御岳渓谷のウォーキングコースは、東京都青梅市を流れる多摩川上流に沿って約4キロメートルにわたって整備された遊歩道で、春の新緑シーズンには渓谷全体が鮮やかな緑のグラデーションに包まれる、関東屈指の散策スポットです。環境省の「日本名水百選」にも選ばれた御岳渓流の清らかな水の流れと、カエデやケヤキなど多彩な落葉樹が織りなす新緑の美しさは、東京都心から約1時間半とは思えない自然の別世界を味わえます。この記事では、青梅・御岳渓谷のウォーキングコースの詳しいルート案内から、春の新緑の見どころ、遊歩道沿いのグルメ・文化施設、カヌーやボルダリングなどのアクティビティ、そして快適に散策するための服装・持ち物まで、御岳渓谷の春を満喫するための情報をお届けします。

青梅・御岳渓谷とはどんな場所か
御岳渓谷とは、東京都青梅市の西部、JR青梅線の御嶽駅を中心に広がる多摩川上流の渓谷です。上流は御嶽駅と川井駅の中間あたりから、下流は軍畑駅(いくさばたえき)の少し上流まで、多摩川に沿って美しい渓谷美が続いています。秩父多摩甲斐国立公園の一部にも指定されており、その自然の豊かさは国のお墨付きです。
この渓谷の地質的な特徴は非常に興味深いものがあります。御岳渓谷の岩石はフランス語で「混合」を意味する「メランジュ(混在岩)」と呼ばれるもので、プレートの運動による圧力が地下深部で岩石に加えられ、さまざまな種類の岩が混ぜ合わされたものが隆起し、長い年月をかけて多摩川が浸食することで誕生した渓谷です。そのため、遊歩道を歩いていると、さまざまな色や模様をした岩石が目に入り、自然がつくりだした壮大な造形美を楽しむことができます。
秩父多摩甲斐国立公園は、標高2000メートル級の山々が並ぶ山岳地帯でありながら、火山がひとつも含まれていないという、火山国日本では珍しい特徴を持っています。千曲川、笛吹川、多摩川、荒川などの源流部であり、これらの河川によって浸食された山域には至るところに深く美しい渓谷が見られます。御岳渓谷はその代表格のひとつです。
多摩川の水は驚くほど透明度が高く、川底の石や泳ぐ魚の姿がはっきりと見えるほどです。この清らかな水の流れが「御岳渓流」として日本名水百選に選定された理由となっています。水のせせらぎの音に耳を傾けながら歩く遊歩道は、日常のストレスから解放される最高の癒しの空間です。
御岳渓谷へのアクセス方法と最寄り駅
御岳渓谷へは、JR青梅線を利用するのが最も便利です。JR新宿駅からJR青梅線の御嶽駅まで、中央線快速と青梅線を乗り継いで約1時間30分で到着します。青梅駅で乗り換えが必要な場合もありますが、直通電車も運行されています。週末や祝日にはホリデー快速おくたま号も運行されており、乗り換えなしで御嶽駅まで行くことができます。御嶽駅から遊歩道までは徒歩約5分とアクセスも良好です。
車で訪れる場合は、中央自動車道の八王子インターチェンジから国道411号線(青梅街道)を青梅方面に進み、約1時間ほどで到着します。ただし、周辺の駐車場は数が限られているため、特に週末や行楽シーズンは早めの到着がおすすめです。御嶽駅周辺にいくつかの有料駐車場があります。
御岳渓谷遊歩道は、JR青梅線の軍畑駅から御嶽駅にかけて整備されているため、片道のウォーキングを楽しんだ後は電車で出発地点に戻ることもでき、非常に利便性が高いコースとなっています。
御岳渓谷ウォーキングコースの詳細と歩き方
御岳渓谷のウォーキングコースとして最も人気があるのは、JR軍畑駅をスタートしてJR御嶽駅をゴールとするルートです。所要時間は約1時間30分で、距離は約4キロメートルとなっています。ほぼ平坦な道が続くため、初心者や家族連れでも無理なく楽しむことができます。
軍畑駅から御嶽駅への春の新緑ウォーキングコース
軍畑駅を下車したら、駅前の坂を200メートルほど下ると青梅街道に突き当たります。信号機のある交差点を渡り、川側の歩道を歩いていきます。軍畑駅入口信号から青梅街道を御嶽方面に400メートルほど進むと、多摩川に降りる階段が現れます。この階段を下りると、いよいよ御岳渓谷遊歩道の始まりです。
足元に注意しながら階段を下りると、目の前に広がるのは多摩川の清流と、両岸を覆う豊かな緑です。春の新緑シーズンには、さまざまな種類の木々が一斉に若葉をつけ、微妙に異なる緑色のグラデーションが渓谷全体を彩ります。その光景はまさに圧巻のひと言です。
遊歩道は多摩川の両岸に整備されており、途中にいくつかの橋がかかっているため、行きと帰りで異なる岸を歩くことも可能です。右岸と左岸では見える景色が異なり、それぞれに魅力があります。右岸は比較的静かで、のんびりと自然を楽しみたい方におすすめです。左岸は澤乃井園などの施設が多く、観光を楽しみながら歩きたい方に向いています。
遊歩道入口から上流に約1キロメートル、徒歩約15分進むと、澤乃井の銘柄で知られる小澤酒造のエリアに到着します。ここでは酒蔵見学や利き酒を楽しむことができ、多摩川の清流を眺めながらひと休みするのに最適な場所です。さらに上流に進むと、玉堂美術館や櫛かんざし美術館など、芸術に触れることのできるスポットも点在しています。遊歩道沿いには随所にベンチが設置されており、疲れたら腰を下ろして渓谷の景色を堪能することができます。
御嶽駅から軍畑駅への逆ルートの魅力
御嶽駅からスタートして軍畑駅方面に下っていくコースも人気があります。この場合は全体的に下り基調となるため、体力に自信がない方にはこちらのルートがおすすめです。御嶽駅を出たら多摩川方面に向かい、遊歩道に入って下流方向に歩いていきます。
どちらのルートを選んでも、途中で引き返すことも、橋を渡って対岸に移ることもできるため、自分の体力や時間に合わせて柔軟にコースを調整できるのが、この御岳渓谷ウォーキングコースの大きな魅力です。
春の新緑シーズンに御岳渓谷を歩く魅力
御岳渓谷は四季を通じて美しい景色を楽しめますが、春の新緑シーズンは特に人気が高い時期です。新緑のベストシーズンは4月下旬から6月中旬頃で、特にゴールデンウィーク前後が最も美しい時期とされています。
御岳渓谷の新緑の見どころと楽しみ方
春が訪れると、渓谷の木々は一斉に芽吹きを始めます。カエデ、ケヤキ、クヌギ、コナラなど、さまざまな種類の落葉樹がそれぞれに異なる色合いの緑色の葉をつけ、渓谷全体が鮮やかな緑のグラデーションに包まれます。特に太陽の光が新緑を透かして輝く様子は、この季節ならではの美しさです。
2025年4月下旬に御岳渓谷を訪れたハイカーの記録では、「色んな緑色の木々と若草の香り、清流の音に囲まれて、マイナスイオンをたっぷり味わった」とのことで、まさに五感すべてで自然を楽しめる体験が待っています。
春の花々と野鳥が彩る青梅の渓谷美
新緑だけでなく、春にはさまざまな花々も楽しめます。3月下旬から4月上旬にかけては、遊歩道沿いの桜が見頃を迎え、渓流と桜のコラボレーションという贅沢な光景が広がります。御嶽駅周辺の多摩川沿いの桜並木は特に見事で、花びらが水面に舞い散る様子は風情があります。
また、遊歩道沿いには春の山野草も多く見られます。キンポウゲ科やユリ科の野草が、山の斜面や遊歩道の脇に可憐な花を咲かせ、足元にも春の訪れを感じることができます。目線を上に向ければ新緑、下に向ければ山野草と、どこを見ても春の彩りに満ちています。
春は野鳥の活動が活発になる季節でもあります。御岳渓谷周辺では、ヤマガラ、シジュウカラ、ウグイスなどの野鳥を観察することができます。カケスの群れが見られることもあり、バードウォッチングを楽しむ方も少なくありません。新緑の木々の間から聞こえてくる鳥のさえずりは、ウォーキングをさらに心地よいものにしてくれます。
冬の間に山々に降り積もった雪が溶け出し、春の多摩川は水量が増します。豊かな水量を誇る清流は、透明度が高く、川底の石や泳ぐ魚の姿を鮮明に映し出します。渓流の音は新緑の森に響き渡り、自然のオーケストラのような心地よいサウンドスケープを奏でます。
御岳渓谷遊歩道沿いの見どころスポット
御岳渓谷遊歩道沿いには、自然の美しさだけでなく、文化・芸術に触れることのできるスポットも数多く点在しています。ウォーキングの途中に立ち寄ることで、散策に奥行きが加わります。
玉堂美術館で川合玉堂の日本画に触れる
御嶽駅から遊歩道を歩いてすぐのところにある玉堂美術館は、日本画の巨匠・川合玉堂を記念して1961年(昭和36年)5月に開館した美術館です。川合玉堂は1944年から1953年まで御岳の地で暮らし、この地の自然に深く感銘を受けて多くの作品を生み出しました。
美術館では、15歳の頃の習作から84歳の絶筆まで、玉堂の画業を幅広く紹介する作品が展示されています。年に7回展示替えが行われ、季節に合わせた作品が鑑賞できるのも魅力です。入館料は大人600円、中高生・大学生500円、小学生300円となっています。多摩川の清流を見下ろすロケーションに建つこの美術館は、ウォーキングの途中に立ち寄って、芸術に親しみながらひと息つくのに最適な場所です。
小澤酒造(澤乃井)で青梅の地酒を楽しむ
「澤乃井」の銘柄で知られる小澤酒造は、御岳渓谷遊歩道沿いにある歴史ある酒蔵です。清らかな湧水を使って醸される日本酒は、地元はもちろん全国にファンを持ちます。
酒蔵見学は予約制で、平日は11時と13時の1日2回、土日祝日は11時、12時30分、14時の1日3回実施されています。所要時間は約40分で、料金は700円(20歳未満は無料)です。見学では酒蔵の内部を案内してもらえるほか、利き酒も楽しめ、オリジナルのぐい呑みがお土産としてもらえます。
酒蔵の敷地内には、澤乃井園というテラスガーデンがあり、多摩川の清流を眺めながら日本酒やビール、おでん、そばなどを味わうことができます。春の新緑シーズンには、緑に囲まれたテラスでの一杯は格別です。敷地内に併設されている豆腐料理専門店「豆らく」は、地元の名水で作られた手作り豆腐が自慢の店で、ランチタイムには多くの来訪者で賑わいます。「ままごと屋」では豆腐料理のコースを、「わっぱ屋蔵亭」ではわっぱ飯を楽しむこともできます。
櫛かんざし美術館とせせらぎの里美術館
遊歩道沿いにあるもうひとつの美術館が、櫛かんざし美術館です。日本の伝統的な髪飾りである櫛やかんざしを中心に、江戸時代から昭和にかけての装身具のコレクションを展示しています。日本女性の装いの歴史に触れることのできる、全国でも珍しい美術館です。
御嶽駅の東側、遊歩道沿いにあるせせらぎの里美術館は、地元の芸術家の作品を中心に展示を行っている小さな美術館です。渓谷の自然に溶け込むような佇まいの建物自体も見どころのひとつとなっています。
御岳渓谷周辺のおすすめグルメと食事処
ウォーキングの楽しみのひとつといえば、やはり食事です。御岳渓谷周辺には、渓谷の絶景を眺めながら食事を楽しめる飲食店が点在しています。
御岳渓谷沿いに位置する「手打ちそば 笑(えみ)」は、窓から御岳渓谷が一望でき、絶景を楽しみながら本格的な手打ちそばを味わうことができる人気店です。気の利いた小鉢が付いたセットメニューが人気で、地元の食材を活かした料理が堪能できます。
「甘味とごはん処 やお九」は、八百屋の経験を活かして厳選した野菜や果物を使った料理が自慢の店です。フルーツあんみつやだんご汁などのメニューが人気で、こだわりの食材とこだわりの景色を同時に楽しめます。ウォーキングの休憩にもおすすめです。
前述の澤乃井園内にも複数の食事処があり、豆腐料理の「豆らく」やわっぱ飯の「わっぱ屋蔵亭」など、さまざまなジャンルの料理を楽しむことができます。特に多摩川を見下ろすテラスでの食事は格別で、春の新緑に囲まれながらの昼食は最高の贅沢です。
これらの飲食店は、特に週末や行楽シーズンには混雑するため、早めの時間帯に訪れるか、事前に予約をしておくことをおすすめします。
御岳渓谷で楽しめるウォーキング以外のアクティビティ
御岳渓谷は、ウォーキングだけでなく、多彩なアクティビティが楽しめる場所としても知られています。
御岳渓谷はカヌー・カヤックのメッカとして全国的に有名で、国際大会や国内大会が開催されるほどの聖地です。渓谷周辺にはカヌースクールやカヤック教室があり、初心者でも気軽に体験することができます。春の新緑の中、清流の上をカヤックで漕ぎ進む爽快感は格別です。体験スクールでは、基本的な漕ぎ方からレクチャーしてもらえるため、未経験者でも安心して参加できます。
複数人でゴムボートに乗り込み激流を下るラフティングも人気のアクティビティです。多摩川の流れを全身で感じることができ、スリルと爽快感を同時に味わえます。春は水量が増す時期でもあり、ダイナミックなラフティングが楽しめます。
近年人気が高まっているSUP(スタンドアップパドルボード)も、御岳渓谷で体験できます。ボードの上に立ってパドルを漕ぐこのスポーツは、バランス感覚が求められますが、穏やかな場所を選べば初心者でも楽しめます。水面に近い目線から眺める渓谷の景色は、また違った魅力があります。
御岳渓谷は、外岩でのボルダリングスポットとしても有名です。渓谷沿いには「忍者岩」をはじめとする多くのボルダリングスポットが点在しており、全国からクライマーが訪れます。忍者岩の前は瀞場(とろば)になっており、ボルダリングをしている人を眺めながら休憩するのも楽しいひとときです。レンタルギアを提供しているショップもあるため、手ぶらでも楽しめます。
渓流釣りのスポットとしても御岳渓谷は人気があります。奥多摩フィッシングセンターなどの施設があり、ニジマスやヤマメなどの渓流魚を狙うことができます。遊歩道を歩いていると、川辺で静かに糸を垂れる釣り人の姿をよく目にします。
御岳山へ足を延ばす春の日帰りプラン
御岳渓谷のウォーキングを楽しんだ後は、御岳山にも足を延ばしてみることをおすすめします。御嶽駅からバスとケーブルカーを利用して、手軽に標高929メートルの御岳山の山頂エリアにアクセスできます。
ロックガーデンと武蔵御嶽神社の見どころ
御嶽駅から西東京バスに乗車し、終点の「ケーブル下」バス停で下車します(約10分)。そこから御岳登山鉄道のケーブルカーに乗り換え、滝本駅から御岳山駅まで約6分で到着します。ケーブルカーを使えば一気に標高を稼ぐことができ、徒歩で約1時間かかる距離を快適に移動できます。
御岳山の最大の見どころのひとつが、約1.5キロメートルの沢沿いを巡るロックガーデンです。大小の奇石の間を清流が流れ、苔に覆われた岩々と木漏れ日がつくりだす幻想的な景観は、「もののけ姫」の世界を彷彿とさせると評されることもあります。春の新緑シーズンには、苔の緑と新緑の緑が織りなす、まさに「緑の楽園」とも呼べる美しい光景が広がります。歩行距離は約5キロメートル、標準コースタイムは約4時間ほどで、初心者でもハイキング感覚で楽しめるコースです。
御岳山の山上には、古くから霊峰として崇められてきた武蔵御嶽神社があります。創建は紀元前91年と伝えられ、2000年以上の歴史を持つ由緒ある神社です。おいぬ様(ニホンオオカミ)を祀っていることでも知られ、愛犬家の参拝も多い神社です。神社周辺には御師(おし)の宿坊集落が広がり、独特の山上集落の雰囲気を楽しむことができます。参道沿いには食事処やお土産店もあり、登山の疲れを癒しながら買い物も楽しめます。
御岳渓谷のウォーキングと御岳山のハイキングを組み合わせれば、充実した日帰りプランが完成します。ただし、両方を楽しむ場合はかなりの時間を要するため、早朝からの出発をおすすめします。
御岳渓谷ウォーキングに適した春の服装と持ち物
御岳渓谷遊歩道は比較的整備された道が続きますが、快適なウォーキングのためには適切な服装と持ち物の準備が欠かせません。
春の御岳渓谷は、日中の気温と朝晩の気温差が大きいのが特徴です。4月の平均最低気温は約2.5度、5月の平均最低気温は約7.6度と、朝晩はかなり冷え込みます。一方、日中は暖かくなるため、重ね着で調整できる服装が理想的です。長袖のシャツやフリースなど、体温調節がしやすい上着を用意するのがおすすめです。朝晩の冷え込みに備えて、軽いダウンジャケットやウインドブレーカーも持参するとよいでしょう。帽子は日差し対策として欠かせません。渓谷は日陰になる部分も多いですが、開けた場所では直射日光を受けることもあります。
足元は歩きやすいウォーキングシューズやトレッキングシューズがおすすめです。遊歩道は概ね整備されていますが、一部に石畳や階段、濡れた箇所があるため、滑りにくい靴底のものを選びたいところです。サンダルやヒールのある靴は避けるべきです。
水分補給用の飲み物は必ず持参しましょう。遊歩道沿いにも自動販売機や売店がありますが、場所によっては距離が離れているため、あらかじめ準備しておくと安心です。雨具は急な天候の変化に備えて必ず持っていきたいアイテムです。山間部のため天候が変わりやすく、晴れていても急に雨が降ることがあります。折りたたみ傘よりもレインウェアの方が、歩きながらでも使えるため便利です。タオルやハンカチは汗拭き用に、日焼け止めも春は意外と紫外線が強いため、忘れずに塗っておきたいところです。カメラやスマートフォンは、美しい渓谷の風景を記録するために欠かせないアイテムです。小さなリュックサックに荷物をまとめておくと、両手が自由に使えて歩きやすくなります。
春の御岳渓谷おすすめモデルプラン
春の新緑シーズンに御岳渓谷を訪れる方のための、日帰りモデルプランをご紹介します。
のんびり渓谷散策プラン(所要時間:約4~5時間)
午前9時頃にJR軍畑駅に到着し、駅から青梅街道を経て遊歩道入口へ向かいます。遊歩道に入ったら、新緑の木々と多摩川の清流を楽しみながら、ゆっくりと上流方向に歩いていきます。午前10時頃に小澤酒造エリアに到着したら、澤乃井園で休憩し、日本酒の利き酒やテラスでの軽食を楽しみます。時間に余裕があれば酒蔵見学にも参加するのがおすすめです。
午前11時30分頃に玉堂美術館に到着し、川合玉堂の日本画を鑑賞します。渓谷の芸術と自然の融合を楽しんだ後、正午頃に遊歩道沿いの食事処でランチをとります。豆腐料理や手打ちそばなど、地元の味覚を堪能できます。
午後1時頃にランチを終え、再び遊歩道を御嶽駅方面に歩きます。午後の柔らかな光の中で、午前中とはまた違った表情を見せる新緑の渓谷を楽しめます。午後2時頃にJR御嶽駅に到着し、帰路につくか、余力があれば御岳山へ向かうこともできます。
渓谷+御岳山プラン(所要時間:約7~8時間)
午前8時頃にJR御嶽駅に到着し、まず御岳山へ向かいます。バスとケーブルカーで山頂エリアへ移動し、武蔵御嶽神社を参拝してロックガーデンを散策します。正午頃に御岳山を下山し、御嶽駅周辺で昼食をとります。午後は御岳渓谷遊歩道を軍畑方面に向かって歩き、新緑の渓谷美を楽しみます。夕方にJR軍畑駅から帰路につくプランです。このプランは健脚向けですが、御岳渓谷の水辺の新緑と御岳山の山の新緑、両方を一日で楽しめる贅沢なコースです。
春の御岳渓谷で映える写真撮影ポイント
春の新緑シーズンの御岳渓谷は、写真撮影にも絶好のスポットです。SNSやブログに映える美しい一枚を狙うなら、いくつかのポイントを押さえておくとよいでしょう。
御嶽駅からほど近い御岳橋は、渓谷を上から見下ろすことのできる絶好の撮影ポイントです。橋の上から見下ろす多摩川の清流はエメラルドグリーンに輝き、両岸を彩る新緑との組み合わせは東京とは思えない美しさです。特に朝の早い時間帯は、柔らかな光が新緑を透かして輝き、幻想的な写真が撮れます。
玉堂美術館の前にそびえる大イチョウは、秋の黄葉で有名ですが、春の新緑も見事です。大木の生命力あふれる新緑と、その背後に広がる渓谷の景色は、季節を問わず写真映えするスポットです。
遊歩道沿いの随所で見られる、清流と苔むした岩のコントラストは、最も「御岳渓谷らしい」写真が撮れるポイントです。特に逆光を利用して水面のきらめきを捉えると、神々しい雰囲気の一枚に仕上がります。新緑の木漏れ日が水面に揺れる様子も、春ならではの撮影チャンスです。
御岳渓谷ウォーキングの注意事項とマナー
快適に、そして安全に御岳渓谷のウォーキングを楽しむために、いくつかの注意事項とマナーを心得ておきましょう。
遊歩道の一部には岩場や急な階段があります。特に雨の後は路面が滑りやすくなるため、足元に十分注意して歩くことが大切です。川辺に近い場所では、増水時には水位が上がることがあるため、大雨の後は特に注意が必要です。携帯電話の電波は概ね届きますが、一部の谷間では電波が弱くなることもあります。同行者に行程を伝えておくか、複数人で歩くことをおすすめします。
御岳渓谷は秩父多摩甲斐国立公園の一部であり、豊かな自然環境が守られている場所です。ゴミは必ず持ち帰り、植物を採取したり、動物に餌を与えたりしないようにしましょう。遊歩道から外れて歩くことも、植生を傷める原因となるため避けたいところです。川に入る際も、環境への配慮を忘れずに、洗剤や石鹸などを川に流すことは厳禁です。名水百選に選ばれた清流を、次の世代にも引き継いでいくために、一人ひとりの心がけが大切です。
遊歩道はウォーキングを楽しむ人だけでなく、ランナー、釣り人、ボルダリングを楽しむ人など、さまざまな利用者がいます。お互いに譲り合い、気持ちよく過ごせるよう心がけましょう。大きな声での会話や音楽の再生は、自然の中で静寂を楽しんでいる人への配慮として控えめにすることをおすすめします。
四季で変わる御岳渓谷の表情
春の新緑が御岳渓谷の大きな魅力ですが、この渓谷は季節ごとに異なる表情を見せます。
春は3月下旬から4月上旬に桜が見頃を迎えることから始まり、4月下旬からは新緑が渓谷を彩る最も華やかな季節です。気候も穏やかで、ウォーキングに最適な時期となっています。夏は深緑の木々が濃い影をつくり、涼しげな渓谷の風景が広がります。川のせせらぎが涼を呼び、カヌーやカヤック、ラフティングなどのリバーアクティビティが最も盛り上がる季節でもあります。
秋は御岳渓谷が最も多くの観光客で賑わう紅葉の季節です。11月中旬から下旬にかけて、カエデやイチョウが色づき、渓谷全体が赤や黄色、橙色に染まります。清流と紅葉のコントラストは息をのむ美しさで、多くの写真愛好家も訪れます。冬は葉を落とした木々の間から、普段は見えない渓谷の岩肌や地形がよく見える季節です。空気が澄み渡り、遠くの山々まで見渡せる日も多く、訪れる人が少ないため、静かに自然と向き合える貴重な季節です。
| 季節 | 時期 | 見どころ | おすすめの楽しみ方 |
|---|---|---|---|
| 春 | 3月~5月 | 桜・新緑・山野草 | ウォーキング・花見 |
| 夏 | 6月~8月 | 深緑・涼しい渓谷 | カヌー・ラフティング |
| 秋 | 9月~11月 | 紅葉・色づく渓谷 | 紅葉狩り・写真撮影 |
| 冬 | 12月~2月 | 岩肌・澄んだ空気 | 静かな散策 |
御岳渓谷は、東京都心から気軽にアクセスできる自然の宝庫です。日本名水百選に選ばれた多摩川の清流、両岸約4キロメートルにわたる整備された遊歩道、玉堂美術館や小澤酒造などの文化施設、カヌーやボルダリングなどの多彩なアクティビティと、楽しみ方は実に多様です。中でも春の新緑シーズンは、渓谷が最も生き生きとした姿を見せる季節です。さまざまな緑色に染まる木々、清らかな渓流のせせらぎ、鳥のさえずり、山野草の可憐な花々と、五感すべてで自然を感じることのできる贅沢な時間が、ここには流れています。日帰りで気軽に楽しめるウォーキングコースでありながら、都会の喧騒を忘れさせてくれる圧倒的な自然の力を感じられる御岳渓谷の春の新緑ウォーキングは、心身のリフレッシュを求めるすべての方におすすめしたい、珠玉の散策体験です。









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