚内港へ帰港します。

岬めぐりコースを歩く際の実践的アドバイス

岬めぐりコースは全長約12.4キロメートルと長距離であるため、計画的な行動が重要です。

出発時間は朝の早い時間帯がおすすめです。バスでスコトン岬まで移動する場合、香深港発の朝のバスに乗る必要があります。バスの本数は限られているため、前日のうちに時刻表を確認しておきましょう。

コース途中には売店やトイレが非常に少ない点にも注意が必要です。スコトン岬にはトイレと売店がありますが、その後はしばらくトイレがない区間が続きます。十分な水と行動食は出発前に用意しておくことが大切です。特に夏場は日差しが強い日もあるため、水分補給はこまめに行いましょう。

ゴロタ岬への登りは急斜面があり、特に雨の日や霧の日は足元が滑りやすくなります。グリップの良いトレッキングシューズを履き、慎重に歩くことが大切です。鉄府から澄海岬への区間では海岸沿いの岩場を歩く場面もあり、波が高い日は注意が必要です。

コースの終盤、澄海岬から浜中までの区間はアスファルトの道路歩きとなります。長時間の山道歩きの後のアスファルト歩きは足に負担がかかるため、ペース配分を考えておきましょう。浜中に到着後は路線バスで香深港方面に戻ることになりますが、最終バスの時間には十分な余裕を持って到着するように計画してください。万が一バスに間に合わなかった場合はタクシーを呼ぶことになりますが、島内のタクシーは台数が限られているため、あらかじめ連絡先を控えておくと安心です。

礼文島トレッキングを楽しむためのポイントまとめ

礼文島でのトレッキング・ウォーキングをより楽しむために、押さえておきたいポイントをお伝えします。

ベストシーズンは6月から7月です。高山植物が最も多く咲き誇るのがこの時期で、特に6月はレブンアツモリソウとレブンウスユキソウの両方を楽しめる可能性があります。ただしこの時期は霧や雨も多いため、天候に左右されることも覚悟しておきましょう。

天候の変化への備えも大切です。礼文島は海に囲まれた離島であり、天候が急変することがあります。晴れていても突然霧が出たり風が強くなったりすることがあるため、レインウェアと防寒着は必ず携行してください。

ガイドツアーの活用もおすすめです。礼文島には地元のガイドクラブがあり、花や鳥に詳しいガイドと一緒にトレッキングを楽しむことができます。1グループ貸し切りのプライベートツアーもあり、自分たちのペースで歩きながらガイドの解説で花や自然の知識を深められます。初めての礼文島トレッキングであれば、ガイドツアーの利用を検討してみるのもよいでしょう。

バスの時刻表の事前確認も忘れずに行いましょう。岬めぐりコースのスタート地点であるスコトン岬や、コース終了後の帰路には路線バスを利用することになります。島内のバスは本数が限られているため、事前に時刻表を確認し計画を立てておくことが重要です。

さらに、約300種もの高山植物が咲く礼文島では、歩いているだけでは花の名前がわからないことも多いため、花の図鑑を持参するのもおすすめです。礼文島の花に特化したポケット図鑑が島内の売店でも販売されているので、トレッキングのお供に購入するのもよいでしょう。

まとめ — 花の浮島・礼文島で最高のトレッキング・ウォーキング体験を

礼文島は「花の浮島」の名にふさわしい、日本でも類まれな自然の宝庫です。岬めぐりコースではスコトン岬、ゴロタ岬、澄海岬という3つの絶景の岬を訪れながら、壮大な日本海の風景と可憐な高山植物を同時に楽しむことができます。桃岩展望台コースのフラワーロードでは、遊歩道の両脇を埋め尽くす花々の中を歩く至福の体験が待っています。

海抜0メートルから咲く高山植物、エメラルドグリーンに輝く澄海岬の海、断崖絶壁から望む日本海のパノラマ、そして新鮮な海の幸と、礼文島は五感のすべてで楽しむことができる北の楽園です。都会の喧騒を離れ、花と海風に包まれながら歩く礼文島のトレッキング・ウォーキングは、きっと忘れられない思い出になるでしょう。次の夏の旅の計画に、ぜひ礼文島を加えてみてください。花の浮島が、あなたの訪れを待っています。

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