京丹後ジオトレイル浅茂川~夕日ヶ浦コースの魅力を徹底解説

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京丹後ジオトレイルの浅茂川~夕日ヶ浦コースは、ユネスコ世界ジオパークに認定された山陰海岸の海岸線を歩きながら、日本海の壮大な夕日と大地の歴史を体感できるウォーキングコースです。「日本の夕日百選」に選ばれた夕日ヶ浦の絶景をはじめ、国の天然記念物である琴引浜の鳴き砂、約2500万年前の火山活動を物語る五色浜、そして丹後ちりめんの歴史が薫る町並みなど、京丹後ならではの自然と文化の魅力が凝縮されたエリアとなっています。

コースは初心者から健脚者まで幅広い層が楽しめる構成で、約4キロメートルの手軽なルートから約12キロメートルの本格的なコースまで、体力や目的に合わせた選択が可能です。白砂青松の海岸線を波の音とともに歩き、丹後ちりめんの機音が聞こえる町並みを通り抜け、一日の終わりには水平線に沈む茜色の夕日と温泉に癒される贅沢な体験が待っています。この記事では、浅茂川から夕日ヶ浦にかけてのジオトレイルコースの見どころや歩き方、アクセス、周辺の観光情報まで、日本海の夕日を望むウォーキングの魅力を詳しくお伝えします。

目次

山陰海岸ジオパークトレイルとは

山陰海岸ジオパークトレイルは、京都府京丹後市から兵庫県を経て鳥取県鳥取市までを結ぶ、総延長約230.9キロメートルのロングトレイルです。全27コースで構成され、西は鳥取県鳥取市の青谷から東は京都府京丹後市の経ヶ岬まで続いています。

このトレイル最大の特徴は、国内外でも珍しい「コーストトレイル」である点です。海岸線の砂浜や岩場を歩くパートと山道を歩くパートが交互に現れ、変化に富んだルートを楽しむことができます。奇岩、洞門、断崖絶壁の絶景など、多彩な海岸地形を眺めながら歩ける点も大きな魅力となっています。

山陰海岸ジオパークは、京都府京丹後市、兵庫県豊岡市・香美町・新温泉町、鳥取県岩美町・鳥取市の1府2県3市3町にまたがる広大なエリアです。2024年9月にはユネスコ世界ジオパークの再認定(グリーンカード)を受けました。このエリアでは約2500万年前の日本海形成の時代から現在に至るまでの大地の歴史を知ることができる貴重な地質や地形が数多く残されています。海面変動や地殻変動によって形作られたリアス海岸や砂丘地などの多様な地形が広がっており、まさに地球の歴史を体感できるフィールドです。

トレイルは複雑な地形を楽しむ上級ハイカーから家族連れのファミリーハイカーまで、幅広い層に対応した難易度の異なるコースが用意されています。京丹後エリアのコースは特に海岸線の美しさが際立っており、日本海の雄大な景色を堪能しながらのウォーキングが楽しめます。

京丹後ジオトレイルの浅茂川~夕日ヶ浦コース構成

京丹後エリアには複数のジオトレイルコースが設定されており、浅茂川から夕日ヶ浦にかけてのルートは特に人気の高いセクションです。ここでは主要な3つのコースの特徴をご紹介します。

コース23(夕日ヶ浦浜詰キャンプ場~八丁浜シーサイドパーク) は、全長11.9キロメートル、目安歩行時間260分、高低差約150メートルのコースです。難易度は星3つとやや健脚向きで、美しい夕日で有名な夕日ヶ浦から出発し、静御前を祀る静神社、色とりどりの玉石が美しい五色浜、子午線塔のモニュメントなどを経て、サーファーに人気の八丁浜に至ります。見どころが凝縮された歩きごたえのあるルートです。

コース24(八丁浜シーサイドパーク~琴引浜掛津キャンプ場) は、全長4.2キロメートル、目安歩行時間90分、高低差約54メートルのコースです。難易度は星1つと初心者や家族連れにも適した歩きやすいルートで、砂浜と日本海の美しい景色を楽しみながら歩くことができます。名勝や天然記念物に指定された鳴き砂の浜である琴引浜や、高温石英を含む石英砂が特に多い水晶浜など、砂浜ごとに違った魅力を感じられるコースです。

コース25(琴引浜掛津キャンプ場~道の駅てんきてんき丹後) は、全長10.7キロメートル、難易度は星3つのコースです。間人(たいざ)の地を歩き、周囲約1キロメートルにもおよぶ安山岩の巨岩「立岩」や、間人海岸や城島にあるドーム状構造の地層など、太古の火山活動によってできた地質を楽しむことができます。

コース区間距離所要時間高低差難易度
コース23夕日ヶ浦~八丁浜11.9km約260分約150m★★★
コース24八丁浜~琴引浜4.2km約90分約54m
コース25琴引浜~道の駅てんきてんき丹後10.7km★★★

浅茂川エリアの魅力と丹後ちりめんの町並みウォーキング

浅茂川は京丹後市網野町に位置する海沿いの集落で、日本海の美しい海岸線と絹織物文化が共存する風情あるエリアです。浅茂川海岸は透き通った海水と白い砂浜が広がる美しいビーチで、八丁浜海水浴場としても親しまれています。

浅茂川の町並みを歩くと、横向きの杉板貼りの建物が数多く目に入ります。これらの多くは丹後最大の特産品であるシルク織物「丹後ちりめん」の工場で、現在もノコギリの歯のような三角屋根の織物工場が点在しています。住居と機場(はたば)が一体となった機屋(はたや)の家並みは、この地域ならではの独特の景観を形成しており、ジオトレイルウォーキングの中でも印象的な風景の一つです。

浅茂川漁港は小さいながらも活気のある漁港で、冬場には松葉ガニの水揚げでにぎわいます。漁港を一望できる丘の上には浅茂川温泉「静の里」があり、浴場からは雄大な日本海を望むことができます。屋内温水プールも併設されており、四季を通じて利用可能です。

また、浅茂川の近くには日本標準時子午線(東経135度)が通る最北の地であることを示す「子午線塔」のモニュメントが建っています。この子午線が通る場所として有名な兵庫県明石市よりもさらに北に位置しており、地理好きには見逃せないスポットです。

八丁浜での日本海ウォーキングの楽しみ方

八丁浜は約800メートルの砂浜が広がる開放的なビーチで、南国リゾートを思わせる雰囲気が漂うスポットです。「八丁浜」の名は、浜の長さが約八丁(およそ870メートル)あることに由来しています。サーフィンのメッカとしても知られ、特に秋から冬にかけては日本海の北西風により良質な波が立つことから、関西各地から多くのサーファーが訪れます。

八丁浜シーサイドパークは海水浴場としてだけでなく、海沿いの遊歩道や芝生広場が整備されており、ウォーキングやジョギングにも最適な環境です。目の前に広がる日本海の水平線を眺めながら、波の音をBGMに散策できる贅沢な空間となっています。

ジオトレイルのコースでは、八丁浜がコース23とコース24の結節点となっています。ここを起点にして夕日ヶ浦方面へ向かうか琴引浜方面へ向かうかを選択でき、どちらに進んでも美しい海岸線が続き、日本海の壮大な景色を楽しめます。

琴引浜の鳴き砂で楽しむウォーキング体験

琴引浜は京丹後市網野町掛津に位置する全長約1.8キロメートルの白砂青松の砂浜で、最大の特徴は「鳴き砂」です。砂の上を歩くと、砂に含まれる石英の粒子が摩擦によって「キュッキュッ」という不思議な音を奏でます。この独特の体験は、ウォーキングならではの楽しみといえるでしょう。

この鳴き砂の海岸は「日本の白砂青松百選」「残したい日本の音風景百選」「日本の渚百選」の三つの百選に選ばれた景勝地で、国の天然記念物および名勝にも指定されています。鳴き砂が鳴るためには砂がきれいである必要があるため、琴引浜は日本初の「禁煙ビーチ」としても知られており、花火やバーベキューも禁止されるなど、環境保全への取り組みが徹底されています。

琴引浜の近くには「琴引浜鳴き砂文化館」があります。この施設では鳴き砂の仕組みを学べる体験学習が用意されており、地元の琴引浜だけでなく世界各地の鳴き砂も展示されています。鳴き砂のメカニズムや砂浜を守るための環境保全活動について理解を深めることができる施設です。

ジオトレイルのコース24では、八丁浜から琴引浜までの約4.2キロメートルを歩きます。難易度が低く高低差も約54メートルと穏やかなため、初心者や家族連れにも適したコースです。途中には高温石英を含む石英砂が特に多い「水晶浜」を経由し、それぞれの砂浜ごとに違った砂の質感や色合いを楽しめるのが、このコースならではの面白さです。

五色浜で感じる日本海と太古の大地の歴史

五色浜は浅茂川と夕日ヶ浦の間に位置する岩石海岸で、ジオトレイルのコース23における見どころの一つです。ここでは安山岩質火山礫凝灰岩層が日本海の波によって長い年月をかけて削られてできた「波食棚」(はしょくだな)と呼ばれる平らな岩場が広がっています。

「五色浜」の名前は、さまざまな色の火山岩の礫(れき)を含む凝灰岩が赤、黄、緑、白、黒など多彩な色合いを見せることに由来しています。潮が引いた時には、これらの色とりどりの玉石が浜辺に散らばり、まるで自然のモザイクアートのような美しい光景を楽しめます。

五色浜は約2500万年前の火山活動の痕跡を今に伝える貴重な地質学的スポットでもあります。日本海がまだ存在しなかった太古の時代に、この地で活発な火山活動があったことを物語る岩石が海岸一帯に広がっています。地質学に興味がなくても、その色彩の美しさは訪れる人の心を捉える魅力を持っています。

静神社と静御前の伝説をめぐるウォーキング

ジオトレイルのコース23沿いにある静神社は、源義経の愛妾として知られる静御前を祀る神社です。伝説によれば、静御前は京丹後市網野町の出身とされ、この地で生まれ育ったと伝えられています。

静神社は小さな社ではありますが、源義経と静御前の悲恋の物語にゆかりのある場所として、歴史ファンや文学愛好家が訪れるスポットとなっています。トレイルを歩きながら鎌倉時代のロマンスに思いを馳せるのも、ウォーキングの楽しみ方の一つです。

網野町にはこのほかにも歴史的・文化的なスポットが点在しており、ジオトレイルを歩くことで自然だけでなくこの土地の歴史や文化にも触れることができます。

夕日ヶ浦で望む日本海に沈む絶景の夕日

夕日ヶ浦は京丹後市網野町浜詰に位置する海岸で、丹後半島を代表する夕日の名所です。「日本の夕日百選」にも選ばれたこの海岸は、別名「常世の浜」とも呼ばれ、紺碧の海に白砂青松の浜が続く美しい景観が特徴となっています。

夕方になると、日本海の水平線にゆっくりと沈んでいく夕日が海面を茜色に染め上げます。特に春から秋にかけては海に直接沈む夕日を見ることができ、空と海が一体となった壮大なグラデーションは訪れる人々を魅了してやみません。

浜辺に沿ってのびる散策路「夕日の路」にはベンチが設置されており、腰をかけてゆっくりと夕日を眺めることができます。日々の喧騒を忘れ、自然の壮大さに包まれるひとときは、このコースでのウォーキングのハイライトとなるでしょう。

夕日ヶ浦海岸で話題となっているのが、ビーチブランコ「ゆらり」です。高さ約5メートル、幅約4メートルの流木で作られた大型のブランコが砂浜に設置されており、フォトジェニックなスポットとして大人気となっています。ブランコの手前には丸太のスマホスタンドが設けられており、自撮りも簡単にできる工夫がされています。「ゆらり」は一年を通じて設置されていますが、人の少ないオフシーズンに訪れるとよりゆったりとした雰囲気の中で楽しめます。

さらに、すぐ近くの「浜詰夕日の丘」には日が暮れるとライトアップされる「YUHIGAURA」のモニュメントがあり、ビーチブランコと並ぶ人気のフォトスポットとなっています。夕日をバックに撮影すれば、SNS映え間違いなしの一枚が撮れるでしょう。

夕日ヶ浦温泉と木津温泉でウォーキングの疲れを癒す

ウォーキングで心地よい疲れを感じたら、夕日ヶ浦温泉でリフレッシュするのがおすすめです。

夕日ヶ浦温泉の歴史は1980年(昭和55年)4月に始まりました。オフシーズンの観光活性化を目指して、浜詰地区で旅館業を営む9名が「浜詰温泉開発組合」を結成し、ボーリングを開始しました。翌1981年(昭和56年)5月には、浜詰海岸の海岸線から約400メートルの砂丘の松林の中で、深度950メートルからアルカリ性単純泉の掘削に成功しました。砂丘地から眺める夕日が格別に美しかったことから、「夕日ヶ浦温泉」と名付けられました。

泉質はアルカリ性単純温泉で、無色透明・無味・無臭が特徴です。硫酸イオンが多く含まれ、pH値も高いとされています。比較的刺激が少なく肌が滑らかになることから、「美人の湯」として親しまれています。効能は神経痛、筋肉痛、五十肩、疲労回復、うちみ、慢性消化器病、リウマチ性疾患の緩和などとされています。

ウォーキングで歩き疲れた体を温泉に浸けてほぐしながら、露天風呂から日本海に沈む夕日を眺める体験は格別です。夕日ヶ浦温泉周辺には多くの旅館やホテルが立ち並んでおり、日帰り入浴が可能な施設もあります。

夕日ヶ浦の近くには京都府最古の温泉とされる「木津温泉」(きつおんせん)もあります。別名「しらさぎ温泉」と呼ばれるこの温泉は、天平15年(743年)、奈良時代に白鷺が傷を癒しているのを見た僧・行基によって開かれたと伝えられています。泉質は低張性アルカリ性の単純温泉で、泉温は約40度です。京都丹後鉄道の夕日ヶ浦木津温泉駅の構内には源泉掛け流しの足湯「しらさぎの湯」が設けられており、電車の待ち時間に気軽に温泉を楽しむことができます。ジオトレイルウォーキングの帰りに立ち寄れば、歩き疲れた足を手軽に癒すことができるでしょう。

丹後ちりめん300年の歴史と京丹後の日本遺産

京丹後ジオトレイルを歩く際にぜひ知っておきたいのが、この地域が誇る伝統産業「丹後ちりめん」の歴史です。浅茂川をはじめとする網野町一帯は丹後ちりめんの主要な産地の一つであり、ウォーキングの途中でその文化に触れることができます。

丹後ちりめんは江戸時代中期に誕生した絹織物です。当時、京都西陣で「お召ちりめん」が開発されると、従来の絹織物「丹後精好」の売れ行きが落ち込み、さらに農業も凶作が続くなど、丹後の人々は深刻な危機に直面していました。そんな中、1720年に峰山の絹屋佐平治が独自のちりめん技法を会得し、1722年には加悦の関係者もその技術を持ち帰ることで、丹後ちりめんが誕生しました。

丹後ちりめんはしなやかで染色性に優れた生地として、友禅染などの着物の代表的な素材となり、日本の和装文化を支えてきました。現在でも日本の着物の生地の約6割がこの丹後地域で生産されており、国内最大の絹織物産地としての地位を保っています。

2017年(平成29年)4月には「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」として日本遺産に認定されました。網野地域の吉村家住宅や吉村家別荘、網野神社・蠶織(こおり)神社なども構成文化財として認定を受けています。蠶織神社は大正14年に地元のちりめんと養蚕の関係者が織物と養蚕の神を奉祀したもので、毎年4月には地元の織物関係者が祈願祭を行い、丹後ちりめんを奉納しています。

ジオトレイルを歩きながら、三角屋根の織物工場やガシャンガシャンと機の音が聞こえてくる機屋の佇まいに出会えば、この土地に根付く300年の絹の文化を肌で感じることができるでしょう。

京丹後ジオトレイルウォーキングの実践ガイド

京丹後ジオトレイルの浅茂川~夕日ヶ浦コースを歩く際の実践的な情報をご紹介します。

アクセスは、京都市中心部から車で約2時間程度です。電車を利用する場合は、京都丹後鉄道宮豊線の網野駅または夕日ヶ浦木津温泉駅が最寄り駅となります。各駅からはバスやタクシーで各コースのスタート地点にアクセスできます。

コースの選び方としては、初心者や家族連れにはコース24(八丁浜~琴引浜、4.2キロメートル、約90分)がおすすめです。距離が短く高低差も少ないため、気軽にジオトレイルの魅力を体験できます。健脚の方にはコース23(夕日ヶ浦~八丁浜、11.9キロメートル、約260分)が適しており、五色浜や静神社など見どころが多く、歩きごたえのあるコースとなっています。

持ち物としては、歩きやすい靴が必須で、砂浜歩きがあるためトレイルシューズがベストです。日焼け止め、帽子、十分な水分も欠かせません。特に夏場は日差しが強いため、紫外線対策は万全にしておきたいところです。砂浜区間では裸足で歩くと鳴き砂の音を楽しめるので、サンダルを持参するのもよいでしょう。

ベストシーズンは春(4月~5月)と秋(9月~11月)です。気温が適度で歩きやすく、特に秋は澄んだ空気の中で美しい夕日を楽しめる可能性が高くなります。夏場は海水浴と組み合わせて楽しめますが、暑さ対策は必須です。冬場は日本海の荒々しい波と雪化粧した海岸線が独特の風情を見せますが、天候が変わりやすいため注意が必要です。ただし冬には丹後名物の松葉ガニ料理を楽しめるという魅力もあります。

日本海の夕日が京丹後で美しい理由

京丹後の日本海に沈む夕日がこれほどまでに美しい理由は、地理的条件と自然環境の絶妙な組み合わせにあります。

まず、京丹後の海岸線は概ね北西を向いており、夕日が沈む西の方角に向かって日本海が広がっています。水平線まで遮るものがなく、太陽が海面にダイレクトに沈んでいく様子を観賞できる地形条件が整っています。

また、日本海特有の大気の条件も美しい夕焼けを生み出す要因です。海からの水蒸気を含んだ空気が夕日の光を屈折・散乱させることで、空全体が赤やオレンジ、ピンク、紫のグラデーションに染まります。特に空気が澄んだ日には、太陽が水平線に沈む瞬間に一瞬だけ緑色に光る「グリーンフラッシュ」と呼ばれる珍しい現象が見られることもあります。

夕日ヶ浦の名前そのものが「夕日の美しい浦」を意味しており、古くからこの土地の人々が夕日の美しさを特別なものとして大切にしてきたことがうかがえます。ジオトレイルを歩いた後に海岸に腰を下ろしてゆっくりと夕日を眺める時間は、日常では味わえない至福のひとときとなるでしょう。

京丹後ジオトレイル周辺の見どころと楽しみ方

京丹後ジオトレイルの浅茂川~夕日ヶ浦コース周辺には、ウォーキング以外にも多くの楽しみ方があります。

冬の松葉ガニは京丹後の食の楽しみとして外せない存在です。網野町をはじめとする京丹後市沿岸部には松葉ガニ料理を提供する旅館や民宿が多数あり、冬場(11月~3月頃)には新鮮なカニを堪能できます。特に間人(たいざ)漁港で水揚げされる「間人ガニ」は、少量しか水揚げされない幻のカニとして知られ、その品質の高さから最高級ブランドとして珍重されています。

夏の海水浴も魅力的です。八丁浜、琴引浜、夕日ヶ浦海岸(浜詰夕日ヶ浦海水浴場)はいずれも水質が良く白砂の美しいビーチが揃っています。特に夕日ヶ浦海岸は遠浅の浜で、子どもでも安心して遊べる海水浴場として人気があります。サーフィンを楽しみたい方には八丁浜がおすすめで、秋から冬にかけて良質な波が立ち、関西のサーファーが集まるスポットとなっています。

文化体験としては、琴引浜鳴き砂文化館のほか、丹後ちりめんの織元を訪ねる工房見学なども興味深い体験ができます。また、夕日ヶ浦海岸の北のはずれにある福寿院には珍しいカニを持った魚籃観音像があり、丹後と海の深い結びつきを感じさせます。

立岩はコース25の見どころで、浅茂川~夕日ヶ浦コースの延長上にあります。高さ約20メートルにおよぶ柱状節理を持つ安山岩の巨岩で、日本海の海岸線にそそり立つ姿は圧巻です。周囲約1キロメートルもあるこの巨岩は、地球の力強いエネルギーを感じさせるスポットです。

京丹後ジオトレイルウォーキングがもたらす健康効果

ジオトレイルでのウォーキングは、単なる観光にとどまらず、心身のリフレッシュにつながる体験です。

海岸線を歩くことで得られるフィットネス効果は見逃せません。砂浜の上を歩くことは舗装路を歩くよりもエネルギーを多く消費し、足腰の筋力を効果的に使うことにつながります。また、起伏のある海岸線を歩くことで心肺機能の向上も期待できるとされています。

日本海から吹く潮風にはマイナスイオンが豊富に含まれているとされ、リラクゼーション効果があると言われています。波の音には「1/fゆらぎ」と呼ばれるリズムが含まれており、心拍数を安定させリラックス効果をもたらすとされています。

さらに、美しい自然景観を眺めることはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制し、精神的な安定をもたらすことが知られています。日本海に沈む夕日を眺めるという体験は、自然が提供する最高のリフレッシュタイムと言えるでしょう。

京丹後市は「Kyoto Health Resort 京丹後」として健康をテーマにした観光を推進しており、ジオトレイルウォーキングもその取り組みの一環に位置づけられています。ウォーキングと温泉、地元の新鮮な食材を使った料理を組み合わせることで、心身ともにリフレッシュできる滞在型の健康体験が提案されています。

夕日ヶ浦から小天橋へのロングビーチウォーキング

夕日ヶ浦から西へ足を延ばすと、北近畿最大級のロングビーチが広がっています。夕日ヶ浦海岸(浜詰海水浴場)から小天橋(しょうてんきょう)にかけて、約9キロメートルにもおよぶ白砂青松の海岸線が途切れることなく続いています。この区間には浜詰、葛野浜、箱石浜、小天橋と複数の海水浴場が並んでおり、リゾート感溢れるロングビーチを歩くことで、波穏やかな久美浜湾と雄大な日本海を一度に体感できます。

小天橋は日本海と久美浜湾を隔てる大きな砂州(湾口砂州)の上に形成された海岸で、その姿が日本三景の一つ「天橋立」に似ていることから「小天橋」と名付けられました。久美浜湾は周囲約28キロメートルの潟湖でカキの養殖でも知られています。湾の穏やかな水面と日本海の荒々しい波が砂州一枚を隔てて共存する光景は、地形的にも非常に興味深いものです。

この砂州上の海岸線には貴重なトウテイランをはじめとする海浜植物が自生しており、植物愛好家にとっても見逃せないスポットです。トウテイランは瑠璃色の花を咲かせる多年草で、名前の「洞庭」は中国の洞庭湖の青い水面に花の色をなぞらえたものとされています。夏から秋にかけて美しい花を咲かせる姿は、海岸線のウォーキングに彩りを添えてくれます。

海岸線沿いには遊歩道も整備されている箇所があり、ロングトレイルの注目コースの一つとなっています。一日かけて夕日ヶ浦から小天橋まで歩き通すもよし、気に入った区間だけを散策するもよし、自分のペースで楽しめるのがこのエリアの魅力です。

山陰海岸ジオパーク京丹後市情報センターの活用方法

京丹後ジオトレイルを楽しむにあたってぜひ活用したいのが、「道の駅てんきてんき丹後」内に設置されている「山陰海岸ジオパーク京丹後市情報センター」です。ここにはジオパークカウンターが設けられ、入館者の質問や要望に対応する専門スタッフが常駐しています。

情報センターでは各コースの詳細な地図やパンフレットの入手、コースの最新状況の確認、ジオガイドの手配などが可能です。特に初めてジオトレイルを訪れる方は、まずここで情報収集をしてから歩き始めることをおすすめします。地元のガイドと一緒に歩けば、岩石の成り立ちや地形の意味、地域の歴史など、一人では気づけない深い知識を教えてもらえます。

道の駅てんきてんき丹後自体も地元の特産品の購入や食事が楽しめる施設であり、ウォーキングの前後に立ち寄るのに便利な拠点となっています。

まとめ

京丹後ジオトレイルの浅茂川~夕日ヶ浦コースは、日本海の壮大な自然景観、2500万年の大地の歴史、鳴き砂の不思議、300年の絹織物文化、そして「日本の夕日百選」に選ばれた息をのむような夕景と、あらゆる魅力が凝縮されたウォーキングコースです。

白砂青松の海岸線を波の音を聞きながら歩き、五色浜の色とりどりの石に太古の火山活動を偲び、琴引浜で鳴き砂の音に耳を澄ませるひととき。静御前ゆかりの神社で歴史に思いを馳せ、丹後ちりめんの機音が聞こえる町並みを通り抜ける体験。そして一日の終わりには夕日ヶ浦の水平線に沈む茜色の夕日に心を奪われ、温泉で一日の疲れを癒す。京丹後ジオトレイルには、そんな贅沢な時間が詰まっています。

京丹後へのアクセスは京都市内中心部から車で約2時間、電車であれば京都丹後鉄道宮豊線を利用して網野駅や夕日ヶ浦木津温泉駅で下車します。週末の小旅行としても長期休暇の旅の一部としても、このジオトレイルは訪れる価値があります。四季折々に異なる表情を見せる日本海の海岸線は、何度訪れても新しい発見と感動をもたらしてくれるでしょう。ぜひ一度、京丹後ジオトレイルの浅茂川~夕日ヶ浦コースを訪れて、日本海の夕日に出会う感動を体験してみてください。

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